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ダンジョンマスターに生まれましたが人間やってます  作者: 猫の靴下
二章 成人の儀
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11.新しい道

帰りにあの大きな『精霊の樹』の下に集まって『樹の祝福』を全員で受ける。

旅の安全を守るおまじないみたいなものだそうだ。

僕らは馬車でメルクル街までもどっていく。




僕は馬車で一人考える。


自然の力を利用して魔石を作れるのだろうか?


鍾乳洞、雪解け水を取り込んだ湖、火山の熱、どれも自然が織りなすエネルギーだ。

それが魔素をとりこんで魔石になる。

つまり自然を利用する発電みたいなものだ。

日本なら電気を作るのは専門的だとおもうけど、ここなら空気のような魔素を使って簡単にできそうな気がする。

風力発電なら風車。そこに魔石をつけて魔素を取り込むことも可能じゃないか?


世界は広いんだ。殺さなくても魔素を効率的に取り込めたらもう争わなくてもいいよね。



ふと目を上げると3人とも無言だ。

皆も何か思うところがあったのだろうか?


デイジーが言い出す。


「私そろそろ王都の学校に行こうと思ってるの。休日は狩りして学費を稼ぐわ。まあ、そのまえに受験があるのよね」

「エルフについて勉強したい。『精霊の樹』の話をずっと聞いて・・・興味がわいた」ケイトはそっと話す。

「僕も調べたいことがあるから王都にいきたいんだ。図書館だれでも入れるといいけど」僕も思っていたことを言ってみる。


「あらそれなら二人とも一緒に学校いかない?学生証があれば学校の図書館も調べ放題よ?」デイジーが誘う。


「おれはいかないぞ。勉強なんて嫌いだからな。それよりもっと強くなりたいんだ」レッドがいう。

「ばかねぇ。学校は騎士になる訓練科もあって、一流の冒険者はみなそこ卒業してるのよ」

「まじか!いく!いきます!あー-でも試験・・・」頭を抱えるレッドにみなが笑う。


「騎士や魔法士の試験は実技重視だからなんとかなるわよ」となぐさめられつつ、街に到着。





さっそくジョン爺さんに相談すると勉強会をやってくれることになった。

貧乏を抜け出す第一歩なので、ほかの人たちにも声をかける。

王都から中古の受験対策の本・過去出題問題をとりよせて学ぶことになった。


なんか中学以来だよね!

懐かしいけど勉強は嫌いだったことを思い出す。うええええ。


魔石を知るなら魔法学の魔道具製作科あたりになりそうだ。

図書館だけじゃだめでしょうか?あ、だめなんですね。

聴講生とかは?あ、ないんですね。


とりあえず一年だけでもがんばってみるかな。

いざとなったら退学して逃げ出してダンジョンつくる!

あー-その知識がないから勉強するんだった><



自分自身で突っ込んで撃沈。

試験科目をおさらいする日々が始まるのであった。




僕が受けるのは専門科目。

とはいえ基礎学力という常識がないとこまる。



ちんぷんかんぷんなこの国の歴史を勉強するはめになる。

日本人にわかりやすく言うのなら出てくる国王や場所の名称が全てカタカタ表記なんだ。

すべてカタカナ表記の文章ってものすごく読みにくいのはわかってもらえるかな。

発音するとなると違い過ぎて舌をかむってば。

これが子供でも読める教科書だと?まじかよ。


せめて漢字にしてくれ。ひえええええええええええええ


僕がこの国の言葉や文字が最低限わかるのはタマちゃんが教育してくれたおかげらしい。

そのとき僕は欠けた魂だけだったので記憶にない。


つまり歴史なんて初めて目にするものばかりなんだ。

外国の歴史を勉強しろってかなりきついんだけど。


レッドでさえ知っている歴史を僕は知らない。

どうしよう、異世界小学校から入学していいですか?



レッドはなぜか魔術学科の推薦状をもらっているようだが、ものすごく嫌そうだ。

スキル『爆炎』を持つ子が生まれやすい一族なんだそうだ。


ただし高火力・高範囲のため扱いが難しくて修行が欠かせないらしい。

それを学校で教えてくれるそうで喜ぶべきなんだろうが、むちゃくちゃ嫌がってるのはなぜだろう。



おれは『爆炎』スキル使えなくていい!

『隠密』をもっと使いこなしたいんだ!


どうでもいい野望をまだもっていたらしい。


「『爆炎』スキルつかえたらすごくもてそうだよな?女の子からレッド君かっこいいってキャーキャー言われるのも悪くないと思うぞ」

と、そそのかしたらその気になったようだ。


ふふふ。基礎学力の勉強なんて一人でやってられるかよ。

レッド、おまえも巻き添えだ。


お読みいただき、ありがとうございます。


少しでも続きが気になる、と思っていただけたら、

『ブックマーク』と【☆】何卒応援よろしくお願いします。


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