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架空戦記~東洋海戦争1941~  作者: 鈴木颯手
第二章【平均年齢二十三歳の新設艦隊】
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第十二話「防衛戦2」

「艦長!このままでは全滅してしまいます!」


「今は耐えるんだ!既にこちらに艦隊が向かってきているという!今は少しでも被害を抑える事に集中するんだ!」


イハワ王国の輸送船団は現在神聖ルドワ帝国の攻撃にさらされていた。既に護衛として随伴した駆逐艦二隻は沈められ残ったのは僅かな武装、対空砲数基ほどしかない輸送船団のみであった。


通信を行った時には四隻が沈められ必死に逃げている現在は新たに二隻が沈み三隻が敵の砲弾が命中し大破となっていた。他の艦帝は幸いにも敵の砲撃を躱して無傷であったがこのままでは全滅するのは時間の問題であった。


「艦長!こちらに砲撃が!」


「回避しろ!なんとしても回避するんだ!」


艦長の叫び声も空しく砲弾の一つが輸送艦の中央部に当たった。その際の衝撃で艦長は倒れ頭をぶつけてしまう。


「ぐっ…!」


「艦長!?ご無事ですか!?」


「ああ、私は問題ない。それより被害は…?」


「幸い浸水や火災はありません。ですが輸送中の次元石に激突し一部は使い物にならなくなっています…」


「何と言う事だ。…いや、沈まなかっただけマシと考えるべきか」


艦長は輸送中の次元石の消耗に一瞬頭が真っ白になったが直ぐにポジティブに考え気を持つ。今も敵の砲火にさらされているのだ。現実逃避などしている時ではなかった。


「くそっ!このままでは通らぬうちに…」


艦長が最悪の想定をした時であった。通信士から希望が届く。


「艦長!イハワ王国の艦隊が到着しました!」







~神聖ルドワ帝国side~

「司令、イハワ王国の艦隊が到着。重巡1、軽巡8、駆逐6」


「ふむ、戦艦はいないか」


神聖ルドワ帝国の第二通商破壊艦隊を指揮する司令は報告を聞いて顎に手を当てる。その眼には慢心も油断もなかった。


第二通商破壊艦隊の目的は敵のシーレーンの破壊であり敵艦隊撃破が目的ではない。だが、イハワ王国の海軍は相当な打撃を受けている。ここで武功を稼ぐべきか。否か。


「…通信士、全艦に伝えろ。これより対水上戦闘を開始する。とな」


「はっ!各艦に通達!全艦対水上戦闘用意!繰り返す!対水上戦闘用意!」


司令より伝えられた命を受け艦隊が一斉に動き出す。


…先に砲撃を仕掛けたのは第二巡洋艦隊であった。重巡洋艦カフルイの主砲20.3cm連装砲から放たれた弾丸は自他ともに動いていたため当たる事は無かった。しかし、それが海戦の狼煙となり両艦隊激しい砲雷撃戦を繰り広げる。第二通商破壊艦隊は重巡3、軽巡6、駆逐10とほとんど数では変わらなかった。しかし、神聖ルドワ帝国の艦はイハワ王国より高性能であった。


「敵軽巡洋艦に着弾!推定被害中破!」


「よし、このまま敵を海の藻屑へと変えろ。…それと援軍の存在だけは常に注意しろ」


司令は油断なく、淡々と第二巡洋艦隊に被害を与えていった。


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