ココ「王子様との学園生活です」
ココ「前回のあらすじ、オリンポスさんが王子様を釣り上げてしまいました。彼の危機はまだ始まったばかりです。」
エイジ「ほうほう、つまりオリンポスは王子様と結婚って話になったって事か？」
オリンポス「違うよ！そんな話にはなってないからね。」
ロイド「経験的に駄目なフラグじゃないか？」
オリンポス「僕男なのー。王子様とは結婚しなーい。」
ココ「でも今は女性、しかも恋をしたら戻れないって、色々マズイですよね」
オリンポス「ココさん、僕を現実で殴りつけて楽しい？」
……
オリンポス「ふぅ、いかん女子トイレに完全に慣れてる。男心を取り戻さねば……」
王子ソーラス「やぁ、オリンポスちゃん。どう、食事でも？」
……
王子ソーラス「うん、父さんに頼み込んで探索魔法を使ったんだ。それでこの学園の寮に君がいると分かってね。
ナルメシアの学園に無理やりねじ込んだって訳さ」
オリンポス「名前はどうやって？」
王子ソーラス「寮の名義がオリンポスになってたからそれが名前だと思ったんだけど違ってたらごめんね」
オリンポス「そう……（アゾアラスやナルメシアが裏切った訳じゃない。セーフ）」
出歯亀サイド
ココ「で、皆さんで出歯亀ですか？」
ロイド「やっぱ人の恋路は気になるだろ」
エイジ「オリンポスの場合マジで雌雄をかけた戦いだしなー」
ココ「オリンポスさんごめんなさい。私も気になります」
オリンポスサイド
オリンポス「うーん（素を出して幻滅させるのが手っ取り早いかー）」
出歯亀サイド
エイジ「とかオリンポスが考えてるなら甘いぜ、アバタもエクボって言うしな。好きな奴が自分にだけ素を出してくるのは相手を惚れさせるテクニックだ」
ココ「へぇー。なるほど勉強になります」
オリンポスサイド
オリンポス「ソーラスは、なんで僕の事好きとか思ったんだい？」
王子ソーラス「……それが君の素なんだね。そうだな……」
出歯亀サイド
ロイド「素を出した上に好きな理由を聞くって高等テクニックに出たな、しかも呼び捨て」
ココ「なんだろう。オリンポスさん男性相手にはすごく強いって感じがします。恋愛方面で」
エイジ「いやー惚れられて困る相手をさらに惚れさせてんだから恋愛下手じゃね？」
オリンポスサイド
王子ソーラス「いっぱいあるけど……」
出歯亀サイド
ココ「と言って王子、語りだしましたね。」
エイジ「あー、恥ずかしがってるのは分かるけど、オリンポスの表情が完全に恋する乙女だぞ、あれ大丈夫か？」
ロイド「実際は、自分の黒歴史を触られて辛いって感じなのは、付き合い長いなら分かるけどな」
オリンポスサイド
オリンポス「もう良い、もう良いからっ」
王子ソーラス「まだまだ語りたり無いけど。君がそういうなら、これからの未来の話の方が面白いし、ね」
オリンポス「……未来の話ねぇ」
出歯亀サイド
ロイド「今度はオリンポスの方が語り初めたな。未来の国政についてか。」
ココ「王子真面目に聞いてます。」
エイジ「自分の理想を語ってるだけなんだが、あいつ相手が王子（それを実行できる権力者）ってわかってんのか？」
ココ「んと、それは王子の好感度上げちゃってる感じって話でしょうか」
ロイド「うん、自分の物に興味持ってくれているって思うだろうね。例えば聖剣について熱心に話をしてくる相手には俺も少しは興味を持つだろうし。」
エイジ「さすがオリンポスやることなすこと全てが、王子を落としに掛かってんな」
ココ「うーん、例えばこれで男だってバレたらどうなるんでしょうか？」
ロイド「さぁ、相手の気持ち次第。じゃないかな？」
エイジ「最悪処刑って事もあるかもしれねぇぞ。ぶっちゃけ王子を騙してんだしな」
ロイド「そうかな？好きになった相手ならどんな物だったとしても愛せる、んじゃないか？」
エイジ「そうか？愛した物だからこそ許せねぇって話もあるんじゃね？」
ココ「どちらの意見も納得感があります。愛してるならどんな物でも愛せるってのも分かるし、愛した物だからこそ裏切られた時の悲しみが深くなるのも分かります。どっちが正解なのでしょうか」
……
オリンポス「ふぅ、言いたいこと言ってスッキリしたよ。ご飯ごちそう様。」
王子ソーラス「今日で君の事がもっと好きになった。出来れば離したくないけど……」ほっぺにキス
オリンポス「あうう。いきなりなにするの！？」
王子ソーラス「あはは、また会いに来るよ。」
ココ「行っちゃいましたね」
オリンポス「皆、いたの？」
エイジ「楽しそうに話してたじゃねぇか。」
ロイド「オリンポスを取られるのは痛いけど、良い相手っぽいね」
オリンポス「聞いてたのか。ただ愚痴言ってただけだろー。もう、良い相手なんかじゃないよ！」
ココ「その若干のツンデレっぽさは何でしょう。」
……
オリンポス「ふぅ、長かった女の子生活も後1週間だ。」
ロイド「ちゃんと戻れるのか？」
エイジ「王子に恋しちゃったら戻れないんじゃねぇの？」
オリンポス「さすがに恋なんかしてないし戻れるよ！」
ココ「逆にこの1週間で何かあったら戻れないって事ですね」
オリンポス「えー皆、僕が戻るの嫌なの？」
ロイド「まあ戻る戻らないはオリンポスの選択だからね。」
エイジ「元に戻って王子の不評かったら首が飛ぶだけじゃね？」
