敵と味方
DOは全部で五人。さっき話しかけてきた黒髪のメガネがリーダーだろう。でも、その右横にいる金髪のチャラ男やアフロの細い男、左横にいる藍色のショートカットの美女と黒髪のやんちゃそうな男、全員雰囲気から殺意を感じる。
やはり、瀬戸の言う通りかなり強いのだろうか。
DOは私達に少し遅れて、「CONTRACT」と呟く。
黒髪のメガネは刀を持っているから剣使いだと予想できる。
「おい、藍色のショートカットがいないぞ」
瀬戸が私に耳打ちする。私は辺りを見回し、それを探した。
「……いたっ! 上よ!」
「空気、いや気体を操れるタイプ……または、転移系か?」
「そうね、いや扇子を持ってるわよ。転移系じゃないわね」
それ以外は元の位置にいる。金髪のチャラ男は……あれは、鳴子?鳴子を手に構えている。鳴子を構えているだけでは何をするものなのか全く予想がつかない。
アフロの細い男はロープを持っているから紐を自由自在に使えると行った所だろうか。
黒髪のやんちゃそうな男は巨大な注射器のような水鉄砲のようなそんな物をもっている。中が水なら水を操れるのだろうか? それとも、中身は関係なくあれ自体が武器なのだろうか?
「日鏡さん、それは?」
椎名が私の針を見て言う。あれから練習して1つ手の中に持つ以外は制服のポッケに針を出現させられるようになった私はその針を5本手に持っていた。
「氷針よ。これを使ったものなら、どんな武器も作り出せる」
「氷針とは、珍しい! 知らないと不便だからね、僕らのも教えておこう!」
椎名はくせ毛をカッコつけてかきあげ、続けた。
「僕は炎をまとる剣を使う力」
「私は見ての通りすり鉢です。色々な植物を調合する事により治癒や毒麻痺などを作り出せます」
長い黒髪を風に揺らしながら小南は言った。そして夜長。
「俺はこのスコップで地形に何らかの影響を与えられる」
そう言い、スコップをふりかざした。
「いつまで待たせるんすかぁ?」
DOである金髪のチャラ男が退屈そうに言う。
「こんな数分も待てないのね、ガキ。これから、たっぷり戦ってあげるわ!」
「見ない顔にしては随分と威勢が良いですね」
黒髪のメガネが剣を抜く。
「数分、お前らで稼げ。俺はトリックだからな」
そう言い、瀬戸は寮の影に入る。
「了解っ………ピストル」
私は銃を想像し銃の形を作った右手に氷針をセットした。
あれだけ練習した。私は……私達は絶対に大丈夫だ。