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尾行  作者: 道芝
7/11

 眩しいと思うからおれは明かりに照らされているのは明らかなのだがそれでも目を刺すような目の割れるような痛みは起こらなかったし眩しいという感じばかりで景色が伴ってこないから閉じた瞼越しに光をみているのかしかしそれにしては光の印象は白で瞼越しでは血管の赤が薄っすら浮かぶ気もしないでもないからやはりなにか被せられていると考えるのが妥当であろうしそうだおれは見つかっちまったのだあいつらに誘拐され車に載せられて殴られたのだなうん殴られたそれで気絶したあちゃーみっともねえなあまったくよお無視しても鈍痛は無視しきれないのは現に顔が痛いからであーあやだやだおっと待った失禁はなし男を守ったなおれ。


 車に載せられてからは両腕は両脇にいた男どもにホールドされていて動こうにもやたらには動けなかったがいまはどうも縛られているようだというのも腕や体を動かしたくても固定されていていわゆる拘束されている感があるからで目覚めたみたいだなさあおっさん色々聞かせてもらうぜっていうのはあいつの声だおっさんおれはお前につけられていたのはハナから知っていたんだファミレスは罠だよというけれどもさてハナからとはいつのことかおれが空腹を覚えたときかなそれはいいんだべつになそうじゃなくてこれだけはぜひとも聞かせてもらうがお前さんは誰に命令されておれをつけていたんだなあおっさんよお知らねえよ知らねえったくこいつらは記憶ってことをしないんだなもう繰り返さないぜって黙秘を続けてはあいつの気に触ってしまうのだから何か言わなくてはならないのだが言うにしても誰々の仕業よと嘘をついては後々面倒であるしかといって先の繰り返しはうんざりだあいつは車の中で誰かさんに仕向けられたのかって聞いていたがそいつはおれの預かり知らぬところでどうも別件も絡んで面倒事に巻き込まれてしまったようだしかしそれにしてもあいつは何をしておれにも誰かさんにもつけられるようになっているのだかただしおれは好きでやっているのであるからあいつに非はないっていえば無いともいえるがさて怒号が激しくなってきたいちいちかまっていたら埒が明かないがさてまだおれには被り物がされているから周りの状況が視覚情報として入ってこないということで五感の残りを澄ましてみるとなるほど聞こえてくる声は大小あって大は勿論おれに向かっていて小は仲間内の会話といったところかすると声の主は複数人いるのであってファミレス前で取り囲まれてから車に載せられてあいつらのアジトにでも連れてこられたか温度は涼しめ一方向からの冷気であるとなると冷房の仕業であるぞこれは困った腹痛の予感。


 殴られた殴られたちくしょうどうしてよりによって右頬なのかようやく抜糸したばかりなのにという心配よりも口の中は血の風味で一色カリカリする食感もあるから歯が欠けたなさらばいくつかの永久歯よと思っている間につかの間の浮遊感と左に傾く感覚からすぐにおれは地面に倒れた衝撃をもろに肩に食らわせてしまった痛えなあおいっそれを外せはいとようやく被り物が除けられておれは白熱灯の冷たい光の大量を絞ろうと目を瞑るも遅くあの目の割れるような痛みは避けられなかったがこれはすぐに去ってくれるのでだんだんと目を開け始めるとおれを覗くあいつら複数名のうち一人は片頬を腫らしておりああおれと同じ車に乗り込んだやつだな誰かさんの名前を漏らしたのがまずかったとみえる馬鹿めとニヤつきがすぐに顔に出てしまうのは正直者で買い食い禁止の小学生時分友達に誘われつい買ってしまったスティックキャンディーの存在を黙っていてはムズムズの止まらない心からその日のうちに白状してしまったおれの性分だからやめろって言われたってボコスカ蹴られようと止められねえよ止められねえ止められねえんだこの野郎!おっと大声で小せえ肝っ玉が冷えちまったかなしかしおれは腹が冷えてちとまずい。

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