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夏は輝く  作者: 高乃優雨
第一章 烏合の集
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「初陣」

ボール回し・・・・本塁、一塁、二塁、三塁の各4ヶ所ベース上に集結し、塁間でボールを回す練習。


今まで連載してきて、やっとまともな試合を書く気がします。

まあ、まともな試合になるのかは置いといて、、、

あ、僕が女子と試合ができるならウキウキですね。

「なあ、今から俺らあんなのと試合すんのかよ」


 帽子を浅く被った三嶋(みしま)が指をさす。その先には女子野球部が華麗にボール回しを行なっていた。

 全く乱れないのだから流石は強豪校だ。


 ブルペンで投球練習をしている一人の少女と目が合う。小麦色に焼けた肌に、短く切られた髪の毛。

 西野真帆(にしのまほ)だ。しかし、真帆は目が合うとすぐさまそっぽを向くのだった。その行動に思わず呆気にとられてしまう。


 ーーなんだよその態度。

 凛太朗は首を傾げる。

 それからしばらく突っ伏していると、「感心してる場合かよ」と(はやし)に背後から頭を叩かれた。

 こいつの扱い方は簡単だ。ーー無視だ。


「おーい、いいかー。スタメン発表するぞー」


 先ほどまで女子野球部の監督に頭を下げまくっていた山県が、手を挙げて集合をかける。

 一見不審者な男が、一丁前に監督ぶってオーダーを発表していく。

 そして最後まで凛太朗の名前が呼ばれる事はなかった。


「え、綾瀬じゃないんですか?」


 村上の言う「綾瀬じゃない」は、おそらく投げないのかという意味だろう。


「ああ。先発は平川でいく。文句があるか?」


 少しだけ空気がピリついたのを感じる。すると村上が申し訳なさそうな目で、見てくるのに気づいた。


「これまでの練習で俺が判断した。綾瀬は状況次第、だな」


 山県は強めに「状況次第」と口にした。

 ーーいったい、俺が投げなければならない状況とは?

 凛太朗はジト目で円の中心に立つ山県を見る。


 反対の一塁側ベンチからは、大きな声で返事をしているのが聞こえてくる。

 何度でも言おう、流石は強豪校だ。

 よく見ると部員全員が肌を焦がしていて、体つきも一般的な女子と比べるとかなりたくましい選手が多いい。その中でも真帆は華奢な方でかなり目立つ。


「ーーよし、いくよ」


 村上の掛け声で部員達は、一列に並ぶ女子野球部と向かい合う。改めて近くで見ると、男子が紛れているのではないかと疑ってしまう。


「それでは、桜商女子野球部対男子野球部の練習試合を行います! 礼!」


「お願いします!」と息ぴったりで元気良く挨拶する女子とは反対に、男子野球部の挨拶は全く息が合わず酷いものだった。

 ベンチを見ると山県が頭を抱えていた。無理もない。


 一番、センター、勝部

 二番、セカンド、三嶋

 三番、ピッチャー、平川

 四番、サード、林

 五番、ショート、徳野

 六番、ファースト、丸子

 七番、レフト、小原

 八番、ライト、佐々木

 九番、キャッチャー、村上


 かくして桜商男子野球部の戦いが始まる。





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