六回裏 〜二ゴロ、中飛、一邪飛〜
一年生ながら背番号十九を勝ち取った加藤智人は、実力こそあれど訳あって試合経験が乏しかった。一つ目の理由は肩の故障で、それを機に投手から野手転向して中学時代は一年生の秋からレギュラーメンバーには入っていた。しかし上級生に恵まれなかったためなかなか試合に出してもらえず、更には一学年上の部員による不祥事で対外試合出場停止処分となって主力学年期間を丸々棒に振った。
そんな受難に見舞われた状態で受験シーズンを迎え、名将宅師潤一郎を擁する総合高校を選ぶ。自宅から自転車で通える距離にあり、いざ入部してみると活気ある先輩たちの光景にあっという間に魅了された。練習の厳しさに耐え切れず脱落した同級生も多かったが、北部城址公園近隣出身の長嶋と依田の母校の二年後輩である堀と三人で仲良く競い合っている。
表の攻撃で加藤と同じ左翼のポジション争いをしている小木の犧安打でチャンスが広がり、ベンチ内のボルテージが上がり始める。その輪の中にいる彼のアドレナリンも活性化し、体を動かしていなくてもチームの一員として試合に参加していた。彼の次の打者である依田があわやホームランかというフェンス直撃の特大ヒットを放って二塁にいた主将哲が余裕の生還、一塁走者の小木も懸命の走りでホームを狙う。
しかし相手も試合巧者、クッションボールを上手く処理してここしか無いという見事な送球がキャッチャーミットに収まった。小木はヘッドスライディングでホームを突くも……。
「アウトーッ!」
得点には繫がらなかったが、地味な功労者のファイティングプレーはチームの雰囲気をガラッと変えた。その裏の守備でマウンドに立ち続ける主将は相手打者を三人で抑え、序盤燻っていた総合高校はいよいよ反撃の狼煙を上げる。
総合高校|001001|2
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海洋水産|132000|6




