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架空戦記~東洋海戦争1941~  作者: 鈴木颯手
第三章【東洋海海戦】
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第十七話「大艦隊」

1941・9・11・11:00

~イハワ王国side~

「その情報は本当なのか!?」


「は、はい。上層部もかなり慌てている様でしたが確かなものと思われます」


軽巡洋艦ワイアルアに乗艦しシーレーン防衛の任についていたナカハラ・タツミの元に届いたのは信じられない報告であった。


【神星ルドワ帝国の大艦隊を確認、その後方に多数の揚陸艦を視認。大艦隊は真っすぐ我が国へと向かってきている。大至急パールハーバーへと帰航せよ】


暗号化されやってきた内容はこの様な物であった。一瞬タツミはそれほどの艦隊なのかと疑問を持つも神星ルドワ帝国は大陸でもこの東洋海でも戦線は膠着し決定打を打てないでいた。今回の大艦隊は戦況を一気に変えるための行動だとタツミは予想した。


「副長、旗艦は何と?」


「上層部の指示に従い帰航するとの通信が」


「分かった。これより我が艦はパールハーバーへと帰航する」


「はっ!」


タツミの指示に従いワイアルアはゆっくりとパールハーバーへと引き返し始める。タツミは腕時計を確認しながら考える。


「(今から戻ってもきっと内の国だけじゃ負けるのは確定している。ならアビン合衆国にも援軍を?いや、葦原中国にも援軍を頼んでいるだろう。だが、距離を考えれば到着するのはかなりギリギリだろうな)」


タツミは一瞬王都ホノルルに神聖ルドワ帝国の帝旗が掲げられるのを想像してしまう。復興が進みつつあるホノルルを行進する神星ルドワ帝国の軍隊。降伏文書を読む国王。そのどれもが最悪の想定であった。


「(…それだけは、避けないとな)」


タツミは心の中でそう決意をするのであった。





~アビン合衆国side~

「イハワ王国に神聖ルドワ帝国の大艦隊が向かってきている。直ぐに援軍を送るべきです」


ホワイトハウスにて大統領に詰め寄る一人の軍人がいた。彼は元帥の地位にいるマイケル・リーガンであった。合衆国東洋艦隊を指揮する彼は東洋海中央部のイハワ王国がどれだけ重要かを理解していた。


「あそこが神聖ルドワ帝国に落ちれば我が国と葦原中国は分断されます。そうなれば今までの様な連携した作戦行動は不可能になります。それに合衆国への強襲上陸の可能性も出てきます」


神星大陸からアビン合衆国まで距離がありすぎるためこれまで強襲上陸はないと判断していたがイハワ王国が神星ルドワ帝国の手に落ちれば強襲上陸の可能性が出てくる。それは防衛戦略的にも無視できない者であった。


「大統領!今すぐに援軍の許可を!」


「…勿論許可するとも」


リーガン元帥の言葉に大統領は頷く。大統領とて隣国の友人を見捨てるつもりはなかった。そのうえで、


「リーガン元帥、君には頼みたいことがある」


大統領は自らの秘策をリーガン元帥へと話した。


翌日、海軍大将キンメルを司令長官とした連合艦隊がイハワ王国へと向かい始めた。と、同時期に葦原中国も戦艦長門等の艦隊を向かわせていた。


彼らの激突は近くまで迫ってきていた。


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