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架空戦記~東洋海戦争1941~  作者: 鈴木颯手
第三章【東洋海海戦】
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第十八話「行動開始」

1941・9・11・22:00

「まさか、これほどとはな」


パールハーバーへと帰航したタツミ達は敵艦隊の編成を聞かされ軽い絶望感を味わっていた。


「戦艦11、空母6、重巡16、軽巡23、駆逐多数…。それに加えて揚陸艦」


「対するこっちは戦艦3、重巡10、軽巡22、駆逐40。話になりませんね」


圧倒的な敵の数にタツミは天を仰ぎ副艦長のジョージは祈りをささげ始めた。他の者たちも似たような者で中には脱走を企てようとするものまでいた。


「これでこちらが一騎当千の船ならまだよかったんだけど…」


「全ての分野において圧倒的に敵の方が上ですね。唯一互角なのは速度でしょう」


「そこは現状役に立たないな」


明らかに摘みな状況にタツミはため息をつく。


「それで?敵の到着予想時刻は?」


「大船団の為か速度は遅めなので…大体明後日の昼くらいでしょう」


「はぁ、アビン合衆国はともかく葦原中国は無理だな」


せめてもう少し早く見つかっていれば、とタツミは嘆くも敵の制海権内で見つけられただけマシかと思いなおす。


「そう言えばアビン合衆国はどの位の援軍だっけ?」


「確かキンメル大将を司令長官とした連合艦隊だと聞いています。確か戦艦7、空母4、重巡12、軽巡18、駆逐22だったかと。合わせれば数では(・・・)勝ることが出来ます」


「葦原中国も間に合えばいいんだがな」


ジョージの言葉にタツミはため息をつくのであった。


そうこうしている内にイハワ王国連合艦隊は敵艦隊殲滅の為出発した。一方アビン合衆国連合艦隊は接敵予想地点で合流する事になった。葦原中国も長門を旗艦とした聯合艦隊が向かっていたが間に合うかどうかは分からなかった。





~神星ルドワ帝国side~

「これほどの大艦隊が一度に動くとはな」


神星ルドワ帝国の連合艦隊、その旗艦バグナ級第四戦艦の艦橋にてミリアは眼前に広がる連合艦隊を見て笑みを浮かべていた。


ミリアの耳にはイハワ王国が艦隊を率いて向かってきているという情報が入っていた。そしてその中に空母の姿がない事も。この艦の隣を並走する空母では戦闘機や爆撃機、雷撃機などが飛び立つのを今か今かと待ち望んでいる様であった。


「最初の作戦まであと一時間か」


ミリアは左腕の腕時計で時間を確認する。時刻は日を跨いだところであった。


神星ルドワ帝国では夜間離着陸の訓練が盛んであった。夜間奇襲を行うことが出来れば大きな奇襲が期待できたからだ。そしてそれを補佐するための艦載機の研究にも力を入れており簡易的な電子計算機を作り搭載する艦載機を試作ながら作り上げていた。


残念ながら試作の域を出ないため今回の作戦には組み込んでいないがパイロット達はそんなもの関係ないとばかりに極めて高い成功率を出していた。


「さて、この奇襲が敵に、我々にどんな効果を与えるのか。神よ、願わくばパイロット達に祝福を与えたまえ」


ミリアは創世神たる自らの祖先にそう祈るのであった。


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