延長線突入 グラウンド整備
【総合高校】
①遊 中西勇樹
②投 中西哲
③左 小木凌太朗
④右 依田稔
⑤捕 峰川誠
⑥一 大岩雄星
⑦三 田村薫
⑧二 松原祥太郎
⑨中 長嶋徹
【海洋水産】
①中 芹澤
②遊 丸山
③右 武田
④捕 塙
⑤左 竜﨑
⑥二 望月
⑦三 八尾
⑧一 戸塚
⑨投 佐竹
過去最高のチームだろうな……それなりの実力者集団ではあるが、無名校で結成された総合高校野球部は名将宅師にとって思い入れもひとしおであった。大学を卒業してから五年間はそのまま大学野球に残ってコーチとして経験を積み、その後十年間は付属高校野球部の監督、そしてF県にある名門校高原学院野球部の監督を歴任した。
指導者として二十五年学生野球に携わってきたが、これまでは前任監督の後任を引き継ぐことを要求されて自身の思い描くチームを作れないというジレンマとの戦いであった。そのお陰で甲子園出場に導けた側面もあるにはあったが、所詮は前任監督の作ったものを継承し守っていくことしかしてこなかったのではと考えていた。
それが高原学院野球部を弱体化させた……彼はここ三年間の不甲斐ない結果をそう分析していた。退任に関しては仕方がないと思っているし、最強チームを作って古巣に仕返しをなどという考えも無い。ただこのチームは自身の理想に限りなく近いものが出来上がっている、指導者歴二十六年目にして味わう感触が初めてプラモデルを作り上げた喜びに似たものを感じていた。
正直に言ってしまえば全国で通用するレベルのチームとは言えず、センバツ出場校の海洋水産高校相手では大人と子供くらいの実力差があると言ってもよい。それでも日々成長を見せてくれた彼らは最高の逸材だと胸を張って言える。だからこそ勝たせたい、更なる高みを見せてやりたい……劣勢から延長戦に持ち込んだ選手たちの踏ん張りを目の当たりにした宅師は、監督としての欲を滾らせはじめていた。
【試合途中経過:九回終了時】
総合高校|001001211|6
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海洋水産|132000000|6




