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DO

 どうしよう、どうしよう、どうしよう……。まだ紗奈と何も話してない。異世界に巻き込まれた上にこっちの戦いにまで巻き込まれて……全部私のせいだ……。

 私は様々な思いを心の中で巡らせていた。


「おい、日鏡! 大丈夫か……? お前、しかっりしろよ。こいつらは戦わなくちゃ引き下がらない、だから俺とお前で二人を守る。お前は夜中特訓してただろ?」

「知ってたの?」


 誰も知らないと思っていたのに瀬戸が知っているなんて予想外だ。


「全く、俺の練習時間奪いやがって……。お前が駄目そうだったら俺が守ってやるから、それは安心しろ。だから、お前はお前にしか出来ない事をしろ。きっと、白川や高梨はお前にしか守れない」


 我ながら単純だな……と思う、けど私がどうすればいいかなんて瀬戸に言われなくてもとっくに分かっていたことだった。私が守る。


「……瀬戸、ありがとう。よし! 行くわよ、瀬戸!」

「おう」


 私達は教室を飛び出し音のした方へ向かった。


「窓から見えたのは無差別殺人組織……俺たちはデス・オーガニゼーションの略でDOと読んでる。見た限りだと5人程……だが、かなり強いぞ」

「DO……」


 昇降口を出ると寮方面に人影が見えた。


「寮?」

「まぁ、そうなるよな……。この時間襲うなら生徒が沢山いる寮だろう、急ぐぞっ」


 時間から考えて、紗奈と蒼はもう起きてるはず。状況をしっかり把握出来てれば良いけど……。

 寮の前では噴水が壊されていた。さっきの大きな音はこれが破壊された音だったのだ。そして、寮の目の前に佇む五人の黒スーツ。


「あれがDO」


 呟くように言うと、寒気のするような声が私の方に飛んだ。


「日鏡さぁん!君も寮の外にいたんだね〜、安心したよ」


 セルフの椎名だ。後ろにはこの前と同様に夜長と小南がいる。


「お久しぶりです、日鏡さん。寮外の生徒しかDOを止めるすべはありません。戦いますよ、お覚悟は?」


 小南がきりっとした目つきで訴える。


「あるわよ……なきゃいけないのよ」

「では、行きましょう」


 夜長が低い声で静かに言った。


「僕的には瀬戸直人とは協力したくないんだけど、まぁ日鏡さんの為にここは引いてあげるよ」


 やはり、相変わらず……。

 一瞬、気を抜いたのだろうか? いや、抜いてない。だが、私は彼らが、DOが背後に一瞬にして移動したことに全く気づくことが出来なかった。


「おやおや、勝手に楽しまないでくださいよ〜」


 五人のうちの一人が私達に話しかける。


「ちっ、さっさと片付けるぞ」


 瀬戸の言葉を聞き私達は一斉に「CONTRACT」と叫んだ。

 紗奈と蒼の元には行かせない!

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