第1話 この歪な変人の物語の【起源】はここにある
今回からようやく召使い要素が多少あります。
【起源】
見知らぬ土地に来てしまった僕。
とりあえず僕はこのよくわからない状況から抜け出すヒントがないか、身なりを確認することにした。
トラックにひかれた時と同じいつものくたびれたTシャツにシワだらけのジーパンその上にお気に入りのパーカー、それに僕の持っているのとは少しだけ形の違うスマートフォンと黒塗りのよくわからないカードが一枚、そして身に着けた覚えのない杖を一本背負っていた。
でも僕が杖を背負っていても周囲の人は反応を示さないとなるとここでは杖を持つのは割と普通なのかもしれない。
手がかりのない僕はスマートフォンの位置情報サービスでここがどこなのかを確認することにした。
そしてスマートフォンの電源をつけようと取り出したとき、僕はある異変に気が付いた僕の顔が・・・・違うのである、僕が十数年間見慣れた顔はスマートフォンの真っ黒な画面に映っておらず、スマートフォンの画面に映っていたのは黒髪で童顔に黒色の目、元気そうで明るい顔をした美少年だった。
「・・・・・はぁぁぁああああああああああああああああああああああ」
一時間後ーーーーーーーーー
はぁはぁ叫び叫び疲れた。前向き、前向きポジティブシンキングだ。こんな顔になることを僕はちょっとだけ微粒子単位で望んでいたことにしよう。そうすれば願いも叶って僕パッピー。って思い込んでおこう、うんそうしよう。わいハッピー・・・・・・・・・。
顔が変わったのはもうどうしようも無いので割り切って、とりあえず当初の目的通りスマートフォンの位置情報サービスで現在位置を調べることにした・・・・。
このファンタジーな場所に来て、スマートフォンの形は少し変わったが幸い電源ボタンの位置は変わっていなかった。
「よし起動だ、ポチッとな!!」
会話相手がいないにも関わらず僕はそう呟いてしまった。別に普段から電源をつけるときポチッとな、なんて言ってしまう痛い人じゃないんだからね。またもや誰もいないにも関わらずそんな言い訳をしている自分がどうしようもなく、虚しくなってくる。
一人コント(?)をしている間にいつの間にか茶色の本に赤色の字で冒険の書と書かれたものが表示されていた。多分これがこのスマートフォンのOSのアイコンのなのだろう。これを見る限り、僕が使っていたOSとは違うと断言できる。
そして少し待つとロック画面が表示されていた。パスワードを入力する必要があった場合はこのスマートフォンが使えず完璧に積みだったが幸いこれは錠前のマークを横にタップするだけだったので助かった。
さーて唯一の手がかりは機能するだろうのか?しなかったらコミュ症な僕は誰にもここがどこなのかを聞けずに積み、ゲームオーバーだ。野たれ死ぬしかルートは残っていない。さぁ情報は出るのかと僕は手を少し震わせながらスマートフォンの画面を凝視する。
【デンデンデンデン、デーーーデデデン お気の毒ですが冒険の書は消えてしまいました】
呆然とその一部の人の精神を削る効果音と表示された文字見つめ・・・・・唐突に叫んだ。
「ふざけるなぁぁああああああああああ!!」
周囲にいる人が僕を見て何かこそこそと話し去っていった。別につらくなんかないもんね。
気をとり直して僕は画面をタップしてみると、
【新しい冒険の書を創る】
【電源を切る】
という文字が表示された。よかった情報はまだ回収できそうだ。そう考え僕は迷うことなく【新しい冒険の書を創る】を選択した。
【名前を入力してください】
僕は本名を入れるかどうかを少し迷っていた。こんなファンタジーな場所だからその心配は無いかもしれながスマートフォンに本名を入れるのは少し抵抗がある。顔が変わったのだから同じ名前でいいはずが無いだろう。
というわけで僕は少し本名をもじったレイジと名乗ることする。スマートフォンにレイジと入力する。入力方法がローマ字で助かった。そして次へと書かれた場所を軽く押した。する画面が横に動き、新しい項目が出てきた。
【職業を選択してください】
職業は【ナイト】【マジシャン】【ヒーラー】【アーチャー】【ポリス】【モノノフ】【ソルジャー】【ライダー】【ルーラー】【セイバー】【ランサー】【アサシン】【バーサーカー】【ダンサー】【ハンター】【キャスター】【ガンナー】【サモナー】【ウォッチー】【ランナー】【ファイター】【バウンサー】【ハピネス】etc…….
