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架空戦記~東洋海戦争1941~  作者: 鈴木颯手
第一章【東洋海戦争】
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第二話「艦砲射撃」

統合歴1941・4/16・15:42

~神星ルドワ帝国side~

イハワ王国王都ホノルルに到着した神星ルドワ帝国第三東洋艦隊。その旗艦バグナ級第二戦艦の艦橋にいる司令長官は手に持った双眼鏡からホノルルの様子を見る。ホノルルは大混乱となっており逃げようとする人々で一杯であった。無論、第三東洋艦隊がやって来る沿岸部には誰もいなかった。


「…どうやら敵はこちらの奇襲に全く対応できていないようだ」


「しかし宜しかったのですか?このような卑しいともとれる奇襲を取って…」


「問題ないだろう。我々は既に全国家(・・・)に対し宣戦布告している。その中で準備を怠ると言うのは怠慢でしかない。無論、これがヨーロッパなら話は変わるがここは東洋海。それも神星大陸に尤も近い位置に存在する国家だ。まさに自業自得と言えるだろう」


「成程、わかりました」


司令の言葉に不安に思っていた艦長は肩の力を抜く。そうしている内に全艦隊がホノルルを射程距離内に収める。


「司令、全艦隊準備完了しました」


「よろしい。敵航空機が来ないうちに素早く終わらせるぞ。全艦、砲撃用意」


「砲撃用意!」


司令の言葉に従い準備が行われる。準備自体は直ぐに終わり司令の命令待ちとなった。


「司令、全艦準備完了しました」


「うむ。…放て!」


「撃ち方始め!」


司令の命令と共に第三東洋艦隊の全ての砲が火を噴く。戦艦2、重巡洋艦1、軽巡洋艦5、駆逐艦10からなる第三東洋艦隊はまるで弾丸の嵐を降らすようにホノルルへと打ち込み始める。艦砲射撃を食らったホノルルはあっという間に炎と破壊に包まれる。更には身動きが取れず港に籠っていたイハワ王国の第二、第三主力艦隊にも降り注ぎ船員の努力も空しくただの的と化していった。


数十分にも渡る艦砲射撃が終わる頃にはホノルルは廃墟と化し港に停泊していた船は全て海の藻屑となって海中へと沈んでいた。


それを確認した司令は満足げに頷く。


「うむ、これで敵の海軍戦力を大幅に削る事に成功したな。艦長、全艦隊に通達。現時刻を持って作戦を終了する。速やかに退避行動に移れ、とな」


「はっ!」


燃え盛る廃墟のホノルルを背に第三東洋艦隊は自国へと帰っていく。そして、ホノルル奇襲の報を受け戦闘機が到着したのはそれから三十分以上経過した頃であった。


王都ホノルル及び主力艦隊を失ったイハワ王国は神星ルドワ帝国と正式に戦争状態に入った事を国民に報告。徴兵が行われると同時に生き残った第一主力艦隊による反攻作戦「カメハメハ作戦」の準備がひそかに行われ始めていた。


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