表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

「使えない」にも色々なパターンがあるみたいです。

どうも、初めまして

稚拙な文章で暇つぶしを繰り広げます


この世界ではどんな人間も、1人につき1つだけ特殊な才能を持っている。それは魔法や超能力のようなもので、この世界ではそれを〈アビリティ〉と呼んでいる。簡単に言えばその人だけの凄い特技といったところだ。近くにある水を自由に扱えるとか、風を操るだとか、そういったものだ。人々は固有のアビリティをつかって、魔物の討伐をするハンターや、治療を行う医者、料理人や建設等様々なことをして生活をしている。アビリティはそのまま個人の才能であり、それを活かして仕事をして生活していくのがこの世界での一般常識となっている。


どんな人間であっても必ずアビリティを持って生まれてくるが、発現には個人差があり10歳から20歳の間で発現する。


「アビリティ診断の結果が届いたけどさ・・・」


その結果を見て震える、そして少年は叫ぶ


「こんなもん・・・」


アビリティ診断結果

・アビリティ名

メテオバーン

・アビリティ詳細

隕石を落とす


「使えるわけないじゃん!!!」


アビリティが攻撃的な能力の場合、大体の人間はそれを使いフィールドと呼ばれる街の外に出現する魔物を討伐することで賞金を得る、賞金稼ぎ「ハンター」となることが多い。それを、悪用し強盗や犯罪を犯す者たちもこの賞金稼ぎの対象になる。

このユノラン・コール、ユノと呼ばれる少年も攻撃的アビリティを発現させた。アビリティの診断が下されたら、診断書とともにアビリティカードと呼ばれる物が届く。これは、クレジットカードの機能が付いた身分証明書のような物で、職業や経歴また、その者のアビリティが表示される。そして、そのアビリティの強度、凡庸性などによってランク付けされ、ランクに応じた支援金がクレジットカードの中に入れられた状態で手元に届く。つまり、仕事を始める軍資金のような物だ。


氏名 ユノラン・コール

アビリティ名 メテオバーン

ランク S

職業 不定

口座残高 60,000,000G


といった具合に記されており、このカードをある機械にかざすと、さらに詳細な情報も出てくる。もちろん口座残高は自分にしか見えない仕様らしいが。


「ランクSの支援金てこんなもらえるんだ、もう何もせずに暮らせそうではあるけど、それはまずいしな・・・」


金額を簡単に説明すると、100万Gあれば4LDK2階建の家が建つといったところか、5000Gあれば、一月普通の生活を行って余るくらいと考えてもらえればいいだろう。


「さて、と・・・隕石っていう説明がザックリしすぎててわかんないけど、とりあえず一回使ってみないことにはどうしようもない、とはいってもいきなり1発目で大陸を吹っ飛ばすくらいの降ってきたら困るし」


少年は悩む。


「どーしようもなくね〜?」


少年は諦めた。


と、いうわけではなく山か、海に一回落としてみることにした。最大限まで、力を弱めて、ギリギリまで集中して・・・


「・・・メテオバーン」


できる限り小声で言った。


指定した場所は目の前にある山の一つ、空から疾る一条の光。瞬間目の前にあった山の一つが半分程吹き飛び視界がとても開けた。


「あ、これだめだ」


メテオバーン

特徴 超高威力

最低限の威力で小さな山が半分くらいなくなる


「本当使えない・・・Sランクで使えないってどういうことさ・・・戦争が起こってこんなの中々使えないよ」


「さて、あの山に関しては火山でもなければ隠れた民族とかもいないらしいし、魔物がすごくいるところだからなくなって怒られることはないけど、僕の能力がこんなんだって知られたら絶対何かに利用されるよな〜」


「尊師の兵法だと・・・三十六計逃げるに如かず、かな」


少年は逃げ出した。



自宅にて


「困ったなぁ、強度SSくらいだけど、凡庸性測定不能だからSになったんじゃないのこれ〜」


ユノの自宅は王都から少し西に離れた街にある。この世界には大陸が6つあり、それぞれの大陸の地区ごとに王が存在する。ユノのいる場所はクレール大陸のサンバーツ地区、王都サンバーツの支配下にある、小さな街コレクルだ。この地区は基本的に平和主義であり、王都の支配下とは言うがサンバーツ王は民に対して何かを強いることはしない。魔物の被害に対しての、ハンターの派遣や、経済、医療など様々なことに参加する一方、民の自主性を消すことをしない。戦争を隣国同士で行うような地区もあるがここは、かなりの平和主義地区だ。


