第2話に登場した兵器とか用語とか
遅筆につきご迷惑をおかけいたしております
毎度おなじみの設定資料です
本編お話のスパイスのようなものなので読み飛ばしていただいてもストーリーには差し支えない・・・はずです
■あさドキ
某放送協会の情報番組で2010年から続く長寿番組。基本的に生放送。当初の司会進行役は人気アイドルグループのI氏と人気局アナウンサーのU氏。現在は九州出身の人気漫才師の二人と女性局アナウンサー。
同時間帯の視聴率一位を常に民放の「ザ・モーニングショウ」と競い合っている。
某放送協会は唯一局として全ての新地球調査隊に同行していて、毎日その様子を生中継する『探検隊に潜入しまシュッ』のコーナーを放送している。
当初のタイトルは『おはよう探検隊!』だったが、月一回の密着取材コーナーで進行役の御厨美登里アナウンサーが決め台詞噛んでしまって「本日も探検隊に潜入しまシュッ。」と言ったのがSNSでバズってコーナーの名前を多くの人が間違って呼ぶようになったので、改題してしまったと言う経緯がある。
このコーナーのために調査隊関係者か協会の科学担当の解説者が準レギュラーとして出演することになった。
■第一次外洋調査隊
東京を中心とする関東一円、旧武蔵国一帯が転移して3ヶ月後から計画が始まり、半年後には準備を始め、日本全土と周辺が完全転移したその年に出発した調査隊。近海の島々ではなく、遠方の探索を主たる任務としている。
まず南下して島々を巡り、その後西に向かい『西嵐の壁』沿いに北上し赤道付近から東へ島伝いに移動、台比諸島の手前で北上して大きな島々を巡りながら再び西へ向かい、晴嵐の壁沿いに南下、日本と同緯度で東へ転進し帰国した。
また新規に編成された第1機動護衛艦隊の実地訓練を兼ねた。
参加艦艇
●調査船
海洋地球研究船『みらい』
2025年に就航した新造の北極探査船。砕氷機能がある。「むつ」を魔改造した旧型船は新型と入れ替わりに退役した。
ちりはま型海洋観測艦『ちりはま』
しょうなん型の次級として建造された海自の3500トン級海洋調査艦。しょうなん型同様にアジマススラスターとバウスラスターによって優れた艦位保持能力を備えている。
●第1機動護衛艦隊
日本型の空母打撃群構想を基に編成された護衛隊。
編成は以下の通り。
▼戦闘艦艇
ジェラルド・R・フォード級原子力空母『コンスティテューション』
詳細は後述
バラク・H・オバマ級ミサイル巡洋艦『カーライル・トロスト』
タイコンデロガ級の後継艦。排水量19,600トン。装備は2門の52口径155mm砲、90セルのVSL、11連装RAM4基、ファランクスCIWS 2基。3機が駐機できるヘリコブターデッキを持つ。上部艦体はステルス性強化のため極めてシンブルな形状となっている。
カーライル・トロストは同級の2番艦。艦名は第23代アメリカ海軍作戦部長カーライル・アルバート・ハーマン・トロスト大将から。
改ズムウォルト級ミサイル駆逐艦『ダコタ・メイヤー』
ホロウェイ級就役までの繋ぎとして急遽7隻だけ建造された。不評だった155mm先進砲を排して127mm砲1基とし、代わりにVSLを64基に増設した。
ダコタ・メイヤーは改ズムウォルト級の3番艦だが船体分類記号はズムウォルト級から引き継いでいるのでDDG1005である。艦名の由来はアフガニスタン戦争「不朽の自由作戦」での功績で名誉勲章を受けたダコタ・ルイス・メイヤー海兵隊軍曹から。海兵隊員の受賞は38年ぶりだった。
ホロウェイ級ミサイル駆逐艦『ジョン・バリー』
15,000トン級のミサイル駆逐艦。6インチ52口径単装砲、64セルのVSLを装備。単純な上部構造によるステルス船体を持ち、レーダー反射面積はズムウォルトの三分の一程度と言われる。
ジョン・バリーは同級の11番艦。艦名はアメリカ独立戦争時の大陸海軍軍人でアメリカ海軍の父と呼ばれているジョン・バリーに因む。その名を持つ艦としては5隻目。先代のアーレイ・バーク級DDG-52バリーが退役すると直後に本艦は命名された。
