表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
尾行  作者: 道芝
6/11

 きっちりお釣りをもらって会計を終え急いで店を出ると道に面した店なのだから向かいはビルでは右向けばいるかとみればいないので左に向き直ろうと首を動かすと左のこめかみに硬い感触がある。さっきからなにつけてるんだ言ってみろよおいって言われてばれちまったあーあまずいまずいどうしよういま頭に当てられているのはまさか銃ではないかしかし銃の携帯が違法のこの国でしかもビル街の中人目立ちするここでこんなにも大胆に人の頭に銃を押し付けるかそれは考えにくいとなると鉄パイプか何かしかしこの人通りのそれなりにある通りでとにかく物騒なものを頭に押し付けるのはこれまた道理に反しているよなあったくどうしようかふぅっくっそ体が震えて仕方ないぜまったくよぉってなんだなんだなんだ何いってんだっと耳をすませばなあおっさん聞いてるのか聞こえているのかおいっどっちなんだよってはいはい聞いてまsったぁあの野郎腹にパンチ入れやがってくっそ息がつけねえこれじゃあ返事のしようがねえってんだそういや頭に銃を突きつけられてからおれは下を向いていたんだなそりゃあ先生に叱られたりするときに堂々と顔を挙げられない性分なのだから仕方ないおい返事がきこえねーぞおっさんよぉへいへいすんませんと前に向き直るとこれでは驚きが顔に出てしまっただろうなあってのもうぎっちりと周りを囲まれているこれでは下手にパンピーは絡めないだろうしだいたい多数決の原理が採用されているこの国だ集団心理だって働きやすいだろうよってなわけでおれの他人によって助けられるシチュエーションってのは消えたのだ。


 あーうんこもしておけばよかったのかなあそうすれば先の腹パンの二次被害がなんとか防げそうってまだ漏らしていないぞここでいう二次被害ってのは殴られたことによる直接の痛みの持続ではなくて腹に溜まったうんこが刺激されて下っていくのに併発する意識の要集中とか普通に便意に伴う腹痛とかこれを指しているんだっておっさん誰に頼まれてやってんだってそんなの言えるかそもそもこれはおれの好きにやっているんだというと仕事仕事と言っておきながら好きでやっているとは道理が通らないししかもこのように言っては先の動画投稿者に対する言葉も訂正しなくてはならないのかいやあいつらは好きが嵩じて仕事になったのよおれの場合とは訳が違う大丈夫だってなにお前さんの話はきいてるよってくっそはいはいまた殴りながってやっぱりうんこしておけばよかったそうすればおれの便所にこもっている間こいつらは待ちぼうけをくっていたはずなんだちくしょうったくどうしようかどうしようか。


 ここじゃあちと面倒だ場所変えようかっておれは歩かぬぞこいつら掴むんじゃねえ離せって言っても離さないのがお決まりで話せっていっても話さないと心に決めたと思っていても結局話してしまうモブのいるのもまたお決まりなのだがもう少しやさしく扱ってくれないかな食後でしかもこっちは水をたらふく飲んでいるんだそう手荒くしてはお前さん方の高級車にゲロっちまうっぞってなあおい出してくれおれは別に誰にも頼まれてつけているわけじゃねえんだお願いだよいや違う違う誰だそいつ知らねえよなあ頼むよって下手に出てもこの場は切り抜けられないああファミレスから遠く離れておれはどこに連れて行かれるのだか身から出た錆自業自得南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏ぶつぶつうるせえぞおいっ黙らせろっておいおれはこんなの被せられて黙るほどの器じゃあねえそうだおれの器はなあ動物本能に見合った大きさなんだ暗闇っていうのは恐怖の根源なんだおいやめてくれ怖いよ怖い!こわい!KOWAII!うるせえってこちとら怖いんだよったああああ痛え痛えよお殴らなくたっていいじゃねえかおれの脳細胞はいまいくつ生き残ってんだまだ黙らねえのかってそうよそうよっあまずい顎を思い切りはま

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