ショートケーキとコーヒー牛乳
甘いものに感動するリオルをお楽しみ下さい
私はリリア。リオルという年の離れた血の繋がりのない弟を養いつつ、孤児院に仕送りをしながら気ままに依頼をこなすソロ冒険者。今は、人間に悪さをするオークの群れを一人で殲滅させて、依頼料を受け取ってほくほくしているところ。ソロ冒険者だから大量の依頼料でも独り占めできるので、仕送りも弟を養うお金も、もちろん自分のためのお金も確保出来る。まさにほくほくだ。
「リオル、今日は甘いものを食べましょうか」
「甘いの?花の蜜かの?」
「それよりももっと甘いわよ」
「楽しみなのじゃー!」
喫茶店に入る。客は他には居ない時間帯らしい。静かな喫茶店は好きだ。
「いらっしゃい」
「コーヒーを一杯。それから、この子にコーヒー牛乳を。それと、ショートケーキを二人分」
「はいよ」
「コーヒー?」
「黒くて苦い飲み物よ。でも、貴方の分はコーヒー牛乳だから、甘くて茶色くて美味しいわ」
「甘い飲み物、楽しみなのじゃー!ショートケーキも甘いのかの?」
「ええ、とっても甘いわよ」
話しているうちにコーヒーとコーヒー牛乳の準備が出来たようで、ショートケーキと一緒に運ばれてくる。
「本当に黒いのじゃ…」
「貴方のは甘いから安心しなさい。いただきます」
「うむ。いただきます…んまー!甘くて美味しいのじゃー!牛の乳かの?」
「ええ。あとはお砂糖ね」
「お砂糖」
「甘い調味料よ。ショートケーキにも入ってるわ」
「ショートケーキ。この白いのは雲かの?」
「ホイップクリームよ。牛乳から出来るのよ」
「なんと!こっちも砂糖と牛の乳!…んまー!牛の乳と砂糖すごいのじゃ!あと、何かの実かの?すっぱ美味いのじゃ!」
「フルーツね。これはいちご、これはブルーベリーね」
「フルーツ!わしはフルーツ大好きなのじゃー!」
「そう。よかったわね。…うん、美味しい」
フルーツも、価格が高い分ふんだんに使ってある。苦いコーヒーに良く合う味わいね。甘いのと苦いのを交互に楽しむのが最高。
「!リリア、甘いのと甘いのを行ったり来たりするの楽しいのじゃー!甘いのにすっぱいのと、甘いのに苦いのが最高なのじゃ!」
「ええ、ええ。わかるわ。だから急がないで味わって食べなさいな」
「はーい、なのじゃー!」
ー…
「…ふう。美味しかったわ」
「すごくすごく美味しかったのじゃー!ありがとうございましたなのじゃー!」
「ふふ、毎度ありがとうございました。またお越しください」
「ええ、来れたら来るわ」
「きっと来るのじゃ!」
リオルと手を繋いで店を出る。リオルは今日も幸せそうだ。
リリアもリオルの反応に大満足です