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心配かけて……ご、ごめん。

瀬戸が私が捕まった森、なんて言わなければ紗奈と蒼はこんなに怒らなかったのに!

私は瀬戸を鋭く睨む。


「あー、安心しろ?白川と高梨が心配するような事は」


瀬戸は少し私に罪悪感を感じたのか弁解の言葉を並べる。しかし、紗奈はそんな事は耳に通さず瀬戸の言葉を遮る。


「瀬戸君さ〜、分かってないよね。安心って何?敵に連れてかれてる時点で安心って何か場違いな言葉だから。てかさ、どうして話してくれなかったの?」


うわぁ、マジ切れしてらっしゃる。

確かに言わなかったのは悪いかもしれない。だけどそれは三鷹先生と瀬戸が助けてくれて無事だったし、余計な心配をかけたくなかったからで……。


「俺さ、日鏡に怒ってんじゃなくてそのパーマメントの日向ってやつに切れてんだよね。だから、そいつんとこ早く行こ?」

「蒼、紗奈。その、心配かけて……ご、ごめん」


私はいくら二人に心配をかけたとしても、今の方が余計な心配だと思い言わなかった事を少し後悔した。

すると、二人は瞳をうるわせ口をパクパクしているかと思ったらやっと口を開いた。


「……そ、蒼。どうしよう!蛍が……あの蛍が、謝った!!」

「ああ。俺も、聞いた。やばいな、あの日鏡だぞ!何だ、この嬉しい感じっ……!やってやったぜ!みたいなさ」

「分かる、分かる。何か今私達凄い事したね〜」


二人の中の私ってどんなんなのよ……。

だが、その場を上手く逃れられた私はそんな事は二の次で二人の怒りを抑えられた安心感はとても凄いものだった。


私達は結局そのまま私がこの前連れていかれた森に向かうことになった。


森の近くに着くともうパーマメントだと思われる生徒がうじゃうじゃといた。セルフの場合バラバラに敵を攻め倒していく戦法だったがパーマメントは陣地にて全員がまとまり敵を待ち構える戦法のようだ。ちなみに私達モーメントは全員で攻め倒す!って戦法である。


「日鏡……確かあいつも火なんだよな?」

「そうよ。日向の力は火の糸」

「お前、ことごとく付いてないよな」


瀬戸はふぅ、と軽くため息をついた。そして『だけど力を否定するなよ』と付け加えた。


「分かってるわよ。私、この力好きだもの。否定なんかしないわよ。そうだ!瀬戸さ、日向に何かしたの?私が捕まった時あんたを凄い嫌ってる雰囲気だったわよ」


そう、あの時日向は瀬戸に向かって『殺してやる』とまで言っていたのだ。何があったのかは分からないが、相当な事が無い限り普通そこまでならないだろう。


「あー、うん……思い当たる点が全然無いんだが………あれじゃないか?俺に学年トップの座を奪われた」

「瀬戸の前は日向がトップだったの?」

「ああ。俺も詳しくは知らないんだが、そう聞いた事がある」


なるほどね……でも、だからって殺してやるは無くない?切れやすいタイプなのかな。


「瀬戸君、戦う体制はさっきと同じで良いの?」


私と瀬戸の後ろを歩いていた紗奈が瀬戸に問いかける。


「うーん。そうだな……変えた方が良いかもな。パーマメントは見てわかるように森を沢山の生徒で固めてる。日向の所に着くまでに体力が尽きるのが落ちだろう。だから、俺がトラップで一回で守りを散らそうと思う。トラップを仕掛ける間、日鏡は白川と高梨の通る道を作ってもらえるか?白川と高梨は日鏡の作った道をがんがん進んでもらって……まぁ、前衛だな。頼んだ」


長々と体制を説明した瀬戸は一度解除していた守護力をCONTRACTで開放する。それに続いて私達三人も守護力を開放した。


「敵だっ!モーメントの奴らが来た。日向様をお守りしろぉ!」

「絶対に通すな」

「学年トップは日向様だ!」


やっと、私達に気づいた森を囲む生徒達は口々に叫んだ。

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