うさぎテイマー(見習い)が、公園にうさぎを拾いに行ってみた、エッセイというかその他
野ウサギと野良ウサギは違うらしい。
昔々のお話。
山に、ウサギとキツネとサルがおったとさ。
ある時、見すぼらしい、欠食爺さんが迷い込んだ。
「なんか、食べ物おくれ」
高齢者には優しくしようと頑張って、この三匹、爺さんのために食べ物を集めた。
サルは木の実を、キツネは魚をとってきたんだが、草食動物のウサギに捕食機能はない。よって食べ物を集めることが出来なかった。
ウサギ悩む。ちっこい脳で悩む。
ウサギの結論。
「わたしを食べてね、うふ」
と、火の中に大ジャーンプ!
実は、その爺さん、三匹を試そうとした帝釈天という神様でごじゃった。
帝釈天は、そんなウサギを哀れんで、月に甦らせたそうな。
…………
なんだ、この逸話。
神様ならば、ウサギが火に飛び込む前に、止めろよ救ってやれよ……
などと月を眺めた、ウサギテイマー(見習い)TKは考えた。
飼っていたウサギが、お月様に帰っちゃったあとのこと。
仏教小話なんぞ、読まなきゃ良かったよ。
こうなったら、もう一回、ウサギを手に入れるぞ。
ウサギテイマー(見習い)舐めんな。
「パート1 ウサギテイマー(見習い)、公園に行く」
手に入れやすさ ☆
コスト ☆
ペットの葬儀屋さんが、教えてくれた。
県内の大きな公園で、ウサギを二回、拾ったそうだ。
そうか! 公園に行こう!
行ってみた。
公園は広かった。
猫がいた。
ノラさんらしい。
「どっかでウサギ、落ちてませんか?」
猫さんは、「ケッ」と言わんばかりに、顔を洗って去った。
犬を散歩させている女性がいた。
「この辺で、ウサギが落ちているって聞いたんですが」
女性は、訝しんだ目付きで立ち去った。
一緒にいた犬に吠えられた。
カサカサと木の根元から音がした。
もしや! と思って見て見ると……
リスがいた。
いや、リスの方がレアじゃないか? リス公園じゃないし。
リスも、可愛いけどね。
「リスさん、リスさん、ウサギさんを知りませんか?」
リスは疾風の如く、木々の中に消えた。
結局、ぐるぐると公園を三回廻ってみたが、ウサギのウの字も見当たらなかった。
蚊にたくさん刺されたので、公園で拾うのは諦めた。
「パート2 ウサギテイマー(見習い)ペットショップに行く」
手にいれやすさ ☆☆☆☆☆
コスト ☆☆☆~
公園でウサギを拾うことを諦めた、ウサギテイマー(見習い)TKは、ペットショップに向かった。
子ウサギがわらわら、キュルンとした瞳で跳ねていた。
可愛い。
確かに可愛い。
しかし……
お値段が可愛くない!
六桁の値段のウサギって、何それ。
かっ……可愛いけど。
お店の隅に、一万円もしない値札のウサギがいた。
他のウサギより、少し大きい。
ああ
売れ残りかあ……なんか親近感わくな。
大きいけど、愛らしいなあ。大きい方が安心だしなあ。
どうしようかなあ。
悩んでいるうちに、あとから来た上品なご婦人が、そのウサギさんをさらりと購入された。
うん、きっと、あのご婦人にご縁があったんだろうな(涙
「パート3 ウサギテイマー(見習い)口コミに頼る」
手にいれやすさ ☆☆☆
コスト ☆
ウサギテイマー(見習い)TKが、再びまた再びの、引きこもりになったのでは、と心配した友人から、ウサギの里親探しをしている女神様がいると、連絡が来た。
ちなみにその友人、近くの小学校で、繁殖し過ぎたウサギを貰って育てていた。
「あなたが探しているのは、金のウサギですか? 銀のウサギですか?」
里親の女神様から質問された。
「哺乳鋼のウサギ目ウサギ科のウサギです!」
ウサギテイマー(見習い)TK、一匹のウサギ、げっと!!
しかし見習いゆえ、いまだテイム出来ず。
今宵、住んでいる地域は月が綺麗だ。
仏教小話には続きがあった。
帝釈天様は、炎に身を投じたウサギを、生き返らせてもいたのだと。