オリンポス「あー、そうか。なら女の子のオリンポスがいなくなるイベントをした方が良いって訳か」
ココ「また良からぬ事を考え始めましたね」
……
王子ソーラス「お別れ会？」
オリンポス「そうなんだ、僕、国に帰る事になってて、あ、心配しないで、代わりにここには双子の弟のオリンポスが来る事になってるから。」
王子ソーラス「それでお別れ会ですか。分かりました。僕が盛大にそのパーティを盛りあげます」
オリンポス「ええっ！？」
……
王城の一室（パーティ会場）
ココ「それでパーティになりましたか。一種の社交会みたいになっています。」
オリンポス「あはは、皆巻き込んでごめんね。」
エイジ「ってかさすがに無理がねぇかその設定。」
オリンポス「ならどうやって言うんだよ。」
ロイド「王子の人を疑わない性格は良いんだか悪いんだか」
王子ソーラス「皆さん今日は僕の開いたパーティに集まっていただきありがとう。」
王子ソーラス「どうか心ゆくまでお楽しみください。」
ココ「あ、ロイドさんこの曲……」
ロイド「よくあるダンスの時の曲、ココと昔踊ったね。今日も踊ってくれるかい？」
ココ「はい、喜んで」
エイジ「ラトも踊るか？」
ラト「良いよ良いよ。踊ろ、踊ろ」
オリンポス「僕は、」
王子ソーラス「オリンポスちゃん、踊ってくれるかい？」
オリンポス「う、うん。最後だし……」
……
ダンス中
オリンポス「どう、うまいでしょう。結構練習したんだよ。」
王子ソーラス「ふふふ、最初にあった時から素敵なダンスを披露してくれたよね。」
オリンポス「あー、あの時の事は忘れてよー。正気じゃなかったんだ」
王子ソーラス「……どうしても、帰ってしまうのかい？」
オリンポス「う、うん。どうしても戻ら、じゃなくて帰らないといけないんだ。」
王子ソーラス「そうか。最後に想い出を作らせてくれないか？」
……
オリンポス「結局、受けてしまった。最後の想い出かー」
オリンポス「まあ、僕も女の子として最後になるんだ。だから、少しぐらい楽しんでも良いよね……」
……
お城のテラス
オリンポス「うわー、さすがに綺麗だ。これは、雪花だね。」
王子ソーラス「喜んでくれて嬉しいよ。ここは王家の特別な場所なんだ。許可取るのも大変なんだよ」
オリンポス「へぇー、そんな場所に入って良かったのかな？ま、いいや。ありがとうね」
王子ソーラス「オリンポスちゃん。毒がある魔族って話は嘘、だよね」
オリンポス「あー、そりゃバレるよね。そうだよ。あの時はああいうのが良いって思って……」
王子ソーラス「そうか、なら多分オリンポスちゃんは本当は男の子、でしょ？」
オリンポス「ふぁ！？あ、あはは、何のことでしょー……」
王子ソーラス「さすがに双子の弟が来るのは不自然だったから、僕でも気がつけた。性転換の魔法はそんなに珍しい魔法じゃないしね」
オリンポス「はぁ。あー、死刑だけは勘弁して欲しいなー。って駄目？」
王子ソーラス「終身刑なら良いのかい？僕は君を閉じ込めて一生添い遂げたいと思ってるんだけど。」
オリンポス「ふぇ、そ、そんな冗談やめてよー。雪女じゃないんだから……」（ドキドキ
王子ソーラス「あながち冗談でもないけど……」
王子ソーラス「オリンポス、僕は君が好きだ。君の秘密を知ってもそれは変わらない。」
オリンポス「（どうしようー色々バレてる上にこ、告白とか……）」
オリンポス「男に戻ったら幻滅する、んじゃないかな。だから、えーっと。」
王子ソーラス「今更逃げようとしても、駄目。大丈夫、優しく、するよ」
オリンポス「ふぇーー」（赤面
……
オリンポス「……一線、越えちゃった。」
オリンポス「さて、冷静になろう。ベットの上半裸の男性、全裸の自分。状況的にアウトだ、ね」
（王子ソーラス「逃げても駄目、僕は君を離さない。」オリンポスの回想）
オリンポス「うわー、僕男なのにー」
オリンポス「うん、思い出にしよう。１夜の過ち、今は女の子だしそういう事もある。記憶に蓋をしてしまえばいい」
王子ソーラス「どうしたんだい？」
オリンポス「うわー。」
オリンポス「（まだ、まだ男に戻れば大丈夫……）」
王子ソーラス「……おはようのキスだよ」（フレンチキス
オリンポス「ひゃぃ。」
オリンポス「（これ、戻れなかったらどうしよー）」
……
ロイド「んー、オリンポスのやつ遅いな。何かあったのか？」
ココ「何も聞いてませんけど。」
エイジ「んー、王子様としけ込んでんじゃね？」
ロイド「オリンポスは男だぞ、さすがにそんな展開にはならんだろう」
ココ「（どうでしょう。今は女性でしたし。オリンポスさん押しに弱いとこあるからなー）」
オリンポス「皆、おはよー。」（男子の制服で
ロイド「おお、戻れたのか」
オリンポス「うん、戻れた。良かった。さすがに焦ったよー。」
ココ「焦るような何かがあったという話は聞いてはいけませんね」
オリンポス「あはは」
王子ソーラス「オリンポス！」（抱きしめる
王子ソーラス「どんな厳つい姿かと緊張したけど、杞憂だったね。可愛らしい、今すぐにでも抱いてあげれそうだ」
オリンポス「ふぇ、ちょっとソーラスっやめー」
エイジ「こういう落ちだったかー」
ココ「まあ、オリンポスさん男の時でも可愛いですしね……」
次回に続く
