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青と楽器と自分  作者: 浅木蒼依
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第二章出会い

3月20日高校の合格発表から10日が経過した。今日は冬也と約束した吹奏楽の校内演奏会を見に行く日だ。

あまり気乗りはしていなかったが、友達の誘いだ。直前に断るのもダメだろう。まだ高校生活始まってすらいないのに始まったら孤立してしまう。

そんなことを思いながら服を着替え家を出た。今回の演奏会は冬也曰く私服でも大丈夫とのことなので二人で前日に話し合い、私服で行くことにした。

「おっ二分遅刻だぞ!結城」

「ごめんごめん。時間通りに到着する予定だったんだけど道間違えたわ」

「冗談だって、じゃあ会場に行きますか!」

明見高校の敷地内には校舎のほかに別館としてホールが存在する。このホールは学園祭や合唱祭など様々な発表の舞台として利用されているらしい。無論公共施設としてのホールよりかは小さいが、体育館と同等の広さを持つため校内行事には丁度いい大きさなのだろう。

会場に入るとすでにお客さんが入っており、高校生以外にも保護者など様々な人が来ていた。

「なぁ冬也。もしかして明高の吹奏楽部って有名なの?」

「ん~この辺では有名だけど全国的に有名というわけではないよ。ただ、休日でしかも入場料無料となると気になって聴きに来る人は結構いるんじゃないかな?」

「そうゆうものなのか。」

「まぁこのホール自体収容人数が3~400人ほどだし、それも相まって沢山お客さんがいるように見えるのかもな」

「たしかにホールの大きさも関係しているかもしれない。面白い考察だ。」

「だろ。さっそろそろ開演の時間だ静かに待とう」

そう冬也が話したのと同時に開演のアナウンスが流れてきた。

【本日は明見高校吹奏楽部春季演奏会にご来場いただきありがとうございます。】

開口一番挨拶があり、会場の諸注意などが一通り説明された後、校長先生が壇上に出てきて一言話していた。校長先生曰はくどうやらこの演奏会は明高吹奏楽部の恒例行事らしく、メインターゲットは新入生なのだろう。

【それでは本日は短い時間ではありますがごゆっくりお楽しみください】

アナウンスが終わり、幕が上がる。そして拍手と共に演奏者が壇上に上がってきた。

そしてチューニングが終わったところで指揮者が出てきた。恐らく顧問の先生なのだろう。

顧問の先生は、観客に一礼をした後生徒の方を向き、構えた後指揮棒を振った。

その瞬間会場を音が包み込んだ。

「これが吹奏楽...」

思わず声に出していた。

何の曲なのかは自分にはわからない。そんな自分でも引き込まれるような演奏だった。

「吹奏楽、やりたくなっただろ結城?」

一曲目が終わった後冬也が自分に問いかけてきた。

「でも。僕楽器はおろか楽譜すら読めないよ。」

「それは心配しなくていい。」

ほんとかよ。と思いながらも二曲目が始まった。

音楽の授業でやったことのある楽器から知らない楽器までいろいろな楽器が音を奏でている。そんな中僕は一つの楽器に目を奪われてた。

四つの大きさの違う楽器である。

曲の途中でこの楽器だけが演奏する場面があった。音程の違う音が四つの楽器から鳴り響き。それを叩く奏者はとてもかっこよかった。

「なぁ冬也。」

「なんだい?」

「あの左側の二段目にある大きさがちがう四つの楽器はなんていうんだ?」

「あぁあれか。あれは四つまとめて一つの楽器でなティンパニっていうんだ。」

「ティンパニか...それを演奏している人かっこいいな」

「どしたきになってるのか?それともやりたくなったか?」

「またそれか。いい加減しつこいぞ。」

「すまない。部活やるならさ。一人で行くより友達がいたほうがいいんだよ」

「その友達ってのが僕ってことか。」

「そゆこと。」

楽器もそうだが、それを演奏している人を僕はいつのまにか目で追っていた。

(この曲では木琴?を演奏している。その次の曲ではドラム??)

そんなことをしているうちに第一部がいつのまにか終わっていた。

「真剣に見ていたが、結城。どうした気になる先輩でもいたか?」

「んっあぁさっき僕が言ってた楽器を演奏していた先輩かな」

「ふ~ん。なるほどねぇ結城はそうゆう趣味か」

「おい趣味とか言うな!」

「ん。まぁ部活に入ればあの先輩と一緒に練習できるぞ。」

そんなたわいのない話をしていたら第二部が始まり、相変わらず僕は例の先輩を目で追っていた。

今回は第二章です。

正直これを読んでいる人の大半は「いつメインヒロインが出てくるんだ?」と思われているでしょう。

安心して下さい。次話では主人公である結城君と先輩との絡みを投稿します。

もう少しだけお待ちください。

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