アメリカ級強襲揚陸艦『ベロー・ウッド』
同級の6番艦。本艦から新たに改設計を受けておりフライトIIとなった。主に格納容量と推進機関の改良と対空装備の強化が施された。
しらね型イージス護衛艦『あかぎ』
最新型のイージス護衛艦。詳細は『閑話・プロローグ に登場した兵器とか用語とか』参照
むらくも型多目的護衛艦『なつぐも』
空母打撃群構想およびコンパクト護衛艦構想に基づいて4200トン級護衛艦として開発された。米国のインデペンデンス級と同じトリマラン。62口径127mm単装砲、64セルのVSL、Sea RAM 2基、RWS 2基を装備。SH-60KR哨戒ヘリを搭載する。「なつぐも」は同型の2番艦。本型は雲の名前を冠している。
もがみ型多目的護衛艦『のしろ』
2020年代に就役を開始した3900トン級多目的護衛艦。62口径5インチ砲×1基、RWS×2基、16セルのVLS、Sea RAM×1基、SSM 4連装発射筒×2基、324mm3連装短魚雷発射管×2基を装備する。
「のしろ」は同型の3番艦。本型は河川の名前を冠している。
くずりゅう型多目的護衛艦『みくま』
むらくも型に先駆けて開発された3900トン級多目的護衛艦。62口径127mm単装砲、32セルのVSL、RWS 2基、SSM4連装発射筒 2基、Sea RAM 1基、HOS303水上魚雷発射管 2基を装備。SH-60KR哨戒ヘリを搭載する。本型も「もがみ型」と同じく河川の名前を冠しているが「みくま」ははその4番艦になる。
バージニア級攻撃型原子力潜水艦『ニューヨーク』
同級として初めてグアムに配備された。大統領来日に合わせて横須賀入りしていたことで事象に巻き込まれた。
▼輸送艦
しれとこ型輸送艦『まなづる』
おおすみ型に代わる輸送艦。ひゅうが型とほぼ同じ14,000トンで全通甲板を有するので、艦影もよく似ている。
すわ型補給艦『すわ』
とわだ型が退役するので、ましゅう型を元に新たに設計・建造された。医療施設をより充実して入院設備を60床とする他、補給能力についても向上している。そのため基準排水量が14,000トンに増加した。建造段階で20mm機関砲が装備されており、また最大速力が28ノットに向上している。
●その他の艦船
貨物船『グローバルオーダー』
排水量32,500トンの大型車両貨物輸送船。RO-RO船と呼ばれる種類の貨物船でコンテナを搭載したトレーラーなどの車両をそのまま収容する6層の車両甲板を持ち、コンテナであれば1600台ほど収容できる。また備え付けのクレーンでの荷役もできる。
一般の貨物輸送とは異なり探検隊の補給物資の保管を兼ねているため、船内での移動ができるようにコンテナトレーラーの収容上限の90%に留めている。
収容したコンテナの多くは主に食料などの冷凍・冷蔵用または日用品の保管に利用している。そのほか冷凍・冷蔵用コンテナの一部を収集したサンプルの保存用としても利用する。
クルーズ客船『セッツ・メア・ナビゲトリス』
この調査隊には多くの研究者とその家族や民間人ボランティアが多く参加している。研究船『みらい』には乗船しきれない研究者の研究室として、また民間人の居住用として徴用された。元々は外国籍だが、横浜に寄港中に事象に巻き込まれた。全長346メートル、総トン数16.8万トンのいわゆる豪華客船。客室は1116室で、全室スイートルームで9割がベランダ付き。最も広い部屋は約128平方メートルあり、通常の部屋で26平方メートルほどある。「セッツ・メア」はフランス語で「七つの海」「ナビゲトリス」は「女性の航海士」のこと。
■USSコンスティテューション
