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海と想いと君と  作者: coyuki
第5章 今までとは違う日々
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第69話 三者面談

少々内容が薄い回になりました(汗)

2月は逃げる。3月は去る……とんとん拍子で、2年生の3学期が終わった。

あ、恋の一大イベント、バレンタインはというと……2月15日、つまり月曜日に、

「さーやは昨日チョコあげた?大翔君にぃ!私はもちろんたっくんにあげたよ」

「ば、ばれんたいん……?」

ケータイを開け、日付を確認して……気づきました。

「わ、忘れてた……」

「えーっ!ありえなーいっ!今日はさーやの分のチョコも用意したのにぃ~!」

バレンタインを忘れてた、ということは、友チョコの用意も忘れてた……ということで。

その日の放課後、蒼井君、夏姫、唯、桃花、(なぜか)たっくん……5人にサーティーツーで奢ったアイスをチョコの代わりにした。

そして3月。武田先輩たち3年生が卒業していった。

武田先輩がどこの大学に行ったのか……はたまた就職したのか。それは一切知らない。


そして、春休みの最終日……クラス分け表を見て、新しい教室へ。

……まぁ、文系がそのまま繰り上がるわけだから、メンツはほとんど変わらない。

新しい学担の短い自己紹介なんかを聞いて、すぐに三者面談。

3年生、という言葉に三者面談、という言葉はつきものだ。


そして今……なぜか横には……

「初めまして。杉浦沙彩の父です」

今朝到着したらしい、お父さんの姿。

営業スマイルでじっと坂野先生シンタンニンの顔を見る。

「あ、はい、初めまして……新担任の坂野と申します……」

うっわぁ……お父さんの笑顔の怖さに坂野先生もひいてるよ……(正しくは、みとれてる)

