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首を傾げた

1月8日一言付け加えました。なぜ、こんなにも大切な事を忘れていたのだろう。今後にも関わってきます。すみませんorz

 私が階段を降りていい匂いがする多分食卓があるであろう部屋へ移動するともうテーブルについていたお兄様が私に声をかけて下さった。


「やぁ、改めておはよ……う!?どうしたんだい、その髪型。」


 私がお兄様に促されるまま席につき、その顔を見ると美しいアメジスト色した目が見開いており、呆然としていた。

 この顔、さっきの三宅さんとまんま同じだなぁ。


「おはようございます、お兄様。この髪型は、高校生になるので私なりに変えてみたのですわ。……、もしかして、この髪型は校則違反になるのでしょうか?」


 三宅さんに言ったような理由を述べていて、もしかしたらカチューシャとか校則に引っかかっているのでは無いかと思った。


「優理絵が、自分で……?いや、校則は大丈夫だが、……うん。」


 もしや、自分を美化評価しすぎて似合ってないとか?この優理絵の身体に限ってそんな事は無いとは思うが、このゲームの世界では優理絵はブチャイクの部類に入っていて、その顔をおでこごとさらけ出してるから引いてるとか?やばい、調子のり過ぎたか!?

 だから今後そんな事が無いように聞いとこう。


「あの……、似合わない……ですか?私なんかがこんな、髪型……。」


 少し顔が俯いてしまって上目遣いになってしまったが、この目つきのせいで睨まれてると思われなければいいのだけど。自分の自意識過剰が恥ずかしくて、目に汗が浮かんできたぞ。あれれ?



 ガタンッ!!



「……っ、お前なぁ!!」


「……へ?」


 突然斜め隣から凄い音がしたのでビビった。お兄様以外にも人がいたんた。全く気づかなかったよ。

 物音の原因の方へ首だけそちらへ向けると、真っ赤な顔をして此方を睨めつけている男がいた。




 ん?見た事あるぞ、この顔。しかもこの怒鳴り声も。……?


 小首を傾げて、お兄様にむけていた瞳のままどこかで見た事がある人を見つめる。


「そうやっていつもいつもっ……!!」


『なんでお前はそうやって俺達の邪魔をするんだ!』


 ああ。今分かった。『彼反』の攻略対象の一人の『一宮 清水』だ。その指を指しながら声を荒げる姿が悪役令嬢(つまり優理絵)からいじめられたヒロインを庇う時のセリフが聞こえて来る様に重なった。そういえば優理絵に出会うといつもいつもこんな風に怒鳴っていたな。因みに優理絵とは親が決めた婚約者同士である。


「そんな顔するな!まだ俺と彰兄だけだからいいものの!!……外では禁止だからなっ!!」


 どんな顔だろう?と思い、さっきとは逆の方向に首を傾げる。


「その顔だっ!!」


 あら、また指を指されたわ。

 分からないから首を傾げて何が悪いのかしら。


「まぁまぁ。キヨは取り敢えず落ち着いて。……優理絵はとっても可愛いよ。でも、その顔は可愛過ぎる位だから外ではだめだね。」


「……?なんで?」


 可愛過ぎたら何故悪いのだろうか。むしろいい事づくしだと思うのだが。


「僕とキヨ以外の悪い虫が付きかねないからね。」


 悪い虫……。ッハ!!そうか、可愛い顔して周りに取り入るなって事か!!うんうん、そうに違いない。そういえばゲームの中でも清水様が優理絵に向かって『お前は可愛い顔して平気で嘘つくんだな。』とか言ってたっけ。ふむ、となるとお兄様と清水様は私に学園で好き勝手出来ないように牽制してくれてるのかぁ。

 危なかった。無意識の内に悪役令嬢まっしぐらな行動をしてしまいそうだった。これはありがたい。


「ありがとうございます。お兄様、清水様。これからは気を付けますわ。」


 そう言って微笑みながら二人の顔を交互に見る。


「っな!?優理絵が笑っただと!?」


「だから言っただろ?今日の優理絵は少し変だって。」


「熱でもあるんじゃないのか?」


 なんか二人がいろいろ言ってるけど、よく分からないから微笑んだままの顔で無意識に首を傾げた。


「だからそれ止めろ!!」


 清水様にまた指摘された。

 むーん、無意識って恐ろしいな。身体に染みついた悪役令嬢の癖かなんかかな?

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