十回表 〜右安、右直、二ゴロ、三振〜
森田雅俊が通っていた中学は軟式野球で全国的に名を馳せており、一年生の時に当時二年生エースだった安西を擁して全国優勝を果たしていた。自身が三年生になった年も全国大会に出場して八強まで勝ち進んだ。
殆どの部員がそのまま軟式を続ける中、森田は安西の背中を追いかけて総合高校に進学して硬式野球部に入る。入部の時点で頭角は表していたが、エース二階堂は峰川以外の捕手を受け付けず、対する安西も森田以外の捕手だと本領発揮ができないので自然と安西専属の捕手となる。
上級生が抜ければ恐らくは自身が正捕手となるだろう……捕手が育っていないというチーム事情も考慮すれば自然とその考えに行き着くのが現状だった。今は安西専属状態でもこれからは同級生の行定、後輩の堀の女房役となるため二人とも積極的に練習をこなしている。
「安西、森田。ここからは任せた!」
「「はいっ」」
三回途中から肩を作っていた安西は既に準備万端の状態で、クールダウンする余裕すらある状態であった。主将哲が九回裏まで海洋水産高校打線を無失点に切り抜ける粘りを見せてチームは劣勢から延長にまで持ち込んでいた。完全に今はこちらに波がある、自身は安西と共にこの流れを明け渡さず、しっかりと守り切るのが役割である。
「いくぞモリ」
「はいっ」
十回表の攻撃が終わり、二人はグラウンドの中心を陣取って海洋水産高校打線に立ちはだかる。
総合高校|0010012110|6
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
海洋水産|132000000 |6




