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無口なお父さん。

作者: ジョセフ武園

私のお父さんは無口だ。


どれほどに、無口かと言うと。


私は、お父さんの声を聞いた事が無い。


私が赤ちゃんの頃には、喋ってくれていたとお母さんから聞いたけど


2つ下の妹が産まれた頃には、無口になっていたそうだ。


「お父さん。」幼い私と、妹が呼び掛けると。


お父さんは、嬉しそうにこちらへ微笑む。


小学校の頃。


友達を初めて家に連れてきた時も、嬉しそうに微笑んでいた。


中学校の時。


お母さんとつまらない事で、喧嘩した時は、困ったように微笑んでいた。


高校生の時。


初めて、彼氏を家に連れてきた時は、複雑そうに、眉間に皺を寄せながら、笑っていた。


大学生。


家を出て、初めての一人暮らし。寂しそうに、お父さんは微笑んでいた。


そして、今日。


お父さん。私、あの人のお嫁さんになるよ。


だからね、お父さん。


今日くらいは


「綺麗になったね。」


って、言ってくれる?


披露宴。


お母さんも、妹も、出席してくれた人達の対応で、忙しそう。


私は、そっとお父さんを見つめる。


ねぇ?お父さん。今日の私はどうですか?


お父さんは


とても嬉しそうに


昔と変わらない笑顔を


写真の中で浮かべていた。


ちぇ。


こんな日くらいなら。


お父さんが喋っても


誰も驚かないと思うのにな…………


私のお父さんは


とっても優しそうに笑う


とっても無口なお父さんだ。









しばらくして、私に赤ちゃんが出来ました。


家族みんなで、お正月に、お家に帰るね。


「ただいま、お父さん。」


お父さんは


とても嬉しそうに


笑っていた。




はい、書いていて、なんか、デジャブを感じたんで、トヨタさんのCMで見た様な気がしたんで

確認しましたけど、どうやら、僕の気のせいのようでした。

あ、もしかしたら、僕の予知夢だったのかもしれません。

因みに、僕の愛車はヴィッツくんです。トヨタさん(ちらっちらっ)



さて、冗談はこのへんで

このお話のモデルは、実在している方です。

というか、私の義姉です。

兄貴の嫁さんです。


兄貴の嫁さんに感情移入するのは、正直いいんかどうか、知らんけど

書きたかったので書きました。

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