「家に帰ってきたけど、どうしようかな・・・別に暫く何もせずにいて、その辺のお店でバイトとかでもいいけど・・・」


この世界において、働くということは生まれつき保証されているといっても過言ではない。アビリティが発現しない人間は完全に存在しないからだ。1人につき1つ、その者しか持たないスキルなら何かしらの仕事を見つけることはほぼ確実に可能だからだ。つまり、働かないことは、決して罪ではないが、働いていない人間はかなり、不思議な目でみられることになる。一人暮らしで、貴族の親がいるわけではないユノなら働かないことはなおさらおかしい。


「いいや・・・とりあえずハンターの称号だけもらいにいっとこうかな」


ハンターの称号をもらうとは?ギルドにてアビリティカードにハンターと刻みつけてもらうことである。つまり、ギルドに行き申請をすることでハンターの称号を得ることができ、称号を持っている限りどんな魔物を討伐しても、多かれ少なかれ報酬が入るようになっている。アビリティカードには空きの容量が用意されており、そこに職業に応じた機能をつけることもできる。これもギルドでないと行うことはできないのだが、例えば、確実に増設しなければいけない機能の一つとしては、ハンターレコーダーという機能で、討伐した魔物の名前と討伐数が記録されていく。それは1日、1週間、1ヶ月、1年と分けられており、非常に見やすく便利な機能であると同時に、これを提出することで討伐の証明となり自らのアビリティカードの口座に即時振り込まれるという機能だ。


ユノは分類的には攻撃的アビリティであり、ハンターの称号をもらうことは容易い。基本的に攻撃的アビリティの人間には、ほぼ無条件でハンターの称号は与えられる。


ギルドは基本的に王都にしかなく、ユノは1度コレクルに戻ってきているため、また翌日馬車の定期便を利用して王都に行き、ギルドで受付を済ませなければならない。


「んー、まぁそんな遠くないし今から歩いて出ようかな」


ユノの街から馬車で20分程、徒歩で1時間ほどの距離である王都は馬車を使わずとも充分にたどり着ける範囲にある。


「問題としては、魔物かぁ」


魔物にはアビリティと鍛え上げられた肉体と、武器防具を用いて戦闘を行うというのが基本だ。しかし、アビリティの力が強大すぎて簡単に使うことはできない上に、ユノは特に体を鍛えているわけではない。


「やめた、明日でいいやご飯とか買いに行ってこよ〜」


そして、外出。街で今晩の食事を買い出しに行く。ユノの食事は基本的に1日に1回、簡単なものを作るか、買うかして済ませている。金銭的にこまっていたわけではないが、無駄使いはしたくないということと、貯金をしておくにこしたことはなかったからだ。

野菜と肉を購入し家に帰り手早くカレーを作って食べる。早く寝て明日は王都へと向かう。


ユノの一人暮らしの理由は、両親がすでにいないからである。魔物に襲われどちらもユノが幼い頃に他界している。幸いなことにしばらく生活するのに、十分な金があったことと、この街では隣人同士の付き合いが濃かった。そのおかげでユノはこれまで生きてくることができたのだ。ユノはハンターになることができたら、自分は魔物に対してどんな感情を抱くのかと、考えていた。今は余りに強大な力を持ってしまったせいでそのことは思考の外へと追いやられているが、実質魔物が目の前に現れた時にはどうなるかはわからない。



翌日、ユノは起きてすぐ身支度を整え家を出た。

馬車を利用し王都へと向かう。今まで、利用していた家の金庫から金を自分のカードに入れておいたので、特に家に戻る理由もなくなり、王都で暮らしてもいいかもしれないと考えながら、馬車に揺られていた。


「あ、でも、カイリさんにはお礼を言っておかなきゃいけないな・・・」


空き家を無償で提供してくれた隣人には感謝の念を忘れない。出て行く前に一言挨拶をしてからにしようと決めた。


「こんにちは。本日はどのようなご用件でございましょうか?」

入り口でスーツのようなものを着た男性が案内をしてくれる。

「アビリティの診断が届いたので、称号をカードに刻んでもらおうかと思い、訪ねてきました」


王都につき、中心にある王城を見上げながら歩いているとすぐにギルドにつき、中に入ると非常に丁寧に案内をしてくれた。


「それは、おめでとうございました。将来がたのしみでございます。それではこちらへご案内しましょう。」


まずは、ここから始まる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