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架空戦記~東洋海戦争1941~  作者: 鈴木颯手
第一章【東洋海戦争】
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第四話「第一主力艦隊」

第一主力艦隊の旗艦「オワフ」はイハワ王国の中では最新鋭の戦艦であった。全長205mのこの艦は海軍大国である葦原中国やアビン合衆国、ブリテンタニア連合王国に比べれば見劣りはするものの互角に叩ける自身があった。


しかし、世界を敵に回して尚優勢に進んでいる神星ルドワ帝国に勝てるかと言われれば別問題であったが。


それほどまでに神星ルドワ帝国の技術力は進んでいるのだ。イハワ王国はそれを身をもって知る事となる。














統合歴1941・5/29・9:00

「司令、葦原中国の艦を発見しました!」


「よろしい」


見張り員の言葉に司令は頷く。実際、良くは見えないが司令の持つ双眼鏡からも見ることが出来た。


今回の作戦、「カメハメハ作戦」は神星ルドワ帝国に占領されているオセアニア諸島の開放を目的としている。第一段階に第一主力艦隊と今合流した葦原中国の重巡洋艦愛宕を旗艦とした第三戦隊の連合艦隊でオセアニア周辺の制海権を奪うと同時に諸島にある飛行場の破壊、第二段階に輸送船で兵を送り諸島に橋頭堡を作るというものである。


この作戦の要は第一段階の制海権の奪取である。これが成功しなければ今頃港から出ている輸送艦は引き換えせざるを追えないだろう。第一主力艦隊の船員たちは無意識のうちに力がこもっていた。


しかし、


「今回の作戦、ぬる過ぎる。我が無敵の艦隊で敵本島を攻撃すればいい物を」


「全くです。一々こんな島々を占領しなければいけないとは…、やる気が出ませんな」


司令の言葉に艦長が返す。二人は第一主力艦隊の力を絶対視していた。自分たちは無敵にして世界に通用する艦隊と思っている。実際は今援軍としてきた葦原中国の第三戦隊と同等の戦力でしかなかった。


しかし、その事をここで指摘するものはいない。皆司令と同じくこの艦隊の力を絶対視しているからだ。


無論、それに気づく者もいるがそう言う者は非国民と罵られ知らず知らずのうちに艦を降りる羽目になっていた。とは言えこの危ないともとれる艦に乗り続けるよりはマシとみんなが思っていたが。


そんなわけで司令達は今回の作戦に対する愚痴や不満を航海した時、いや、その前から漏らしていた。


曰く、


「軍上層部日和見ばかりの腰抜けだ」


「神星ルドワ帝国と言う何処の馬の骨とも知れぬ奴らにビビっている」


「第一主力艦隊の力を見誤り挙句その栄えある艦隊を雑用に使っている」


等である。


「とは言え我々がいる限り今回の作戦は失敗しません」


「その通りだ艦長。我が第一主力艦隊の力を思い知らせてやろう」


「もしかしたら我々を見ただけで降伏するかもしれませんよ?」


「ははは!それはあり得るな」


艦長たちは話し続ける。この後、己に降りかかる災厄に気付かずに。


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