多い多すぎんだろう職業どんだけあるんだ!!あぁもどれでもいいや適当にポチッ、あっ【ヒーラー】が選ばれた。よしこれでいろいろ調べることできる。
その瞬間スマートフォンからタタタタンというポ◯モンで聞き慣れたレベルアップ音が聞こえた。スマートフォンを見ると【レイジのレベルアップが1上がった。レイジはレベル2になった】という文字が表示されていた。ポケ◯ン一体にふしぎなあめを与えつずけているかのように上がり続けるレベル、ついには最大レベルで一歩手前である、90にまでなってしまった。(最大100レベルまであるようだ)
なにこの全キャラレベルマックス、全イベント、フラグ回収済み、あとは魔王を倒すだけしかやることのないRPGのデータを渡された上でデータを消すなと言われた気分、何かこうむず痒い。
レベルがどのような効果果たすのかは知らないがまぁ高い方がいいのだろう。実際レベルが上がってから体が妙に軽い。ようやく待望のホーム画面だ。画面には【お金】【レイジ】【魔法、スキル】【辞典】【地図】【アイテム】などの様々なアプリケーションが表示されている。
まずは【辞典】でこの場所について知る必要性があるだろう。
数十分後ーーーーーーーーーー
分かったことは、この場所はルルエノと呼ばれる場所で、ここはエルダー王国という町らしい。
ことだけだ・・・ここまで頑張って得た情報がこれだけか・・・この場所についてがよくわからないから検索キーワードが無いのが主な原因だろう。まずいなこのままでは見知らぬ人に話しかけなければならなくなる。それだけ避けねばならん。
いやまぁここが日本でないことが分かったのは収穫だが。
あぁそうだ、メニュー画面で情報が得られないときは、町の外に出るこれはRPGの鉄則では無いか。よしそうと決まれば今すぐ外へ出発だぁー。
レンガで造られた家、漫画でしか見たことの無いような骨つき肉を売る肉やマンドラゴラとかいういかにも危なそうなものを売る八百屋、羽根つきペンが売っている文房具屋など、僕には見慣れないものが多く外が苦手な僕でも楽しみながら歩くことができた。
町の端には2~3m前後の塀があった。飛び越えることは頑張ればできそうだが、塀があるということはそれに沿って歩いていけば門があるだろうと思い僕は塀に沿って歩いた。
少し歩いたらやはり門があったよしよしあれを越えて探検を始めよう。僕が意気揚々と門を潜ろうとした時
「おい止まれ!なに門番である俺を無視している!」
門番の男によって止められた。特に後ろめたいことも無いのに久しぶりに人に話しかけられたことで驚いて背筋を伸ばしてしまった。その姿を見てに門番に男に怪しまれてしまれた。
「お前この門をくぐりこの町を出たければ、お前の冒険の書を出してみろ!!」
冒険の書?どこかで聞いたことがある気がするが、そんなもの僕は持ってない=町から出られない・・・積んだぁああああ、えっ僕の冒険なんでこんなに難易度高いの・・・・慌てた僕はポケットの中からスマートフォンを落としてしまった。
すると僕の落としたスマートフォンを拾い上げ、どこか残念そうにそうしていった。
「なんだお前冒険の書持ってるじゃないか・・・」
これ冒険の書ってOSの名前じゃなくて、このスマートフォンの名前なのか・・・・・・まぁ先に進めたからいいけど。キィィィィと音を立てて開く、木製の門を越えたさきは・・・・・・。
日本では考えられない、アニメみたいな草原だった。そうアニメみたいな・・・・魔物のいるねぇ!というかレベル90でも攻撃手段なんて知らないし、こっちは【ヒーラー】だぞ数分前の僕よ。魔物に勝てるわけ無いだろ・・・・。
いや待てよよく考えれば、わざわざ戦う必要はない。僕はできるだけ魔物を避けながら歩いていた。そう避けて歩いていたんだ・・・・なのになんで、なんで・・・・・・・。
「こんなにたくさんの魔物に追われているんだぁぁぁぁああああああ!?」
