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終-主人公の朝

このお話は最終話です。

第1~4話をご覧でない方はそちらからご覧下さい!

あの後どうやって戻ったかはよく覚えていない。


「ここを歩いていけば戻れるわ」


霊夢に言われ、暗いトンネルのようなものを歩いている途中で目が覚めた。


あれは夢だった。それで間違いないだろう。


でも、僕に残る感情、霊夢の話、そして最後の自分の言葉。

全て僕の中に残っている。

夢であってもなくてもどちらでもいい。僕はこれから新しい自分として生きていくんだ。


そう心に決めた。





~数年後~





「はい、ありがとうございましたー!お嬢ちゃんまた来てねー」


僕はとある店先に立っている。小さい子が手を振って人ごみの中へと消えていく。


「ずいぶん繁盛してるみたいじゃないの。はい、これ差し入れ」


そう言ってその女性・・・『博麗の巫女』は一升瓶を手渡す。


「ありがとなー」


そう、僕は結局この幻想郷にやってきたのだ。僕が生を受けた現実世界を捨てて。

あの後、いろんなことを試した。必死に勉強したり、スポーツをやってみたり。

職にだって就いた。霊夢のように人の気持ちを素直に出してもらえるような人になりたくて、僕は先生になった。


でも、結局何もうまくいかなかった。なら、あの日いた幻想郷で過ごそう、1から始めようと考えたのだ。


「結局戻ってきちゃうなんて。でも、私が危惧していたみたいにこっちでも上手くいかないなんてこと無くてよかったわ。」

「それもこれも、霊夢が僕を救ってくれたからだよ」


僕は今、幻想郷の人里で小さな店を開いている。表向きは小さな雑貨屋だ。別に何の変哲もない店である。


でも、この店には裏の顔がある。


「そうそう、今日来たのはお酒を渡したかったからじゃないのよ。この子の話を聞いてほしいの」


霊夢がそう言うと、中学生くらいの女の子が霊夢の後ろから出てきた。


「あなたと同じよ。外の世界から来た子なの」


そう、僕の店は雑貨店かつ幻想郷に迷い込んだ子の話を聞く店なのだ。店と言っても取引相手は霊夢しかいないわけだが。


「そうか、ありがとう霊夢。じゃあ、こっちでお茶でも飲もうか」


そう言って女の子を店の奥へと上げる。


「これはあなたしかできない仕事ね。こんな経験しているのはあなたしかいないんだから」

「確かにそうだな。じゃあ、待たせてるから」


霊夢と別れ、店の奥に行く。その間雑貨屋は閉めておく。途中で話を遮られたんじゃ意味がないから。


そして僕は今日も幻想郷に迷い込んだ人・・・いや、何かに『絶望』してしまった人の相談を受ける



~「幻想の世と小さな人生」完~

全5話、これで全て完結となります。私の処女作にお付き合い頂きましてありがとうございました。

良ければ9時半頃に投稿されるあとがきもご覧頂けたらと思います。


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