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架空戦記~東洋海戦争1941~  作者: 鈴木颯手
第一章【東洋海戦争】
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第六話「撤退」

統合歴1941・5/29・15:30

~駆逐艦ギャリー~

「艦長!戦艦オワフの艦橋に敵の爆弾が命中しました!」


「何!?」


駆逐艦ギャリーの艦長は見張り員の報告に双眼鏡で確認する。駆逐艦ギャリーのいる位置は後方であり艦隊の中心部にいた戦艦オワフの右斜め後方にいた。


艦長が双眼鏡で確認すれば艦橋部分から煙を上げるオワフの姿があった。直上の見張り塔も吹き飛んだらしく天井部分は見当たらなかった。


「通信士!戦艦オワフに通信をせよ!」


「は、はい!」


「敵雷撃機接近!」


「っ!回避行動!」


決して休ませてはくれない敵の大編隊に艦長は生きて帰れない可能性を脳裏で考えていた。


敵の雷撃をどうにか躱しきった時であった。


「!敵の大編隊が戦場を離脱していきます!」


「それは本当か!?」


離脱、それが意味するのは敵が引いたと言う事。一時間を超える敵の猛攻を防ぎきったのである。この事実に艦橋は一気に喜びで溢れるが艦長は気を引き締めるように言う。今は敵の大編隊のみの攻撃でありここへ艦隊が来る可能性もあった。第一主力艦隊の被害も大きくここは引くべきだがそれを指示するべき司令長官はオワフの艦橋に当たった爆弾のせいで生死不明の状態であった。


「戦艦カウアイより通信!司令長官の安否が確認できないためカウアイ艦長を臨時司令として指示をする。全艦隊は作戦を中止しイハワ王国へと帰還せよ。との事です」


「願ってもない指令だな。航海士、我々は殿を務めるぞ」


「了解しました」


カメハメハ作戦の事実上の中止に艦長は安堵の息をつくと同時に来る可能性のある敵艦隊に備えるために殿として前にでる。願わくば、敵の猛攻はこれで終わってくれと願いながら。


「!敵艦隊発見!急速接近中!」


しかし、それは見張り員の報告で呆気なく崩れ去るのであった。









~神星ルドワ帝国side~

「艦長、敵艦隊を発見しました」


「ご苦労」


約二週間前にホノルルを奇襲した第三東洋艦隊は瀕死の第一主力艦隊に止めを刺すべく急速接近していた。戦艦5、重巡洋艦6、軽巡洋艦5、駆逐艦10からなる第三東洋艦隊は旗艦であるバグナ級第三艦を含め全てが最新鋭の軍艦であった。その実力は高く世界最強の艦隊を保有するブリテンタニア連合王国にすら真っ当に戦えるほどであった。ブリテンタニア連合王国に一歩どころか二歩も三歩も劣るイハワ王国海軍との差は明白であった。


「これより砲雷撃戦に入る。主砲撃ち方用意!」


「主砲撃ち方用意!」


「主砲発射用意完了!」


奇襲を受け、司令を失い大混乱の第一主力艦隊と入念な準備に艦載機が撃ち漏らした敵の掃討を行う第三東洋艦隊とでは明らかに行動に差があった。


「てぇっ!」


司令の言葉と共に41cm連装砲が火を噴き圧倒的な力が第一主力艦隊へと降り注いだ。


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