辺りを見るとさっきまでの草原はなく、見知らぬ森にまで来ていた。来た道もわからないから町の方に戻ることもできない・・・・あぁまた積んだ。よく詰むななぁ僕の冒険・・・・・前を見ると前に小さな小屋がある。
あそこに迷惑はかけられない僕が無理矢理方向転換しようとした時ーーーガチャりと小屋の扉が開いた。僕が「待って」と言おうとしたがもう遅い。ごめんなさいと小屋の家主に心の中で謝罪した。
その時扉から出てきた人が剣を振ると突風が起こり、僕を追いかけていた魔物がすべての消滅した。
「五月蝿い」
その姿・・・夜空を思わせる黒色を雪のような純白で薄めたような灰色の髪と万物を恨んでいるような暗さと子供のような明るい純粋さを混ぜた瞳、右手に包帯を巻いた美少女。
「助けていただいてありがとうございました。このご恩を返すためならなんでもします」
冗談半分で言った。
「なんでもするといったな、なら私の呪いを解くための旅に同行して貰おう」
思えばこのとき真の意味で、僕たち歪な変人の物語が動き出していたのだった。そしてこの台詞に隠された彼女の真意に僕が気がつくのは物語が佳境に入ってからであった。
「ええぇぇぇぇぇええええええええええええええええええ!?」
しかしそんなことを知るよしもない僕は普通に予想外の台詞に驚いた、ルルエノに来てから驚いてばかりだ。そうして僕が返答に困っていると目の前の美少女はさらに「ほらなんでもするんだろう」なんて言ってきている。確かになんでもするとは言ったけど、けどさ・・・・・。
「せめて戦い方を教えてくださいぃぃいいいいいいいいいいいって呪い?」
叫んでから彼女の台詞を思い返して気になった部分について聞いてみる。ルルエノにはそ呪いなるものがあるのかと。
「忙しい奴だなお前、そうだ呪いだ。見せてやるが同情はするなよ」
そう言って、彼女は言動にとはまるで違う子供のような笑みを浮かべると右腕に巻いてある包帯を取り外していた。すべての包帯が取り外された右腕には闇のような黒と毒のような紫を混ぜた色で描かれた樹と悪魔のような模様。
その腕を見て僕は言葉が出なかった。いやかけるべき言葉があるはずなのにその言葉が出てこなかった。彼女の「同情はするなよ」という台詞を思い出し。僕は今は当たり障りのないことを聞いて逃げることにした。
「具体的にその呪いはどのような効果があるんですか?」
彼女は包帯を巻き直しながら返してきた。
「アホそうなお前にもわかるように単純に言うと理性を蝕まれ凶暴になり、この腕の刻印が身体全体に回るともう取り返しがつかなくなるらしい。・・・それがこの呪いの効果だな」
自分がそんな危険呪いにかかっているのにも関わらずどこか他人事のように言ってる彼女に対して勝手な憤りを感じる。しかしそれを表情に出してもしょうがないので僕は別の質問でまたもや自分から逃げる。
「で、その呪いを解く旅に僕がいる必要があるのでしょうか?」
「大ありだよ。この呪いは対象が負の感情を感じると進行する、つまりお前には快適な旅で私の呪いを進行させないようにする召使役だ。どうだこれ以上に ないほど重要な意味があるだろう」
僕が酷使されるのは確定ですかそうですか・・・・・・もうこれはなんでもしますと言ってしまった時点で詰んでいたのだろう。しかしこのルルエノに詳しそうな彼女なら色々と情報を得ることができるかもしれない。
「分かりましたやりますよ。あなたに快適な旅を与えるためこの召使、全力で頑張らせていただきます。その代わりと言ってはなんですがこのルルエノについてや戦い方についた教えてください」
彼女は愉快そうに笑うと「私が師匠?そりゃ傑作だ。いいだろう今から私がお前の師匠だ」と言ってくれた。情報やお金の稼ぎ方そして戦い方がわからない現状ではとてもありがたかった。
「でいつから旅に出るんですか?」
まずはそれ聞かなければ予定が立てれないから聞いておくべきだろう。
「今日だ」