ジェラルド・R・フォード級航空母艦 の6番艦。船体番号はCVN-83。動力はもちろん原子力で、日本国が所有する艦船としては3隻目、自衛隊所属の戦闘艦としては初めての原子力船となる。CVN-78から採用されたA1B原子炉をさらに改良発展したA2B原子炉が搭載され、これまでの75%増の発電能力を得ている。この他にも大規模な改良が施されており、特にアイランドが小型化、ステルス化されたので本艦以前の同級とは外見上も相当の差異がある。このためコンスティテューション級と呼ばれる事もある。
アレスティング・ギアはCVN-82までのフォード級と同じく電磁式。カタパルトは信頼性とコストの問題で2番艦CVN-79には旧来のスチーム式が採用されたが、3番艦CVN-80から日本のリニアモーター技術を採用した新しい電磁式が採用された。
搭載される空母航空団はこれまでよりやや増加して、下記の構成となっている。
・戦闘攻撃飛行隊(VFA) F/A-41A×48機(4個飛行隊)またはF/A-41A×36機(3個飛行隊)+ F-35C×12機(1個飛行隊)
・電子戦飛行隊(VAQ) EA-41G×3機+ EA-18G×2機(1個飛行隊)
・早期警戒飛行隊(VAW) E-2D×4機(1個飛行隊)
・その他 SH-60R 哨戒ヘリコプター×2機、SB-2 多用途ヘリコプター×4機、V280 ティルトローター機×2機
「コンスティテューション」という名前は某大人気SFドラマ「スター●レック」シリーズに登場する架空の宇宙戦艦に由来する。●レッキーと呼ばれる熱狂的なファンたちによるロビー活動の賜物である。ドラマの主人公艦「エンタープライズ」の名ははすでに同級3番艦に命名済みであったため、同艦の艦級の名称が推された。
すでに艦名として「コンスティチューション」は存在しており、木造帆船フリゲートで愛称をオールド・アイアンサイズという。長らく世界最古の航行可能な就役艦船だったが、火災によって船体の多くが焼失し長期の修復に入ってしまった。そのため本艦に艦名を譲り、一時的に艦籍を無くして改修後には「オールド・コンスティテューション」と改名されることとなった。なお、これまでの日本語での表記についても「コンスティチューション」から「コンスティテューション」に改められた。
本艦は大規模改修に入るCVN-73 ジョージ・ワシントンの替わりに2032年に第7艦隊戦闘部隊 第5空母打撃群に配備された。
なおついでだが、同級の4番艦はCVN-81 ドリス・ミラー、真珠湾の英雄の名で、艦名としては2回目。5番艦はCVN-82 アルバート・A・ゴア、初めて大統領以外の軍属ではない政治家の名が冠された。7番艦はCVN-84 ミシェル・ハワード、こちらは初の女性海軍大将の名。8番艦は艦名未定。
他の第5空母打撃群の艦船と同じく横須賀に帰港中に事象に巻き込まれ、貸与されることとなった。言い逃れのしようがない純然たる航空母艦であり、加えて原子力船であることは、当然のことながら問題になった。
■エースの称号
世界的なエースバイロットの定義は「実戦における5機以上の敵機撃墜」となっているので、戦争をしたことのない航空自衛隊には、本来の意味でのエースは存在しない。
現代戦においては戦闘機同士のドッグファイトなどと言うものがほとんどないので、戦争経験のある海外の国でも真の意味でのエースパイロットと呼べる人は少なくなっていて、いわば絶滅危惧種である。
この物語世界においても真の意味でのエースは存在しなくなっており、戦技競技会での成績優秀者などのいわゆる凄腕パイロットにエースの称号を与えるようになっている。成田美沙希の場合は戦技競技会の模擬戦等で圧倒的な成績を残したことで、エースの称号を得た。
■陸戦隊
海上自衛隊所属の陸上戦闘部隊のこと。陸上自衛隊の水陸機動団とは別の組織で、とりわけ今回の探検にあたって臨時的に新設された部隊である。とは言え実態は水陸機動団 戦闘上陸大隊の第1戦闘上陸中隊をそのまま横スライドさせたものである。本隊は強襲揚陸艦「ベロー・ウッド」に常駐しており、一部が「コンスティテューション」付きとなっている。
