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ダンジョンマスターに生まれましたが人間やってます  作者: 猫の靴下
二章 成人の儀
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2.王都に行こう2

王都にいく乗合馬車は頻繁に出ている。

僕は村に行ったときにも利用したけどお尻が痛くてしょうがなかったんだ。

なので今回はちゃっかり小さな座布団を用意した。

こちらでいうクッションよりも薄いし小さいので持ち運びが楽だ。

『ゴールデン商会』のお店で着替えるときに荷物はあずかってもらえるので式のときも邪魔にならない。



ガタゴト、ガタゴト

ガタゴト、ガタゴト


「尻が痛い」と泣き言をいうレッドのために2枚用意してあった座布団を貸してあげる。

「持ってるのなら最初から貸してくれよ」という当たり前の言葉に舌を出す。


僕らがふざけあっていたら、王国騎士団の人たちとすれちがう。

大きな馬に乗って鎧もかっこいい。

口をあけて見とれていたら馬上から手を振ってくれた。

かっこよすぎる!やばい。惚れてしまう。


見えなくなるまでその後姿を見送った。




やがて大きな城塞である壁とお城が見えてきた。

テンションがあがる!

「おおー--すげー--!!!」僕らは田舎者丸出しで歓声をあげた。


一緒に乗っていた大人たちはほほえましいものを見るように僕らをみていた。





ゴールデン商会長のゴールさんの好意で今日は空いてる部屋に泊めてもらう。

部屋がとにかく広い。

絨毯もあるし絵も飾られてゴージャスだ。

レッドはびっくりしすぎて固まっていた。

僕だってこんな立派な部屋はテレビで見たくらいだよ。



夕食の時にゴールさんが一緒に席についてくれたので、僕はお願いをしてみた。


「あの、ゴールさんに折り入って頼みがあるのですが」

「ほう、なんだね?」

「銀行を開設したいです。でも信用がないとだめらしいので保証人になってもらえませんか?」

「ふむ。君は銀行についてどのくらい知識があるのかね?」

「えっとお金を預金できる・・・」そこまでいいかけて、これはもしや試されているのではと気が付く。

「お金を預けたり引き出したり、高価なものも預けておけるとききます。おそらく貸し借りもできるんじゃないかと思ってます。

利息は付くのかわかりませんが大きな商会などにお金を貸してその手数料で運営してるじゃないかと」


僕のような子供はこのくらいの説明でせいいっぱいだ。

ゴールさんはうなずいてその辺を理解してるのなら大丈夫だろうと「わかった」といってもらえた。


銀行に預けても利子はつかないらしい。

あと少額ならギルドで借りるのだそうだ。

お金を借りて返せなくなった場合に代わりに返金するのが保証人だ。

冒険者は銀行にある程度貯めて、そこから商売を始める人もいるのだとか。

そうなったら相談にのるよといってもらえた。


「ご迷惑かけないようにします」


夕食は白いパンに甘い果物。この世界の珍しいお肉や魚が出てきた。

とろりとした舌触りはチーズだ。とろけるような柔らかいお肉の上にのっている。

まだ見たことのない具沢山の野菜の入った熱々シチュー。お魚は食べやすく一切れずつサラダの上に鎮座してる。玉ねぎを刻んだものと辛いソースをかけていただく。弾力があってコリコリしてる。

この世界の話が面白すぎて食べるのを忘れる、なんてことはなくお腹いっぱい食べて飲んだ。




楽しかった。

そしてなんと、ここにはお風呂があるのだ!!

湯舟だよ湯舟!


この世界に来てはじめてじゃね?


一人ずつ入るのではなく、数人で入るタイプの大きなお風呂だ。

日本みたいに熱くはなく、少しぬるめのお風呂だ。

湯沸し器がなくて温めたお湯をメイドさんが運んでくる人海戦術のようだ。


日本のお風呂のように沸かしたらそのまま流れ込むようにできないのだろうか。

火事になったりするリスクがあるからやらないのかな。

石鹸もいい香りがする。


はぁ~疲れがとろけていくようだ。

レッドが風呂の中で泳ごうとしてバシャバシャお湯がかかるので、桶で頭の上にお湯をかけてやった。

レッドとお湯をかけあって遊んでいたら「お客様!お風呂場ではお静かに」と声をかけられてしまう。

せっかく汲んだ浴槽のお湯は半分になり、浴室はびしょびしょだ。


僕らしかいなかったからといってやりすぎた。ごめんなさい。

裸で土下座したよ。へっくしゅん。



歯ブラシも独特で毛筆のような形をしている。

毛がかためだ。そういえばこの世界に来てから歯を磨いてなかったな。

虫歯になったらどうしよう。


洗濯も明日でいいやとふわふわのベッドにもぐりこんで寝てしまう。

おやすみなさい。





翌朝。気持ちよく晴れ渡る。

スズメはいないけれどヒヨヒヨと鳴いてる声が聞こえる。


今日は洗濯と試着。王都銀行へ乗り込むのだ!


この世界にきてから僕はかなり洗濯が上手になった。

弱すぎる魔法のおかげで服がいい感じに乾くのだ。自慢にならないが。

いい香りの石鹸のおかげでかなり洗濯も楽しかった。

この石鹸買って帰りたい。


朝食の後すぐに試着へ。派手だ・・・ものすごく派手だ。

学生服っぽく紺色を選んだんだけど金色の派手な刺繍が入ってる。黒い髪に合うのだそうだ。ほんとうか?

宣伝だといってたからこれくらい普通になるのだろうか?

一日の我慢だ。

うん…我慢しよう・・・無料だし。


レッドのほうは成長期なのか前の採寸とあわなかったらしい。

もう一度やりなおして手直しするそうで、時間がかかるそうだ。

僕は銀行へ先にいくことにする。


申し込むだけだからそんなにかからないそうだ。



お読みいただき、ありがとうございます。


少しでも続きが気になる、と思っていただけたら、

『ブックマーク』と【☆】何卒応援よろしくお願いします。


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