師匠はこれ以上ないほど淡々といった。
「早やっ!」
そんな僕の反応を子供みたいにケタケタと笑い、「冗談だよ、だが今日出発するのは事実だ。なんせ旅となるとまとまった金が必要だ。けどお前そんなに金持ってないだろう?だから今から近くのダンジョンへ行き、旅の軍資金を稼ぐいいな?」
ちゃんと考えていたなんて・・・そんな態度見せられたら「分かりましたすぐに準備します」って言ってしまうだろ。はっ気がついたら本当に言っていた。
「準備の必要はない」
「もしかして用意いてくれているんですか?」
「あぁそうだもちろん用意している。私一人分な」
期待に満ちた僕の質問は師匠の一言に打ち消されてしまった。
「師匠って人はぁぁぁぁぁああああああああああああああ」
僕の怒気を含んだ叫びに師匠は「師匠とは私のことか?」なんて言うずれた質問で返された。いま何を言っても無駄だと判断し僕は彼女の質問に答えることにした。
「そうです。あなた以外に誰がいるんです?」
「アイン、私の名前はアインだ。師匠と呼ばずにこの名前で呼ぶようにそれとお前の名前は?」
そういえば名前名乗り忘れていたし、聞き忘れていたなと思い、僕は答える。
「僕はレイジです。アインさん」
「さん付けもいらん。同年代の人間にそういう態度を取られるのはなんか嫌だから、そう呼べ。これは師匠として、そして主人としての最初の命令だ」
う~んレイジって呼ばれのはなれないなぁ、自分で決めた名前だけど。まぁいいや。
「話を戻しますけど、僕ここから近い町の場所も知りませんし、お金も持ってませんよ」
僕の言葉に師匠・・・・アインは悪態をついてから、「あぁそうだ」といって小屋の方へ戻っていた。しばらくすると彼女が「おーい」と小屋の方から僕を呼ぶ声がしたので「お邪魔します」といって中に入った。
小屋の中はとても簡素で、アインは僕の膝下くらいある大きな正方形の木箱の上に乗っていた。木箱には大きくバーコードのようなものが描いてあった。必要なのかなアレ?
「この箱の中に昔一緒に旅したやつが使ってた旅の道具がある。少し古いがこれを使え」
「えっこの箱を持って旅にするんですか?」
この大きさの木箱を持って冒険するのは現実的に考えて難しいだろう。どうやって持って行くか考えていた僕にアインは不思議そうに聞いてきた。
「お前冒険の書持ってないのか?」
僕はなぜここで冒険の書が出てくるのかがわからず、首をかしげていたがとりあえず僕の冒険の書をアインに見せてみた。
「お前冒険の書をもってるのに使い方は知らないのか?そこから教えなきゃだめなのかこれは時間がかかりそうだな・・・・・」
とあきれたようにどこか遠くを見つめるアイン。なにかあったのだろうか?
「アインさんの冒険の書講座、わーパチパチ」
無表情のままそのテンションが高そうな台詞は違和感たっぷりだった。しかしアインはそんな僕を無視して自分の冒険の書を取り出し、僕にも見えるように持った。
「まず最初に【アイテム】タップ」
アインは自分の冒険の書をタップしながら説明していた。しょうがないので僕も【アイテム】のアイコンをタップした。すると僕が現在所持している物の一覧が出てきた。
アイテム
・お気に入りのパーカー 装備中
・くたくたのTシャツ 装備中
・シワだらけジーパン 装備中
・ただの杖 装備中
・謎のカード
・冒険の書
【+新しくアイテムを追加】
意外と僕の装備ザコい。
「次に【+新しくアイテムを追加】と選択、するとカメラモードになるから」
「カメラモードおぉおおおおおお!!このファンタジーみたいなルルエノで!」
しかしアインは「それがどうした」みたいなドライな反応だ。なんか納得できない。
「進めていいか?」
「あっどうぞ」
「カメラモードでこの木箱のバーコードを読み取る」
「ファンタジーは!?」
このルルエノはファンタジーじゃなかったの?意外と文明進んでるの?これやっぱりバーコードなの?
