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プレイボール 〜野球無名校に名将現る〜

 『これ以上貴方に監督は任せられません』

 そう三行半を突き付けられた宅師潤一郎(たくしじゅんいちろう)は、野球名門校高原学院野球部監督として十年間指揮してきた。かつては甲子園常連校として名を馳せていたのだがここ三年間はそれが遠退き、この年の夏の県予選大会ではコールド負けで初戦敗退という失態を犯してしまった。それが祟って春夏九回甲子園に導いてきた名監督も辞任を余儀なくされ、四十七歳にして無職への窮地に立たされている。

 さてどうしたものか……彼はまだ続く理事の話もそこそこに再就職について考えを巡らせる。一旦郷であるA県に戻って非常勤講師の求人でも探してみよう、いっそ無名校野球部の監督っていうのも良いかもな……。

『これじゃ名将も名折れですね』

 宅師には理事の嫌味も耳に入っていなかった。


【高原学院宅師監督辞任】


 スポーツ新聞にはそんな見出しが踊り、下手に有名人なだけに様々な憶測が飛び交っていた。当人はそんな周囲の騒ぎなどお構い無しでA県に戻り、県南部にある総合高校の非常勤講師に収まった。

『良い機会ですので野球部の顧問をお願いしてもぉ』

『構いませんよ』

 と安請け合いしたのがまずかった。

『いっそ甲子園目指しちゃいましょう』

 大喜びした校長は喜び勇みすぎて、翌年度の入試に合わせ県内にある中学校に宅師の野球部監督就任を吹聴してしまう。しかしこれが功を奏し、当時中学三年生だった将来有望な少年たちが彼の名のもとに続々と集まってきた。


 そして翌年度の四月上旬その少年たちが総合高校の制服に袖を通し、初々しい姿で野球部に殺到した。中には県大会優勝校の四番打者、リトルリーグ全国大会出場投手、更には軟式野球日本一のメンバーといった連中が集まり、仮入部の時点で上級生を実力で引きずり下ろすという下剋上が勃発していた。

『さてどうしたものか……』

 宅師は粒揃いの新一年生に一縷の期待を賭ける覚悟を決めていた。


【総合高校】

①遊 中西勇樹(なかにしゆうき)

②二 中西哲(なかにしてつ)

③左 小木凌太朗(おぎりょうたろう)

④右 依田稔(よだみのる)

⑤捕 峰川誠(みねかわまこと)

⑥一 柳原翔汰(やなぎはらしょうた)

⑦三 田村薫(たむらかおる)

⑧投 二階堂海里(にかいどうかいり)

⑨中 群滉聖(むれこうせい)

【海洋水産】

①中 芹澤(せりざわ)

②遊 丸山(まるやま)

③投 武田(たけだ)

④捕 (はなわ)

⑤左 竜﨑(りゅうざき)

⑥二 望月(もちづき)

⑦三 八尾(やお)

⑧一 戸塚(とつか)

⑨右 ウィルソン

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