表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/53

20.狩りだ!釣りだ!

港の外は巨大海獣。

漁師さん、船にぶつかったりしたら危ないよね。と考えながら朝食をいただく。


美味しい魚のパイにご機嫌なレッド。

ケイトの取り皿にパイを取り分けてあげる親切さだ。

機嫌が直ったらならいいか。


甘いミルクたっぷりなお茶が美味しい。

アーモンドのような香ばしさもいいな。ミルクの香りに負けてない。

これは師匠のお土産にしたい。





夏の日差しは強烈だ。強い光は建物をより鮮明に浮き上がらせ、くっきりとしたと影を落とす。


僕は外に出た途端、まぶしさに目をつぶる。

帽子が欲しいな。

海賊のかぶっていた大きなツバがあるのとか。


歩いてギルドへいくが、なんだか皆の雰囲気が違う。

夏の太陽のせいか、全体的にくっきりと明るく見える。

学校や屋内では気が付かないけど、ケイトの髪って赤じゃなくて赤紫だ。

こっちの世界の人はいろいろな髪色があるんだなぁ。


ケイトが今日のお仕事をとってきた。

ポット君おすすめの海の隣、砂丘地帯での浜サソリを捕まえてくる仕事だ。

捕まえた数だけ買い取るという。

尻尾には毒があるので、靴の上に分厚い布を巻く。手にも手袋。

暑いです。


現地は見事な砂漠。鳥取砂丘のようなサラサラの砂だ。

日陰なんてものは一切ない。

亀がいたせいで浜サソリは隠れていたんだな。


ここでデイジーから注意事項。


「万が一刺されたらすぐ教えて。浄化魔法をかけるから」

「まじか。聖女みたいだな」

「神殿で祈ってたら生えてきたのよ」

「デイジーってすぐ勧誘されるから神殿嫌がってなかった?」

「同じ学校にいたピンク髪が聖女様になるみたいだから、私は無罪放免みたい」


そういえばいたな。地球から来た乙女ゲーム脳の子が。




「では今日の狩りはケイトが敵の位置を見つけ出して、私が氷魔法をするわね。」

「俺だって火魔法・・」といいかけて全員が「「「だめ」」」と否定する。

丘サソリが灰になってしまう。


食材として使うので、なるべく形は崩さないでほしいというのが依頼条件だ。




砂の中にもぐってるサソリはある程度まとまって生活してるようだ。

「ふふふ、新しい魔法をみせてあげるわ」

 デイジーはそう言って<スノーブレス>と、唱えた。


広範囲魔法だ。たくさんの丸い雪がふわふわと浮かび上がり、そのまま砂の上をゆっくりころがっていく。

雪と風の合併魔法だ。


丘サソリは獲物が来たと勘違いして転がる雪に襲い掛かり、そのまま凍り付いた。


「おおー!すげーな」

「まだ範囲が狭いので使いどころが限定されるのよね」と笑いつつ、凍ったサソリを回収。


ギルドで貸してもらった袋にポンポン投げ入れていく。

移動しながら魔法をかけてもらって、僕らはひたすら拾う。




そのうち、デイジーの動きが悪くなってきた。

頬が上気してふらついている。僕は慌てて駆け寄る。


「ちょっと調子に乗って魔法連発しすぎたかも。休憩して魔法回復するわ」

「すぐ冷やさないとだめだ。ここに寝転がって」


日本で有名なあの病気にピンときた僕は、土魔法で砂をかためて長椅子と日陰をつくる。

濡れたタオルをしぼっておでこに、冷たい水は・・・ないな。


「ここまでしなくても大丈夫よ」

「いやだめだ。熱中症は冷やすのが一番なんだ」

「ねっちゅうしょう?なによそれ」

「僕の故郷でよく起こる病気なんだ。涼しいとこにいれば良くなるよ」


高温多湿な日本ではおなじみの病気だ。

ここは砂漠だけど、デイジーは先ほどから雪の魔法、つまり湿気を大量に作っていたんだ。

ぼくらは彼女のおかげでひんやりとできたけど、術者はずっと暑かったはずだ。


彼女はコップを自力で冷やして冷たい水を飲む。

少し回復はしたようだが、すでに荷物袋はいっぱいだ。

大きな袋3つギュウギュウに詰まってる。

僕はひもで袋を縛って全部担いだ。


デイジーはレッドとケイトに支えられて歩いてギルドに戻る。

僕は受付へ、3人はそのまま宿に戻る。


「こ、こんなにたくさんですか?あ、ありがとうございます」

ギルド受付は震え声だ。

「換金に時間がかかります。明日また受け取りにきていただけないでしょうか?」

「え?はい。わかりました」



やがてギルドの仕事斡旋掲示板に「サソリを数える仕事」の募集が出た。


「あれ?やらかしましたかね?」





デイジーは眠ったようなので、今日はもう自由行動にする。


時間ができたので、僕は海釣り用の道具を一式そろえて購入。

渓流釣りと違って、海は大きな道具が必要だ。

竿も太い。

エサは小魚の形をした疑似餌ルアーというのを使う。

蜘蛛の糸は海水に弱いので、専用の丈夫な糸、あと浮きも水中浮きという特殊なのを使う。

2枚潮という海面と海中の流れが逆になったりするからだ。


偉そうに書いてしまったけど、全部釣り専門のお店で聞いた話だ。

夜になったら海水浴場の隣の岩場へ釣りに行く。



大きいの釣れるかな?

海釣りで大きい魚を釣り上げるのはロマンだ。


潮の流れがまったくわからない。

むずかしすぎる。

一匹も釣れない。


お店の人にもう一回よく聞きにいってこよう。

海釣りは奥が深いな。

お読みいただき、ありがとうございます。


少しでも続きが気になる、と思っていただけたら、

『ブックマーク』と【★】何卒応援よろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