第5話 【戦場】という字に対する嫌悪感は正しいものですか?
今回も召使い要素無し
【戦場】
さっきまでダンジョン舐めててほんとすみませんでした。
そこは戦場の層、薄暗かった迷宮の層と違い外と変わらないくらい明るい層で・・・・僕はファンタジー系のRPG的世界観なルルエノには不自然な・・・それこそFPSに出てきそうな廃墟に隠れながら、ビーム攻撃を凌いでいた。
ビーム攻撃をしているのは世紀末系にマンガに出てきそうな、モヒカンの魔物(?)たち。
戦場の層ってそういう意味だったんですか?『丸ごとわかる迷宮ラビリンスの謎』には強力な魔物が多くいるしか書かれてなかったんですけど・・・・。
文句を言っていてもしょうがない、とりあえず現状を確認しよう。
ここ戦場の層はさっきまでの迷路とは違い、単純な長方形の層で廃墟が立ち並んでいる。そして最奥に薄っすらと大きな扉が見える。おそらく知恵の層へと繋がる扉なのだろう。
隣の廃墟を見るとアインもこんなダンジョンは予想外だったらしく、少し動揺していた。
「どうするのアイン?」
「・・・・レイジあの一番近いモヒカンに届く攻撃はあるか?」
ルルエノでもあの髪型はモヒカンなのか。じゃなく例のモヒカンは15mほど離れている。【魔弾】なら届くが、次のモヒカンまでの距離が20mくらいその次が25mとなっていて、距離的に消費魔力が尋常じゃなさそうだ。それにそんな撃っていたら、居場所がばれてこの層のモヒカン全部に追われるだろう。となると・・・・・・。
「届きはしますが撃つのは得策じゃ無いと思いますよ」
「そうか。なら、あのモヒカンを撃て」
「えぇでも・・・・」
「お前の主人兼師匠としての命令だ。やれレイジ」
「はぁどうなってもしれませんよ」
僕は細いビームがモヒカンの心臓を貫くイメージを固めて、【魔弾】を撃った。その数秒後イメージ通り一番近いモヒカンの心臓は貫かれた。
その瞬間アインは走れ出していた。ビームを舞うように華麗に回避するアイン。そんなアインの姿に見入っていると。
「なんしてんだ?レイジ、早く来い」
と急かされた。僕はアインに習ってアインのした回避動作を思い出しながらビームを回避する。2、3発当たったが、あらかじめかけておいた魔法【オートヒーリング】によってすぐに傷は塞がった。
それでアインはというと電撃のような光を剣に纏わせ、モヒカンを斬っては走り、斬っては走り、を繰り返していた。
(・・・・・モヒカンって魔物だよね・・・大丈夫だよね・・・これで人だったら僕は交番に自首します)
僕はゆっくりとアインの殺したモヒカンの死体を見ると・・・モヒカンの死体は消滅していた・・・・・。
(よかった僕・・人殺しじゃない・・・よかった・・・こんなに嬉しいことはない・・・・)
僕が安心していた時だった・・・・・。
「がぁ!」
アインに紅い人型の魔物のビームが直撃した姿を見たのは。
流石というべきか、アインはビームの直撃を食らってが一発だけでは命に別状はないようだ。
しかしあのアインに一撃食らわせることができる魔物がいるとは・・・・。どんな魔物だろう・・・・そこにいたのは紅い軍服に白い仮面そしてモヒカンではなくフッサフサの金髪・・・まるでそれはどこかのロボットアニメに出てきそうな魔物だった。
「わたしは紅い流星この軍団の指揮官だ!」
『キーヤーァァアアアアアア!シャベッタァーーーーーーーー』
僕とアインは同時に叫んだ。
「君達は魔物が喋っただけで叫ぶのか?それは一種の差別でないのか?」
「そうですね。差別はいけませんね」
「えっそれで納得するの?」
「アインは差別はしていいものだと習ったんですか?」
アインは罰が悪そうに「いやそういうわけじゃないんだけど・・・」みたいなことをぶつぶつと言っていたが、とりあえずアインを無視して紅い流星にいった。
「差別はいけませんから、ここを通してください」
「それはダメ」
力強く否定された。
「なんでですか?差別せずに通してくださいよ」
「ならばわたしは差別主義者になる!」
さっきより力強く切り捨てられる。
「ならば僕はこの世から差別をなくすため、レイジ・F・セイエイ武力介入を開始する」
「アホレイジ、バカレイジになってないで敵倒せ!」
アインは大声で叫ぶようにいわれた。モヒカンたちからも「アホレイジィー」やら「バカレイジ」みたいなことをぶつぶつと言っている・・・・・・・よしモヒカンぶっ殺そう。
「あぁそういえばバカレイジ、あの紅い流せ・・・・なんとかかんとかは私が倒すから、雑魚の相手はお願いアホレイジ。主人としての命令ね」
「はいはいわかりましたよ。アイン」
そういってアインが紅い流星に突っ込んでいった瞬間、僕ら二人とモヒカン軍団の乱戦が始まったのだった。
次回も召使い要素なし