「おい早くしろよ」
面倒くさそうにせかしてくるアインに僕は「・・・・・・はい」と従うことしかできない。
意を決してバーコードをとってみる僕、するとーーーー録られた木箱は光となって消え冒険の書に吸い込まれていった。ファなにこれファンタジーってなめてごめんなさい。
そして【アイテム】を再確認するといろいろ増えていた。
「アイン、これどうやって取り出すの?」
「簡単取り出したいもののアイテム名と押すだけだ」
追加されたアイテムを見たときマジックカードというアイテムがなんなのかよくわからなかったので言われた通りの手順で取り出してみることにした。
取り出されたものはポーチだった。ポーチを開けると数十枚のカードが入っていたので一枚取り出してみた。カードの表にはWaterと水を意識したであろうイラスト、裏にはゲームやアニメで見るような魔方陣が描いてあった。
「これ何ですか?」
僕はマジックカードをアインに見えるようにもって聞いた。
「それはマジックカードって言って、職業的に使えない魔法でも魔力さえ入れれば使えるようにする魔道具なんだけど、戦闘ではカード程度じゃ戦闘で使うレベルの魔法は使えないだ」
ふむ、ルルエノでは生活に魔道具を使うにだろうか?ん?魔法?そういえば僕の職業って【ヒーラー】つまり回復役だ。RPGで回復役って、魔法使えるんじゃ・・・・・。
「アンリもしかして【ヒーラー】って魔法使える?」
「なに当たり前のこと聞いてるんだ?もしかして本格的に頭が可哀想な人ですか?」
すっごいバカにされた。僕、ルルエノに来たばかりですよ。せめてもの慈悲をください。
「魔法の覚え方を教えてください」
「お前マジか・・・・・・・・」
さっきの木箱を見たときの反応の数倍呆れた顔をする、アイン。
「魔法の覚え方はそこらにいる子供でも知ってるぞ、それも知らんなんて・・・・・お前もしかして記憶喪失か何かか?」
記憶喪失か、元の世界のときの記憶はあるが僕がなぜここルルエノにいるかはわからない。もしかしたらルルエノにくる経緯だけを忘れているかも、でそこだけピンポイントで忘れるなんてあるか?
「記憶喪失かどうかは分かりませんが、とりあえず魔法の覚え方と使い方を教えてくださいよ」
「案外図々しいな、お前」
「お褒めいただき光栄です」
「褒めてねぇよ」
なんでそんなに怒っているんですか?と言ったらなんか師弟関係と主従関係が音を立て壊れそうなので言わずに、本題に戻す。
「それで教えてくださいよ、魔法の覚え方と使い方」
「教えないと折れないタイプだなお前・・・・・まぁいい魔法を覚えるのも基本はさっきの【アイテム】と同じだ。【魔法、スキル】をタップすると今自分が習得可能な魔法、スキルが一覧表になって表示されるから、そこから選べばいい。最初に1つ習得できてその後は10レベルに1つ習得できる」
【魔法、スキル】で見た【ヒーラー】の習得可能魔法は、やはり回復系の魔法や味方のステータスアップの魔法が多かった。
「アイン職業を変更すること出るの?」
正直【ヒーラー】よりももっと前線に出るやつの方が僕が好きだから、変更可能かどうかだけ確認しておくことにした。
「例外を除けば基本的に不可能だ」
うわぁ変更不可かぁ。職業の選択はもう少しちゃんと考えるべきだった。もう後悔しても遅いから、とりあえず魔法を習得することにしよう、そうしよう。
待てよ僕、魔法がなんのか知らなくない?なんとなくアニメやゲームのイメージで考えていたけど、ファンタジーっぽいのにカメラがあったりするルルエノで先入観に囚われるのは得策ではないかもしれない。
「というわけで魔法について教えて下さい」
「どういうわけだ!!お前魔法すら知らんのか!?」
「なんとなくは分かりますよ。けどそのイメージがあってるのかの確認がしたいんです」
なんでアイン怒ってるんだろう?よくわからない人だな、アイン。
