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十一回表 〜左飛、一ゴロ、三振〜

 総合高校野球部員として試合に参加しているのは選手だけではない。全ての大会全ての試合で記録員としてベンチ入りしている三年生の女子マネージャー木暮真樹子(こぐれまきこ)も立派な戦闘部員であり、主将哲が部員たちを引き上げる役割だとすれば彼女は縁の下で部員たちを押し上げる役割といえるだろう。

 木暮は哲と同じ○○市の第三中学の出身で、中高合わせて六年間マネージャー業を続けてきた。ただの一度も休むことなく部員たちのサポート役を引き受け、身の回りの世話から対戦相手校の偵察などアクティブに動き回っていた。他にもマネージャーは数名いるが、部員たちはもちろん宅師の視線が届かないところにも気が配れるのは彼女をおいて他にいない。

 そんな木暮に選手たちは全幅の信頼を寄せており、気立てが良くて器量も良い彼女は野球部に限らず人気が高い。特に勇樹は彼女に片思いしており、常に隣を狙って構ってほしそうにしていたが気付かぬ振りを貫き通して笑顔で躱していた。

 劣勢から同点に追い付いて延長戦にもつれ込んだ決勝戦は暑さとの戦いでもあった。木暮自身も暑さでふらつきそうになりながらも、炎天下の中試合に臨んでいる選手最優先でスポーツドリンクや保冷剤を配っていく。

「ちゃんと行き届いてる? 足りてない子いない?」

 彼女は選手たちの様子をつぶさにチェックしている。普段であれば構ってちゃんになる勇樹も試合中では最大限甘えすぎないようにしていた。

「薫、保冷剤もう一個要る?」

「ミネ君、冷えピタ頭に貼っとく?」

「中西君、肩冷やす?」

 といった感じで常に気配りを怠らないので、暑苦しいベンチ内の木暮は精神的オアシスとなっている。こうした女子マネージャーのサポートも総合高校野球部が強くなった要因の一つではないか、と宅師は分析していた。この回は三者凡退となってしまったが、こうした労いがあるのと無いのとでは心の持ちようが大きく変わってくる。膠着状態となった試合展開の中でも総合高校のベンチは明るさと活気に満ち溢れていた。

総合高校|00100121100|6

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海洋水産|1320000000 |6

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