ココ「王子様とお家の話です」
オリンポス「僕に、家をプレゼント!?」
王子ソーラス「そうそう、どんな家が良いかな?」
ココ「前回のあらすじ、丞相になると意気込んでたオリンポスさんでしたがリーリアさんに完敗。ソーラスさんのお嫁さんになる事を誓わされました。」
ロイド「ほうほう、プレゼントに家か。さすが王家だね。」
エイジ「なんか記念日だったりすんのか?誕生日とか?」
ココ「さすがに家はびっくりしちゃいますね。」
王子ソーラス「いや、オリンポスの誕生日はまだだけど、たいした額ではないし、オリンポスに引っ越して貰いたい理由はあるんだ。」
ロイド「理由かー。」
王子ソーラス「僕も最初は気がついて無かったんだけど、オリンポスの宿舎って男性が多くいる立地なんだ。だから心配なんだよ。」
エイジ「うん、まあ男時代からの持ち物だからそうなるわな。」
オリンポス「まだ、れっきとした男だからね!」
ココ「でも……(女の子みたいな顔つき、細くて華奢な手足、コルセット着用で出来たクビレ、性転換魔法の影響で大きくなった胸、どう見ても女性に見えます)」
ココ「確かに今の住居では危険かもしれませんね。」
オリンポス「うう、ココさんまで……」
ココ「というか今まで大丈夫だったのですか?結構見られたりしませんか?」
オリンポス「見られるって何が?」
エイジ「ココ、こいつはこういう他人の目に無頓着だったからこうなっちまったんだ。諦めろ」
王子ソーラス「ははは、そういう事で引っ越しさせたいんだ。」
ココ「理解しました。」
……
ココ「えっと、オリンポスさんは引っ越ししたくないのでしょうか?」
オリンポス「いやー、どうしてもめんどくさいのが先に来てね。僕なら、どんな場所でも良いんだけど、特別替えたいってわけでもない感じ。貴族の邸宅って話になるとどうしても学園からも遠くなるしね。」
オリンポス「それに……住処を変えるってことは、同棲、に近くなるから、ちょっとまだ抵抗があるかな」
ココ「そういうのはありますか、んー、前オリンポスさんは私に、引っ越しは人生の転機だけど重く考える必要はない、と話してました。大丈夫です。せめて見るだけでも行かれたらどうでしょうか」
オリンポス「むー、過去の自分の無責任な発言を取り消したいけど。まぁ行くだけ行ってみるかー。」
……
オリンポス「おおお、でかい、広い、なんか新しい空間って良いね!」
王子ソーラス「ふふふ、まだ1軒目だよ。そんなにはしゃがなくても。」
オリンポス「何をどう置くか、それを決めるのも戦略だよね。ふふふ楽しみになって来た。」
ココ「私達も来てしまいましたがお邪魔だったかな?」
エイジ「でけーな。ロイドの家ぐらいか?」
ロイド「良い貴族の邸宅だね。俺の家と同じぐらいかな?各種間取りに各々の貴族のこだわりを感じるね。」
ココ「……私の住居、あれでもまだ小さい方だったんですね。」
オリンポス「あはは、貴族ってこういうのにこだわる感じあるよね。でも、はしゃいで見たもののちょっと1人で住むには大きすぎるか。掃除とか大変そうだし。」
王子ソーラス「掃除とかは専属のメイドを雇えばいいよ。この規模だと5-6人とメイド長が必要かな。」
オリンポス「うわ、大げさな話になりそう。次はもう少し小さい所が良いかな。」
王子ソーラス「次は家具付の物件だね。気に入らない家具は入れ替えれば良いから。こういう物件はどういう感じで住むのかイメージしやすいと思う。」
オリンポス「ほうほう、家具付かー。タンス、キッチン、照明、色々あるね。」
王子ソーラス「年季の入ったおばあちゃんメイドが管理してるそれも込みってイメージ。食事も用意してくれるかな。気に入らなければクビにしても良いけどね。」
オリンポス「あー、おばあちゃんの職は守ってあげたい所。でもなー」
ココ「何か問題でも?」
オリンポス「いや今の僕って男でもあり女でもある、わけじゃん?年配の人ってそういうの受け入れられるのか……」
ロイド「メイドを雇うにも事情を知っている人の方が良さそうだね。」
王子ソーラス「受け入れられなきゃ別の人って手もあるけど、オリンポスは優しいからね。次に行こう」
ココ「んー、男の人を雇うという手もありますよね?メイドの方が良い感じですか?」
王子ソーラス「オリンポスは男馴れしてなくて警戒心も薄いから。女主人と執事ってのは、結構襲われちゃうなんて話もあるんだよね。そういうのは避けたいかな」
ココ「うちは執事さんですが……」
ロイド「ココは警戒心強いし、そもそも魔法使えるからね。抵抗ぐらいできるでしょ?オリンポスはそういうの無いからね。」
ココ「確かに、不貞されそうなら舌を噛んで死ぬ程度の覚悟はあります。」
オリンポス「僕もメイドの女の子が良いかなー。メイドとのロマンスは少し憧れがあるよ」
エイジ「こんな事言ってるけど大丈夫か?」
王子ソーラス「まあ、本気になられたら困るけど、女の子とのお遊びぐらいは許すよ」
オリンポス「うわ、許可が出るなんて思ってなかったよ」
ロイド「良いのか?まあオリンポスメイドさん遊びはほどほどにね。」
ココ「というか、分かってるメイドならオリンポスさんを制御しつつもちゃんとしたレディに育ててくれそうです。」
オリンポス「駄目じゃん、それ」
……
オリンポス「おお、テラスがあるお屋敷かー。良いね。広さも丁度いいし、学園にもそれなりに近い。」
王子ソーラス「今回は当たりっぽいね。どう?ここならメイドさん1人でも運用出来そうだ。」
オリンポス「そうだ、メイドの人選もしないとね。」
王子ソーラス「オリンポスが遊んでも受け入れてくれる娘が良いよね?」
オリンポス「あ、後政治的な色が付いてる人が良いかな。取り込まれると色々面倒だし色付きなら制御もできるしね。」
王子ソーラス「普通はついてない人材を欲しがるもんだけどね。オリンポスは目の付け所が違うね」
オリンポス「無色は判別が難しいんだよ。色がついていないと思ってもついている場合がある。だから最初から付いてた方が敵味方の判断がしやすい。」
王子ソーラス「分かった。母さんの実家から優秀で可愛い娘を送って貰うか。政治的な色がはっきりしてて、オリンポスに偏見を持たず、優しくてしっかりした娘が良いね。」
王子ソーラス「物件は決まったし、家具とかのデザインを考えようか。」
オリンポス「うん。」
……
ロイド「最後まで見ていかなくて良かったのか?」
ココ「大丈夫でしょう。オリンポスさんも楽しそうでしたし、ぞろぞろついて行っても邪魔です」
エイジ「まあ、あいつの人生だしな。あいつが楽しんで決められるならそれでいいさ」
……
リーリア「はっ、お兄ちゃんに新しい女の影!?駄目よ、お兄ちゃーん」
次回に続く