第12話 休みを求めて【緊急】連絡網からのメールを待った日々
カトル君はレイジのこと召使い扱いしています。
【緊急】
カトルの見つけた隠し扉の中は螺旋階段になっていた。これも『丸ごとわかる迷宮ラビリンスの謎』には載っていなかったが、よく考えれば隠しされていたなら載っていなくても当たり前かもしれない。
「この螺旋階段長いですね」
僕は素直な感想を口にした。かれこれ20分くらいずっと螺旋階段を下っている、さすがにこれはアインも面倒くさそうにしていた。まぁ一番下も見えないとなるとやる気がなくなるには是非もないよね。
・・・・・・みんなこれまで戦闘で疲れているのと螺旋階段をずっと下っているので、みんな無言だった。普段は無言ってなんとなく嫌だけど今はもうそんなことを気にしていることができないほど・・・・・・退屈なのである。
螺旋階段って最初の方は物珍しくて、それをネタに喋っていたけれどこの螺旋階段風景が一切変わらないでなおかつ魔物も出てこないので喋るネタがないのである。
そしてそんな場所に暇を潰せるものはほとんどないので無言で黙々と螺旋階段を下っていくしかないのである。
さらに20分後
「ようやく着いたな」
40分くらいずっと螺旋階段を下って行くって新手の拷問かもしれない? まぁそんなことより螺旋階段を下った先のどんな感じになっているのかな?
螺旋階段の先は戦場の層のような大きな長方形の部屋で端が見えないから結構広そうだ。しかし戦場の層と違って暗い印象を各所から感じる。床は巨大な正方形のタイルにステンドグラスのようなさまざま色で抽象的な絵が描かれている、壁は赤紫色と濃い灰色のミスマッチなグラデーションが不気味さを引き立てている。さらには宙をふわりと舞う人魂のような小さく光の塊だけが光源であるせいか見た目だけでなく実際に暗い。
そんな今までよりもいっそう非現実的で不気味な場所に僕が少しだけ見とれているとカトルが僕やアインの前に立った。
「ありがとう、あなたたちのおかげで私の目的が一つ達成することができた」
「目的?」
カトルがこのダンジョン攻略に目的があるなんて知らなかった僕は目的について聞いてみる。
「あぁ私の目的はあの愚かなる息子を殺すことが目的でして」
愚かなる息子? このダンジョン攻略にカトルの息子のような人間はいなかった気がするが・・・・・・もしかしてモヒカンたちの中の一人?。
「けれどまだもう一つの目的が達成できてない・・・・・・そっちの方の目的も協力してくれませんか? アイン嬢」
カトルのアインの呼び方が急にアイン嬢に変わった。それどころか雰囲気まで変わった気がする。
「断る。どうせ、わたしを魔王のところまで連れて行くことだろう?」
アインを魔王のところに連れて行く? なぜアインを魔王のところまで? というかカトルと魔王はつながっている? 様々な疑問が急に生まれていくがそれに納得できる回答を想像することができない・・・・・・。
「おや、ご存じでしたか・・・・・・話は早いですね、アイン嬢いや、今代の勇者アイン・デウス様とお呼びしたようがよろしかもしれませんがいまはどうでもいいでしょう。私と一緒に来てくれませんか?」
アインが今代の勇者? 唯一魔王討伐から生還したあの?
「それもさっきので断ったつもりだったのだが・・・・・・大丈夫か?」
アインはこの事態になることは何となく察していたようだった。僕はおいていかれたけど・・・・・・。
「ならば力ずくでも連れて行くのみだ!」
またカトルの雰囲気が変わった。
「無理だな、おまえ程度の実力じゃ私はさらうことはできない」
「それは早計というものだよ、勇者」
といってカトルは冒険の書からマジックカードを取り出した。そのマジックカードは僕が今まで見てきたマジックカードとは違う気がした。僕は情報になるかもとよくよくカトルの持つマジックカードを観察した。
「4・・・・・・皇・・・・帝?」
マジックカードは大アルカナの4番、皇帝だった。
「召使いのくせにレイジは目がいいな。そうだこのカードは皇帝・・・・・・王たるこの私にふさわしい」
そのとき僕は学校の図書館で軽く読んだだけのギリシャ神話の知識がつながった気がした。
「王・・・・・・ラビリンス・・・・・・息子・・ミノタウロス・・・・・・そうかおまえはミノタウロスの父ミノス王?」
その一言を聞いたとき今まで余裕そうな表情をしていたカトルは頬を引きつらせたがすぐに余裕そうな表情に戻ってこういった。
「そうだ! 私はミノス王カトルなんて名前ではない・・・・・・さぁ勇者とその召使いよもっと私を楽しませろ!! 私の名は魔王が眷属、4の使徒ミノス王なり」
そう言ってカトル・・・・・・いやミノス王は持っていた皇帝のマジックカードを地に宙に掲げた。するとカードは光となり、その光は複雑そうな魔方陣を描く。魔方陣はミノス王を頭上に来ると効果を始める、完全に魔方陣がミノス王を通り抜けると、ミノス王は光輝きやがて光が収まると悪魔のような生物に変形した。
「グオォォォォォオオオオオオオオオオオオオオ!!」
と雄叫びをあげるとミノス王は足踏みをする。するとその瞬間ラビリンスから機械のような無機質な声が響き渡った。
【迷宮ラビリンス最終防衛装置起動しました】
その次にさっきとは別の機会のような無機質な声がアインの冒険の書からした。
【緊急任務発生! 迷宮ラビリンスにて魔王の眷属の反応を確認、すべての冒険者は直ちに迎撃してください】
【任務終了条件は魔王の眷属の迎撃または撃破、及び迷宮ラビリンス最終防衛装置の破壊です】
その声に合わせるように僕らとミノス王の戦いは始まった。
考えなしに召使いとかいう本編に関係ない要素をタイトルに入れた人がいるらしい。




