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架空戦記~東洋海戦争1941~  作者: 鈴木颯手
第二章【平均年齢二十三歳の新設艦隊】
17/26

第十六話「ルーシア=ゲルマニア戦争」

統合歴1941・8・24・9:00

~ルーシ帝国side~

「ふう、最近熱くなってきたな」


数か月前に軍に志願したばかりの新人であるニコライは要塞線に建てられた見張り台にいた。現在彼がいるのは隣国オスト=ゲルマニア帝国との国境線である。神星ルドワ帝国という世界の敵(パブリック・エネミー)がいる中この国はブリテンタニアが戦争中な事をいいことに隣国に攻め入っては次々と併合していた。中には抵抗を試みた国もいたが結局併合されてしまっていた。


そんなオスト=ゲルマニア帝国にルーシ帝国は非難、するどころか手を組んで南方にある半島へと侵略していた。西からの脅威がない。それがオスト=ゲルマニア帝国がここまで強気に行動で来ている所以であった。


「にしてもこうも刺激のない日々じゃ体が可笑しくなっちゃうよ」


ニコライは新人と言う事もあり南方半島への侵略作戦に従軍することなくずっと攻めてくるはずのない隣国の要塞線の見張りについていた。


「はぁ、何かこう、面白い事でも起きないかな?」


オスト=ゲルマニア帝国が攻めてきたりとか。と冗談を考えていた時であった。ニコライの視界に一瞬何かが光って見えた。


「何だ?今一瞬光が…」


ニコライはその正体を掴むことは出来なかった。何故なら彼がいた見張り台は光の正体、戦車から放たれた砲弾によって粉微塵に吹き飛んだのだから。当然そこにいたニコライは即死であった。


「敵襲!敵襲!」


数瞬遅れで要塞線のあちこちから悲鳴の如き叫び声が聞こえてくる。そんな叫びをかき消すように彼らの頭上に砲弾の嵐が降り注いだ。






~オスト=ゲルマニア帝国side~

帝都ベルリンの中央にあるブランデンブルク城。それはこの国の皇帝が住む家であった。しかし、時にはそこは参謀本部としても活用されていた。


「報告します!先ほど第一装甲戦車師団が敵要塞線の突破に成功しました!」


その報告に参謀本部から歓声があがる。そんな彼らに交じる形でルートヴィヒ中将が笑みを浮かべる。


「ふむ、第一段階は成功したな。後はあけた穴を何処まで広げられるかだな」


「その通りですな」


ルートヴィヒ中将の言葉に付近の将校が相槌を打つ。ルートヴィヒ中将は吸っていた葉巻を吸い殻に置き改めて将校たちを見る。将校たちも視線に気づきルートヴィヒ中将へと顔を向けた。


「諸君、我らがオスト=ゲルマニア帝国はヨーロッパを統一し世界を牛耳るブリテンタニアに鉄槌を降すぞ。これはその前段階だ。なんとしてでも成功させ勝利を、繁栄を、陛下へと送ろうではないか」


「「「「「おおぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」」」」」


ルートヴィヒ中将の言葉に将校は再び完成を上げるのであった。


後にルーシ=ゲルマニア戦争と呼ばれることになる内輪(・・)揉め(・・)戦争(・・)はオスト=ゲルマニア帝国の宣戦(・・)布告(・・)なし(・・)のいきなりの侵攻で幕を開けたのであった。


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