「え、えっと……まず、進路……杉浦さんは、えっと……瀬戸内小島大学が、き、希望でしたよね?」

「瀬名大島大学ですが……」

瀬戸内小島大学ってどこじゃい。


それから、約10分の三者面談を終え、帰路につく。

「沙彩の将来の夢って、検察官だったんだな」

「うん。って、言ってなかったっけ?」

「うーん……彩華から聞いたよーな……でもすぐ忘れちゃったかもな」

……なんという父親だ。

こっそりと溜息をついた。

「あ、さーやちゃーんっ!!!」

「キョン」

向かい側から、キョン……遠藤崎右京が駆け寄ってくる。

「久しぶりっ!」

「うん、久しぶり。部活終わったの?」

「んーん。休憩中なんだ!飲み物買いに行こうとしたとこ!」

キョンの右手には、おばあちゃんが持ってそうながま口の小銭専用財布らしきものが握られていた。

「沙彩、こちらのお嬢さんは?」

「あ、2年の遠藤崎右京。中学の時、バスケ部の後輩だったんだ」

本名がコンプレックスらしいキョンは、少々ふて腐れた顔で「この人、沙彩ちゃんの彼氏ぃ?」って聞いてきた。

「いや、彼氏なんてものじゃあ……」

「沙彩の父だよ。よろしくね、右京ちゃん」

100%の営業スマイルをするお父さん。

キョンは10秒ほど固まった後……

「ええええええっっっ!?沙彩ちゃんのお父さん!?若っ!凄っっ!!ありえないっっっ!!!」

って言って、ホギャーとかフギョーとかヘケーっていう奇声をあげる。

お、驚きすぎだ……

「って、そういや沙彩ちゃんの彼氏って蒼井君だったよねぇ!」

「え、なんで知ってんの?」

「部活一緒だし、その程度の情報は回ってくるよん!しかも結構喋るし!」

そんじゃ、飲み物買って来る!って言って、キョンはまた走り出した。

そっか……結構喋るんだ……

「沙彩、お前心配してんのか?」

「え?」

「さっきの右京ちゃんに心変わりするのかって。俺は大丈夫だと思うぞ」

「……別に、そんなこと心配してないもん」

嘘をついて、また足を進める。

お父さんは「やれやれ」と言ってついて来た。


校舎から出て、校門に。

「まぁ、久しぶりに母高に入れて懐かしかったよ。しかも何気、あの教室俺が3年の時に使ってたしな」

……それはそれは……とことん懐かしむがいい。

でもさぁ……

「なんで校門に車停めてあんの!?」

「ああ……駐車場に停めるのめんどくさかったから」

「めんどくさいっつっても、こんな大迷惑な場所に停めないでよ!よく駐車違反の紙はられなかったよね!」

そう……駐車違反している車には、容赦なく「駐車違反」とかかれた紙をフロントガラスに貼られる。

デパートの駐車場で、そんな車を何台か見たことがある。

「ちゃんと許可取ったから大丈夫だよ。通りかかった女の人に。校長って言ってたけど」

校長……(涙)

盛大な溜息をつきながら、車に乗り込んだ。


「……っていうかさ、なんで三者面談に来たの?」

「彩華仕事だし。ばーさんに行かせるわけにもいかんだろ?」

だからって……海上自衛隊がそんなんでいーんかい。

というツッコミはさておき、「そりゃそうか」と返した。

「ま、そんなことより……アイツ、蒼井とはどうなんだ?」

「どう、って?」

「なんか違うことがあったりしたのか?」

今までを思い返してみる。

……関係が恋人、となった以外は、ほとんど変わりない。

一緒に登下校、たまに夏姫やたっくん達を交えて遊ぶ……違うことといえば……

「……学年末テストの勉強を見てもらったことぐらいかなぁ……数学と化学」

「……は?お前、あいつより1コ上のはずだよな?多分」

「そうだけど……蒼井君は理系においてはほんとスゴいの。教科書ちょっと見ただけですぐ分かって、問題解いちゃうんだから」

そう、あれは2月下旬……


3月頭にある学年末テストの勉強を、“勉強会”と称して、2月15日にアイスを奢ってあげた5人(冒頭参照)に加え、カイジ君、ユウヤ君、シゲオ君が図書室に集まって勉強した。

2年同士か、1年同士。ほとんど1年から2年同士で質問をし合いながら、わいわい進めていた。

質問なんてできる性分じゃない私は、数学の問題をノートに写し、教科書ほったらかしでその問題に梃子摺テコズっていた……

「先輩、この問題、この定理使ったらすぐ解けますよ」

と言って、蒼井君が教科書に載ってる定理を指差す。

「あっ、そっか、なるほど……だからこうで……よっしゃ分かった!ありがと蒼井君!」

その瞬間は問題解くのに必死で……事のおかしさに気づかなかった。

私がやっていたのは数Ⅱ。蒼井君がやっていたのは数Ⅰ。とてもじゃないけど、Ⅱは分からないはずだった……

数10分後にそのことに気づき、化学の問題も聞いてみたところ……先生より何倍も分かりやすく教えてくれた。

そしていつしか、夏姫たち2年メンバーも、蒼井君の講義をまじまじと聞いていた……


「……っていう武勇伝もあんの」

「へぇ。まぁ、お前より頭いいのは確かだな……いてっ」

後部座席から、お父さんの頭を叩く。

「いーの。文系は文系さえできてれば」

「ふーん。それがお前の信条ならいーけど」

……つくづく発言がムカつくなぁ。


そんなこんなで家に着き、3年生生活1日目(実際は1日目イブ)が終わった。




少々手抜き回になったかも(汗)

沙彩父が三者面談に来たらこんな風かな~って思いながら書いたこの回。さりげに大翔の天才っぷりもアピールしつつ(笑)

さて、次回は遠足編イブ!

海宮高校は、全校遠足というのが1学期の行事……っていう設定(笑)

それに加えて、ちょっとおもしろいエピソードも加えようかな、と企んでます。

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