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九回表 〜三安、三振、右2☆、中飛、右飛〜

 総合高校電気工学科に入学した柿沼照(かきぬまてる)は、野球部では唯一主将哲のクラスメイトとなる。仮入部をきっかけに行動を共にする機会が多くなり、ウォーミングアップの相手は常に彼であった。基本的にポーカーフェイスでいる主将だが、ちょっとしたゲームで大マジになったり甘い物が大好きだったりというなかなか見せない側面も知っている。

 野球に関しては可もなく不可もなくという程度の実力に過ぎないのだが、本音を表に出さない哲のサポート役をやらせようと副主将に任命された。

『俺には荷が重すぎます』

 自身の実力で部を引っ張る側の役割を担うのは無理だと辞退を申し出た柿沼だったが、宅師と前任主将はそれを跳ね返した。

『哲は全部を一人で抱える性分だからな、それをシェアできる人間にしか副主将は任せられん』

 確かに大型選手である依田、二階堂、安西辺りはマイペースな性分であるし、二遊間を組む勇樹もムードメーカーではあるがリーダー気質ではない。峰川はリーダー気質であるが野球経験が乏しく、倉橋は参謀気質、小木、柳原、春日、大岩は弟気質と言えるだろう。哲の重荷を半分背負う役割であれば自身が適役であろう……そう思い直して副主将を引き受けた。


 八回裏、相手打者が哲の投球(ピッチング)に慣れてきてスライダーをファウルで躱すようになってきた。二死(ツーアウト)までこぎつけはしたが投球数は明らかに増え、三人目の打者武田に死球(デッドボール)を与えてしまう。それに一抹の不安を覚えた柿沼はベンチで鎮座する監督に視線をやった。

「柿沼、塙には“敬遠”だ」

 伝令役を仰せつかった彼はベンチを飛び出してマウンドに走る。

「次は敬遠な」

 一緒にいた峰川は頷いたが哲は渋い表情を見せる。多分主将同士の勝負をしたいんだろうな……柿沼にはそう映った。

「敬遠は逃げじゃないよ」

「……」

「相手はお前の投球(ピッチング)に慣れてきてる、パターンを変える作業が敬遠ってだけの話」

「そうだな」

 哲はその言葉にほんの少し口角を上げた。バッテリーは指示通り相手の四番打者を敬遠で躱し、次の打者(バッター)を三振で打ち取って無失点で切り抜けた。


総合高校|001001211|6

ーーーーーーーーーーーーーーーー

海洋水産|13200000 |6

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