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SSSランクの女冒険者は、ちびっこに変化したドラゴンと共にたくさんの料理を堪能する旅に出る  作者: 下菊みこと


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鶏の唐揚げ

美味しい唐揚げが食べたい

今日は朝から冒険者ギルドに顔を出す。依頼を貼り付けてある掲示板を見ると、おばあちゃんに美味しいご飯を食べさせたいから料理を教えて欲しいですという依頼を発見。子供が頑張ってお小遣いを捻出したんだろうなぁというほんのちょっとの依頼料。しかし、昨日は狼の魔獣のおかげでたくさん依頼料をもらえてお財布はホクホク。今日はこの依頼だけをこなしてもお財布に問題はない。


依頼を受けると、依頼主の少年が外で待っていた。嬉しそうに笑う少年の様子に、リオルを思い出して微笑ましく思う。


早速少年の家に上がらせてもらう。少年の家はご両親とおばあちゃん、少年の四人暮らしで両親は共働きだそうだ。ちゃんと両親とおばあちゃんに今回の依頼を相談していて、おばあちゃんは奥に引っ込んで少年の料理を楽しみに待つことになっている。


おばあちゃんはまだまだ元気で、歯も丈夫、嚥下能力にも問題ないので好物の鶏の唐揚げを教えてやって欲しいと綺麗なメモを貰った。少年がお母さんから預かったらしい。


ということで鶏の唐揚げを少年と作る。とりあえずまずは食材の買い出し。それが終わるとキッチンに案内され調理開始。なお、おばあちゃんは優しい方で初対面の私にも朗らかに笑って出迎えてくれた。少年が懐くのもわかるというもの。


「ではまず、鶏のモモ肉を一口サイズに切る」


「はい!」


少年が危なっかしい手つきでなんとかモモ肉に包丁を入れる。幸い怪我はしなかった。


「次にボールにお醤油とみりん、お酒とすりおろしたニンニク、ナツメグの調味液を作り、そこにモモ肉を入れよく揉み込む」


「こう?」


ひと匙ずつ調味料を計り入れ、モモ肉を入れて揉み込む少年は得意げな表情なのでリオルを思い出し癒される。


「そうね。上手よ」


「やったぁ!」


「常温で二十分漬け込むわ」


「二十分!?」


「その間手を洗ってきて、おばあちゃんの肩を揉んであげて」


「…!わかった!」


二十分と聞いて絶望感溢れる表情の少年におばあちゃんへの肩揉みを指示すると、途端に笑顔に変わった。リオルによく似てるなぁ。


そして二十分が経つと少年が戻ってきた。少年が満足気な顔をしているので、おばあちゃんは喜んでくれたのだろう。


「それじゃあ揚げていくわよ。片栗粉をまぶして、油の中に入れて」


「はい!」


いつでも不測の事態に対処できるように魔力回復ポーションに手を伸ばしておくけれど、心配は要らなかった。


唐揚げはカリッと揚がり、二、三分休ませると美味しそうな出来上がり。少年がお皿に盛り付けて、レモンを添えてライスを用意しておばあちゃんのところに持っていった。おばあちゃんは感激して、美味しい美味しいと完食していた。


依頼料をもらい、お留守番のリオルのところに戻る。公園で駄菓子を食べて待っていたリオルと手を繋いで村を出て、次の村への中継地点でキャンプの準備をして先ほどと同じ鶏の唐揚げを作ってみた。


「いただきますなのじゃー!」


「いただきます」


「おー!さくさくカリカリの、ジューシーなのじゃー!」


「なかなか香りもいいわね」


「ライスが進むのじゃー!レモンもかけるとさらに美味しいのじゃー!」


幸せそうに頬張るリオルに癒される。作ってよかった。

カツ丼のカツを厚揚げに置き換えた奴の名前が知りたい。あれ美味しい。

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