もやし炒め
結局素朴なのが一番
今日は大口の依頼が無かったので細々とFランクの依頼を次々とこなす。ポーションの材料集めに小型魔獣の討伐。果ては魔石集めまで。目標金額達成まで夕方までかかってしまった。リオルにはお小遣いを渡してあるからいつも通り大丈夫だとは思うけど、やっぱり寂しい思いをさせている罪悪感はある。大口の依頼があれば、さくっとこなせば早く帰ってあげられるのだけれど。まあ、リオルは見た目が幼いだけで中身は私よりうんと年上なんだけど…でもあの子精神年齢も低いよね?なんか寂しがりのうさぎみたいなイメージだよね?
ということでさくっと帰ってリオルと手を繋いで宿を出る。美味しそうな食事処を見つけて、入店。
「果実水二人分お願い」
「はい。メニューが決まったらお呼びください」
「リオル、今日も待たせてごめん」
「リリアはわしを養ってくれるために働いてるのじゃ。そのくらい平気じゃ。それより無理はしとらんかの?わしはたまにしか休まないリリアが心配じゃー」
「リオル…ありがとう。大丈夫だよ。リオルがいてくれるから、心強いもの」
「そうかの?なら、わしはずっとリリアと一緒にいるのじゃー」
「ふふ、うん。本当にありがとう」
「わしはリリアの隣が一番幸せなんじゃー」
「私もなんだかリオルと一緒にいると幸せだよ」
「ありがとうなのじゃー。そう言われると嬉しいのじゃー」
「じゃあメニュー決めようか」
「どれがいいかのー」
「私はもやし炒めにしようかな」
「もやし炒め?ならわしもそれにするのじゃー」
「注文お願い」
「はい、ただいま。…お待たせしました」
「もやし炒め二人分お願い。ライスとコンソメスープ付きで」
「かしこまりました」
注文も済み、のんびりとリオルとお話しながら待つ。そして料理が運ばれてきた。
「お待たせ致しました。もやし炒めとライスとコンソメスープになります」
「ありがとう」
「ありがとうなのじゃー!いただきますなのじゃー!」
「いただきます」
一口食べるとシャキッとした歯ごたえに肉の旨味が広がる。黒胡椒でぴりっとした味付けになっていて、とてもライスが進む味付けだ。
「くぁー!ちょっと辛くてライスが進むのじゃー!これ美味しいのじゃ!」
「庶民の味方の、この味がいいのよね」
「お肉ももやしと負けず劣らず入っててボリューム満点なのじゃー!」
「控えめに言って最高だわ」
「コンソメスープで流し込むのもいいのじゃー。このボリュームでお値段控えめとかこの店すごいのじゃー」
「わかる」
そんなこんなで安くてボリューム満点の庶民の味方なお店を後にした。またいつかリオルと来よう。そう思いながら。
豪華なのももちろん好き




