表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/12

しー君!

遅くなってこのクオリティ…

覚えていらっしゃる方はどれほどいるか……お久しぶりです

 二人分の足音がきっちり去ってからロッカーの扉を開けた。私の方が奥に入っていたのでキヨに先に出てもらわなければ出られない。しかし、扉が開いたのに動こうとしないキヨ。


「キヨ?もう出てもいいですわよ。わたくし達も早く教室に向かいましょう。」


 すると、ふらふらと無言でロッカーから出てそのまま廊下の壁に衝突してしゃがみ込んでしまった。私は、キヨの傍に寄って同じくしゃがんでその顔を覗き込む。


 すると、まぁ。茹でダコ2になっていました。よほど息を止めていたのか呼吸が少し荒い。本当なら息が整うまで留まっていてあげたいが、もう予鈴が鳴って随分経つ。だから、上下する背中を擦り、急かす。


「キヨ。苦しいかもしれませんが、早く教室に向かいましょう。教室にさっきまでいた一宮家と城之内家が居なかったら大事になりますわ。」


「……ああ。」


 まだ茹でダコからは戻っていなかったが、呼吸が落ち着いてきたので取り敢えず、キヨを急かしつつ教室に向かうことにする。とっくに予鈴が鳴っているので、担任教師に怒られること間違い無しだが、まぁそこはどうにかなるだろう。

 ……担任教師!!ああ!なんで忘れていたのだろうか。私のクラス、1ーAの担任教師という事=ヒロインの担任教師という事。何を隠そう担任教師も攻略対象なのである。……いや、現実的に考えたら教師が生徒に手ぇ出しちゃイカンだろうけど、ここはゲームの世界、私的にはとても嬉しい次第です。


 むさ苦しいおっさん相手だと、吐き気がするが乙女ゲームなのでそんなことは無く、この攻略対象者は20代後半くらいの大人の落ち着きを持ち、そのシルバーの眼鏡の奥の瞳は相手を射抜かんばかりの鋭いが、乙女プレイヤーの誰もが『その眼差しで心臓を射止められた』と言うほどの美青年なのである。因みに私もその一人。

 その彼の名前は『篠宮 雅紀』脳内ではしー君と呼んでおります。似合わないっておっしゃる方もおりましょうが、私はそれでぴったりだと思います。だってさ、しー君視点のストーリーを綴った小説とか同人誌とかあるんだけど、その時のまぁ可愛らいしこと。見た目とは裏腹に内心『嫌われてないかな。』とか考えてんのよ。私はそこからしー君と呼ぶ事でギャップ萌えをしていました。



 是非とも生で遅れてやってくるヒロインを睨むしー君とその後に一人影で落ち込むしー君を観察したいです。


 てな訳で、ヒロインよりも早く教室に戻らないとその場面が見れないので、かなーり早足(むしろ走ってる?)で、教室のある校舎へと向かいます!


「急ぎますわよ!早く行ってしー……しーしー自己紹介をしなければならないわ。」


 危ない、危うく願望が口から出かけた。

 これ誤魔化しになって無いぞ(汗)


「今更紹介なんてしなくても、皆中等部と同じだと思うぞ。」


 あ、そっか。


「そうですわね。……とにかく急ぎましょう。」


 でも、中等部と同じったって私には攻略対象者しかわからないわけで、自己紹介はして頂いたほうがありがたい。あれもイベントだしね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