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海と想いと君と  作者: coyuki
第3章 片想いの日々
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第47話 クリスマス1-出発-

翌日。屋上で弁当を食べている途中、昨日のことを夏姫に報告した。

「へぇ~、大翔君の妹かぁ。亜珠華ちゃんかぁ。きっとすっごい美少女だろうねぇ」

「いや、5歳らしいし……5歳児はみんな可愛いと思うよ?」

「え~……私のイトコは全然可愛くないよ?リュージは無愛想だし、マミはやんちゃすぎるし……」

高1の時に聞いたことによると、夏姫のお母さんは5男5女の大家族。しかもお父さんの方も3男6女の大家族だから、イトコの数が一般よりケタ違いに多い。

お盆には、今年新しくできた母方の大家族の末っ子(中3)の中学校の体育館を貸切して宴会を開いたとか、今年は大晦日から元旦まで泊りがけで宴会を開くとか……

人数は、母方の大家族12人、父方の大家族11人。

それに加え、婚姻した子供の配属者。そして夏姫やそのイトコたち……うわぁ。100人越えるかも。

「何何?何の話~?」

夏姫がこぼす「5歳児の現状」について頷きながら話していると、イケメン好きの河野さんが入ってきた。

……なんで屋上来たんだろ。

「えっとね~、クリスマスに遊園地に行く話~」

「遊園地って、やっぱ名古屋のアレ?」

名古屋。名古屋市。愛知県の県庁所在地。

昨日夏姫が提案したのは、そこにある某人気遊園地に1泊の泊りがけで行くこと。

特に家族連れや恋人、友達同士などに人気で、特に人気で目玉なのは……

なのは……なのは……

「さーや?どしたの?」

「あ……なんでもない」

人気で目玉の“あれ”の姿を思い浮かべ、ぞっとした。

言わずと知れた、“あれ”だ。

「メンツは?」

「メンツね~……今作成中!とりあえず私とさーや、たっくんと大翔君。あと、大翔君の妹の亜珠華ちゃんかな」

「え~~~っっっ!!!?大翔君って……あのイケメン四天王の!?」

……河野さん、いい加減そのネーミングやめよーよ……

「ねーねー東郷さん、私も行っていい!?」

「うん、もちろん!メンツ多い方が楽しいし」

「やったぁ!」

河野さんの目……完全に蒼井君狙ってるなぁ。

あ、そうだ。ケータイチェックしないと……そう思って、制服のポケットからケータイを出した。

着信、3件。2件はお母さんと桃花。3件目は……蒼井君。

2人に悪いと思いつつも、蒼井君からのメールを開く。


『To.杉浦先輩

 Sub.すんませんが……

 クリスマスのこと、うっかりダチにばらしちゃって(--;)

 カイジとユウヤが行きたいって言ってるけど、その2人追加してもいい?』


「夏姫、さっきメンツ多い方が楽しいって言ってたよね?」

「うん、バッチリ!」

「2名追加でいい?1-Dのカイジ君とユウヤ君」

……次の瞬間、河野さんが興奮し始めたのは言うまでもない。


―――……


ちなみに着信3件中の2件、お母さんと桃花からのメールは……

お母さんからは、早めに帰宅する、とのこと。

桃花からは、愚痴。最近ユースケが浮気性とのこと……

桃花のメールを返すと、多分100件ぐらい続きそうだから帰宅して返信した。

案の定、10秒も経たずに来る返信……しかも絵文字50個あるし。

どんな技使ったら10秒で50個も絵文字入れれるんだろうなぁ……

「沙彩、今年のクリスマスは友達とパーティとかしないの?」

夕食を作ってるお母さんが尋ねる。

去年のクリスマスは……夏姫の家で5人ほどでパーティする予定だったけど、お父さんが早めの冬季休暇をもらって帰宅して、急遽家族団欒のクリパ。

よって友達とのクリパはドタキャン。お母さんはそのことをまだ覚えていた。

「今年は……10人前後ぐらいの泊りがけで、名古屋の遊園地に行きたいな~っと」

10人前後というのは、今回引率してくださる夏姫のご両親。

それに加え、例のメンツ。でももしかしたら減ったり増えたりするかも、っていうことを踏まえて10人前後って言った。

「そう。今年は友達を優先させなさいね」

そう言い、お母さんは意味深な笑みを浮かべる。

……なんだろうなぁ。この笑みは。


まぁともかく、お母さんの承諾を得た、ということで……

それから月日は飛ぶように流れて、12月25日。終業式。

……が終わり、午後3時。

「あっつまりましたかぁ~??ワタクシ、東郷夏姫と申しまっす!一応幹事やるんで~、困ったこととかあったらまず私に言ってねぇ!!!」

A市のE町の東郷家の前に、10名が集結した。

最低限の1泊分の荷物と、お母さんから渡された荷物をキャリーにつめ、それを片手に持つ私。

幹事、っていうことでハイテンションな夏姫サン。その横にはたっくんこと拓海。

いつも通りの蒼井君。……の後ろに隠れてお菓子らしきものを食べてる子は多分、亜珠華ちゃん。

体育祭でちょっと話したカイジ君とユウヤ君。

結構派手な服装をしている河野さん。早速顔赤いです。

そして、引率してくださる夏姫のご両親たち……

「それじゃあ、名古屋まで行っちゃいますかぁ!こっちの黒い車には男性陣、こっちの赤い車には女性陣が乗ってくださぁい!メンツはパーキングエリアに寄る度にちょくちょく変えますんでぇ」

ここは静岡県……といっても、ほぼ神奈川。名古屋市は愛知県だけど三重県と岐阜県にめっちゃ近い。だから結構な長旅になるだろうなぁ。結構長旅は慣れてないけど……


でも、せっかくだから、楽しもうじゃないか!




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