上陸時の警備の他、探検隊内での憲兵としての役割も担う。
■スクランブルド・エッグ
「スクランブル・エッグ」なのか「スクランブルド・エッグ」なのか。こう言うと大袈裟に聞こえますが、ぶっちゃけどっちゃでも良い。英語では「Scrambled Eggs」なのでそのままカタカナ語にするならば「スクランブルド・エッグズ」が正しい。「ド」や「ズ」が取っ払われてしまうのは外来語化の常で、とりわけ複数形の「ズ」は取っ払われやすい。
ちなみにフランス語では「ウ・ブルフイェ oeuf brouilles」。蓮佛万理人がリアに話したのはこのフランス語の方。そう言えばフランス語は最後のsの発音をしないことが多いような気がします。「ズ」が無くなるのはこれの影響なのかな。
余談だが、スクランブルド・エッグと炒り卵は似ているようで別物です。前者は半熟状態で火を止めるのでトロトロっとした状態、後者はプリプリになるまでしっかり火を通す。どっちもおいしいことに変わりはないですけどね。個人的にはおいしい炒り卵を作る方が、おいしいスクランブルド・エッグ作るより難しい気がする。火加減とか味付けとか火加減とか火加減とか。
■魔術と魔法
魔術と魔法は英語だとどちらもMagicで同じ、ちなみに呪術も奇術もMagic。日本語の感覚では魔術と魔法と呪術はほぼ同じだけどニュアンスが違う感じがする。奇術はいわゆる手品だからあからさまに違う。呪術はまじないによって何か超自然な力を得ることなので、若干他の二つとは違う気がしますよね。よりヤバいものの力を借りてる感じでしょうか。あきらかにヤバい邪神とか妖怪とかの力を借りるものは邪術、妖術が当てはまると思います。
魔術を使役するものが前者は魔術師、魔法を使役するのは魔法使い(一部フィクションでは魔法師と呼ぶことも)。何となくだけど魔術の方が体系化されたもの、魔法の方がよりプリミティブなものという印象がある。
■G
虫嫌いの人でもなくても毛嫌いする昆虫の一つ。
ゴキブリと書いてもよかったのだが、嫌厭する方も多いので物語の中では隠語にしました。それで回避できるとも限らないですが、連呼するのは憚られましたので。
私たちがもっぱら目にするのはクロゴキブリ、またはチャバネゴキブリ。なんといずれも外来種。クロゴキブリは中国からの移入らしいが、縄文時代後期の約4300年前にはすでに日本に渡来していたようだし、ほぼ全世界にいるコスモポリタン種として認知されている。
翅があるのでもちろん飛ぶ。屋内で見つけた時に追うと、往々にして追っかけた人の方に向かって飛ぶことがあり、それに恐怖を感じる人も少なくないようだ。なお筆者は怖くない人です。だって昆虫だし。不潔だと思うので飛んで向かってこられると嫌だけど怖くはない。
とは言え群れると嫌かも。そもそも虫の群れって害がなくてもちょっとゾッとする。10〜20匹程度ならどうとも思わないけど100を超えると流石に危機感を覚える。
Gの仲間は全世界に4,000種もいて、日本にはそのうち50種ほどが生息していて、その数は236億匹にもなるのだそうだ。
オーストラリアには最大種のひとつヨロイモグラゴキブリがいるが森林性で翅が退化している。大型の種には翅が退化したものが多いがナンベイチャバネオオゴキブリは翅があり、広げると17〜20cmにもなる。コロンビアでは「この辺りのGはネズミより大きい」と地元民が言うほどで、取り立てて珍しい昆虫ではないらしい。
この物語世界の新地球にも固有のGがいて最大種は体長150mmになり、翅があり展開すると300mm近くになる。もちろん翅のない大型種もいるし、体調が110〜130mmの小型種もいる。
武器庫を占領したのは最大種で翅があるタイプと中型の羽のないタイプ。武市の頭に止まっていたのは翅の無い方。
細かいところは、また修正するかもしれません
魔法と魔術については物語の中でも言及していこうと思っています
またのお付き合いをよろしくお願いいたします