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架空戦記~東洋海戦争1941~  作者: 鈴木颯手
第一章【東洋海戦争】
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第三話「再会」

統合歴1941・5/28・10:00

日系二世であるナカハラ・タツミは神星ルドワ帝国による【ホノルル奇襲】を受け徴兵された。とは言えイハワ王国では20歳までに最低でも一年の兵役義務が課せられている。タツミは今年の3月に兵役を終えたばかりであった。


「今年で十九の俺まで徴兵対象とか。イハワ王国はどんだけ人材不足なんだよ」


【ホノルル奇襲】に置いてイハワ王国はベテランの大半を失っていた。これは軍人が最後までホノルルに残り逃げ遅れた人の保護ややってきた第三東洋艦隊に一矢でも報いようとした結果であった。とは言えそのせいで人材不足に悩まされる事になるのは皮肉な話である。


「俺が乗艦するのは駆逐艦ギャリー…。その対空砲員か」


駆逐艦ギャリー。イハワ王国では標準的な能力を有する駆逐艦であったが葦原中国やアビン合衆国と比べると一歩劣っているといわれている。


「…あれ?タツミじゃんか!」


「え?マイケル!」


タツミはやってきた白人の軍人、同時期に兵役義務について知り合ったマイケルと抱き合う。兵役期間の中で手に入れた数少ない友人であった。


「まさかお前も呼び出されてるなんてな。いや、俺が呼び出されているんだから当然か」


マイケルは今年で21になる。ギリギリまで兵役義務につかなかったのは病弱な母を助けるためであった。幸い、隣人の方々の助けで兵役に違反する事は無かった。


「お前は何処に配属になったんだ?」


「俺は軽巡洋艦リフエの魚雷員だ。一応第一主力艦隊所属だな」


「そうなのか!俺は駆逐艦ギャリーの対空砲員だから次に会うときは帰投後になるのか」


折角再会できたのに残念と、マイケルの顔にはそう書いてあった。そんなマイケルにタツミは励ますように声をかける。


「なら、次の再会をより良い物にするためにも今度の作戦は成功させようぜ」


「成程、確かにそうだな。その時は一緒に飲みに行こうぜ!この前良い店を見つけたからな」


「へぇ、それは楽しみだな」


「おう!次の再会まで取って置け!きっと驚くぞ!」


二人は別れるまで話し続けた。そして14:00。第一主力艦隊は司令長官の挨拶の後に出撃する。戦艦3、重巡洋艦3、軽巡洋艦5、駆逐隊10からなる第一主力艦隊は反攻作戦である「カメハメハ作戦」完遂の為、葦原中国の援軍と共に一気に北上した。


そして、復興中のホノルルに帰投したのは傷つき今にも沈んでしまいそうな駆逐艦のみであった。


反攻作戦「カメハメハ作戦」は失敗したのである。


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