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自称不幸と幸運少女  作者: ジル@修業中
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プロローグ

処女作なんで、暖かい目で見てやってください。

途中から一話完結ものでやっていきます。

 九重太一16歳、俺は不幸だ。

今の言葉を聞いて、何言ってんだこの勘違い野郎は。と思うかもしれない。

でもこの言葉は嘘じゃないと言い切れる。

 なぜなら俺は子供のころから信号待ちで鳥にフンを落とされ、川沿いを歩いていて子供に川に突き落とされたり、挙句の果てにはこないだの高校受験の日には乗っていた電車が人身事故で二時間近く立ち往生したりもした。

 まぁ、その時は不運野郎のすることを見越して早めの電車に乗っていたおかげでギリギリ間に合ったんだがな。

 加えて生まれる前から不運野郎が仕事してやがったのか、人相が悪いってんで誰も寄りつかない。

おかげで彼女いない歴=年齢だ。

 高校の新しい生活に心を躍らせながら道を歩いていると前から声が聞こえた。


「おいおい、不景気ヅラしてるとできる友達もできねぇぞ。太一」


「余計なお世話だ。」


 こいつは、八神祐介。俺の中学からの親友だ。世話好きで何かとどうでもいいことを知っている。

中学時代は、こいつの世話好きで人好きのする性格に助けられた。


「今日の入学式の後クラス発表なわけなんだが太一はどんな人が同じクラスだったらいいなとかはあるのか?」


「俺のことを怖がらないでくれるクラスメイトなら他は何も期待しない。」


「えー、そこはかわいい子がいたらいいなぁとか言えよ。」


「お前は高校をなんだと思ってるんだ...」


「やだなぁ、人を女好きみたいに。」


「事実だろ。どうでもいいこといってないでさっさ行くぞ。」


「どうでもいいことってなんだよ~。ちょっ、急に走んな。」


 祐介の相手がめんどくさくなっておいてくと、慌ててついてきた。

高校では何か変わればいいな、なんてことを考えつつ俺はここ、私立公明学園の門をくぐった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 体育館に用意されていた椅子に座り、入学式が始まるのを待っていた。

やはり有名な私立校だけあり体育館は広いはずなのに人で埋め尽くされていた。


「これより第45回入学式を開式します。」


 教頭先生と思しき人物のあいさつで一気に体育館中が静かになった。

校長の話や生徒会長の話などが、淡々と続く中俺は一人の少女に目を奪われた。


 その見目麗しい少女は背筋を伸ばし、凛とした雰囲気を漂わせながら俺の前を通り過ぎた。

そのとき漂ってきたシャンプーの匂いに俺は遠ざかっていた意識を取り戻した。ちなみにとてもいい匂いだったことをここに追記しておく。

 俺の半ば呆然とした顔に訝しげな顔をしていた祐介も式進行に従って行われる次のことを確認していた。


「次は新入生代表挨拶があるらしいぞ。」


 なるほど、先ほどの美少女は新入生代表らしい。一般的に新入生代表は入試成績トップを選ぶだろうから、よほど成績優秀なんだろう。


「新入生代表挨拶、1年平嶋 澪。」


「はい。」


 そう言って彼女は壇上に立った。

そして紙を広げ話し始めた。


「暖かな風に誘われ私たち新入生一同はこの公明学園の入学式を迎えることができました。本日は素晴らしい入学式を開いていただきありがとうございました。これからの高校生活で時に迷うことや苦しい時があるかもしれませんが、友と助け合いながら乗り越えていきたいと思います。平成○○年○月○日 新入生代表 平嶋澪。」


 そのあと平嶋さんは席に戻り、その後の進行もつつがなく執り行われた。

でも俺の心には前を通り過ぎていった時の平嶋さんの姿がなぜか目に焼き付いていた。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「太一、クラス発表たのしみだな。」


「おーそーだなー、ってなんでそんなニヤけた顔でこっちみてんだよ。」


「だって太一いやらしい目で平嶋さんのことみつめてたじゃん。まぁその面せいで周りの人は新入生代表にガン飛ばしてるとおもってたみたいだけど。」


 そう言いながら祐介はくつくつと笑いながらクラスが書かれたボードの方へ向かっている。

確かにあの美少女に不覚にも目を奪われてしまったのは否定しないが、俺はそれよりもっと別のところが気になっていた。

 平嶋さんからは、どことなく俺と似たものを感じたのだ。

その違和感に頭を悩ませながら、俺も祐介の向かうボードの方についていった。




 結果を言おう。ここで俺の不運野郎が働いて変な奴ばっかのクラスになると思うじゃん。

ところが今回は違うんだなこれが。なんと祐介は勿論、平嶋さんも同じクラスだったんだよな。


「よかったな太一、俺と同じクラスで。なんでも女子についての情報ならくれてやるぜ。」


「やめとけ、入学から一か月でクラスの女子全員から反感をかうことになるぞ。」


「まぁ、ほどほどにってことで。」


「とりあえず教室行こうぜ。」


祐介がそう言うから、俺も同じクラスの面子と初顔合わせをするために教室に向かった。


 すると案の定俺にだけほうきが倒れてきたり、廊下曲がるところに水がなみなみと入ったバケツがおいてあったり、もうそんなこと起こるわけねぇだろと言いたくなるようなことばっかり起こった。


おかげでおなじタイミングで教室に向かった祐介はすぐに教室についたのに俺はギリギリだった。

すると祐介は開口一番こんなことを言いやがった。


「クラス発表で人生全部の運つかったんじゃない?」


 勿論さっきのバケツで殴ってやったけどな。

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