「じゃあお前のイメージを言ってみろよ」
自分でイメージと言ったが、僕の魔法に対するイメージが割とふわふわしているのでどう言葉にしようか迷ったが結局「魔力を使って色々できるものの事、上級魔法になればなるほど強くなる」みたいな感じで説明した。
「まぁだいたいそれで合ってるんだが一つだけ違うところがある」
そんな風に言われたら気になるのが人のサガということで「その一つとはなんですか」と尋ねた。
「それは簡単、上級魔法なんてない」
「ないんですか?」
「あぁそんなものはない」
上級魔法がないのか。つまりこのルルエノにはベホ◯ズンはなく、ホイ◯しかないと思えばいいのかな。となると魔法の上限は低いのだろうか?困ったことがあればグー◯グ先生ではなくアイン先生に聞いてみよう。
「じゃあ人が使える魔法には成長がないんですか?」
「そうじゃない、ルルエノの魔法には熟練度がある。まぁスキルにもあるんだが」
「熟練度ですか?」
「あぁそうだ。最初は弱くとも熟練度が高くなると強力な魔法になる。これがルルエノにおける魔法やスキルの成長だ」
なるほどこの世界ではメ◯を覚え、熟練度を上げればメラ◯ーマになるってことか・・・・。けれど熟練度はどのようにあげるのだろうか?いつも通りアインに聞いてみようとした時ーーーーー
「熟練度ならレベルアップの時増えてる熟練度ポイントがあるから、それを振り分ければ熟練度が上がるぞ」
先回りして答えられていた。
「えっなんで僕が聞きたかったことがわかったの?」
「逆になんで分からないと思ったのか?」
もういいもん、魔法、習得に集中してアインに構ってあげないんだからね。そう思って、魔法一覧に目を落とすと、習得した覚えが無いのにいくつか魔法を習得していた。
「アイン、アイン習得した覚えの無い魔法を習得していたんだけど?」
「あぁ【魔刃】【魔弾】【魔壁】の三つだろ魔法職なら自動で習得する魔法だから気にしないでいい」
もう一つ勝手に覚えていた、魔法があったけどまぁいいや。【魔刃】【魔弾】【魔壁】ってどんな魔法なのかな?解説を読んでみよう。
えっと【魔刃】は魔力を使って刃を造る魔法。刃の発生場所は持っている杖の先端に発生するらしい。刃の形は変幻自在が売り文句。
次に【魔弾】は魔力を使って弾を発射したり、ビームを出す魔法。こっちの弾の初期発生場所は自分から半径1m以内ならどこにも発生できるのか。ビームの形も変幻自在が売り文句。
最後に【魔壁】は魔力を使って盾を創る魔法でチャージ時間をかけるほど盾の耐久力が上がる。発生する場所は半径3m以内ならどこでも発生できるらしい。壁の形も変幻自在が売り文句。
割とこれらの魔法だけでも戦っていけそうだ。でも慢心はいけないとどこかで聞いたのでちゃんと魔法を習得しようと思う。
さーてどんな魔法を習得しようかな?とりあえず普通の回復魔法である【ヒール】は習得しといて困ることは無いだろう、というわけで【ヒール】を習得!これで僕も立派な【ヒーラー】だ。
そのあと僕は残り9の魔法枠のうち、4つの魔法を習得したので、僕はアインに「これで冒険にいけますね」言ったらアインは「今日はもう遅いから明日出発するぞ」と返された。僕のせいで行けなかったから少しだけ申し訳なかった。
小屋で寝ようとしたらアインに追い出されたので、僕は冒険の書からボロボロの寝袋取り出し、小屋の外で寝た。
夜空を見たら家から見ることのできない星々が輝いていた。重くなった瞼を閉じて考えた。
(元の生活に戻りたいかを・・・アインとの会話は楽しいし、ルルエノはとても興味深い・・・まぁ今は考えないでいいや戻れるかもわからないし・・・・・とりあえずここルルエノでアインの弟子兼召使として僕は生きていこう・・・)
そこまで考え僕は眠った。
召使い要素が本当に多少ですみませんでした。