悪い……日鏡
扉の前に着き、扉に手を掛けようとした瞬間警報のような音が鳴り響き、扉は自動的に開いた。
そして、中から瀬戸と蒼と紗奈が私に武器を向けて来ている。
この警報はきっと、瀬戸のものだろう。だが、どんな理由があれ仲間に武器を向けられるのは不愉快な気分になる。
「日鏡か……。てか、遅いぞ。白川も高梨も集合は早かった……のに日鏡ときたら……はぁ」
扉の前に立っているのが私だと分かった三人は武器を下ろした。
「それはっ!……悪かったわよ」
「でも、蛍らしいよね」
「確かに」
蒼と紗奈は顔を見合わせて可笑しそうに笑った。
「今は高梨の力でこの寮ごと次元を少しずらしているから、パーマネントもセルフもここを襲わないが、長くは持たない。もう、大丈夫か?大丈夫なら……行くぞ」
「望むところじゃない!」
まずは、外に出ないと話にならない
。私達は瀬戸に続き寮の外へと出た。蒼はCONTRACTを解除し、その途端私達は敵に囲まれた。誰が、パーマメントで誰がセルフなのか全く検討がつかない。けど、私達以外全員敵っ!
「日鏡と高梨は前衛!俺と白川が後衛だ!」
『了解っ』
私達は声を揃えて答える。
前衛ということは、ガンガン攻めればいいと言う事だろう。二人は後ろからフォローしてくれるって事ね。
「……CONTRACT……弓」
エアーで弓の形を作り周りを囲む敵に向けた、が何故か敵は全滅していた。
「日鏡、悪い……」
瀬戸だ……。何でも、敵全員の足元から麻酔銃の弾丸が飛び出すようにトラップを設定したらしい。
これだから、学園トップは……。まぁ、強いのは良いこと……よね。
「別に、謝らなくても良いわよ。で、次は?」
「代表が倒された時点でその団体はもう駄目だから、パーマメントかセルフの代表に出くわせれば良いんだけどな」
「なぁ、セルフの代表の椎名ってあいつだよな?」
蒼は私達の後ろを指さし、言った。
蒼の指さした方向には確かに、椎名と夜長、そして小南がおそらくパーマメントであろう人達と戦っていた。
「うわ〜、やっぱ強いね。もう戦い終わっちゃったよ」
紗奈は関心するが、それもそのはず。椎名はセルフ代表。夜長と小南も椎名の助手を努めている。イコール幹部。そんな人達が弱いはずがない。
椎名達は私達に気づいたのか、にんまりと笑みを浮かべこちらに向かってくる。
けど、ここを倒せばセルフは終わるっ!
私はどーんと構え、椎名をにらみ返した。




