表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/49

異世界らしくない

 学校内はやはり洋風を感じさせる雰囲気だった。黒い淵に大きなガラス窓。横一列に繋がった白い机、教室の雰囲気がもう違う。

 やっぱ異世界の学校ならこうでなくっちゃ、と一人でに思う。

 何故、私がこんな事を考えているかというと原因は授業内容だ。一限間目はこの国の歴史だった。二限間目こそはと期待したがまさかの英会話。異世界らしくない……。


「うぅー、瀬戸。毎日こんな授業なの? てか、異世界なのに英語って……」


 隣で授業を受けている瀬戸に小声で囁く。


「ん、時間割表」


 時間割を渡された私はそれを見た。するとそこには月から金の予定があり全ての一、二限目は歴史と英語だった。水、金だけ三限目があり実技と書いてあった。科目は二教科だけなものの、異世界へ来てまで勉強をするとは思わなかった。あーもう、嘘でしょ〜。


「……ありがとうございました」

「ああ」


 あれ、何か瀬戸の態度が丸くなったというか優しくなった気がする。……ああ、あれは誰とも仲良くしないためのガードだったのか。素がだんだん出てきたって訳ね。

 何よ、最初からその性格なら私だってもう少しは……いや、考えるの止めよ。もう過去のことだし。


 ぐだぐだ考えてるうちに私にとって最も長かった授業が終わった。


「蛍、大丈夫?」


 机でぐったりしている私を見て紗奈が声をかけた。


「紗奈ぁ! 無理、死ぬっ」

「英語も歴史とかの暗記系も苦手だったよね、蛍」


 紗奈は苦笑いをこちらに向けた。


「俺らはこれで良かったとた思ってるけどな」


 そりゃあ二人は頭、いいですからね。


「おい、自主練場いくぞ」

「そんなとこあんの?」


 私は瀬戸が話題を変えてくれたのですぐさまそれに飛びついた。


「競技会場は教師同伴じゃないと使えないんだ。だから、生徒だけの自主練習は大体そこでやる」


 授業が終わりどんどん人が少なくなる教室で瀬戸は説明した。


 私達が教室を出る頃にはもう生徒はほとんどいなかった。黒と白の正方形が交互に並んだ模様の廊下を通り教室のある3階から昇降口のある1階まで階段を降りた。

 瀬戸しか場所を知らないため私達は瀬戸について行った。瀬戸は昇降口から右に少し行った白い石で出来たドームのような場所へ入っていった。中は……芝生だった。外がずっとレンガの道だったため凄いインパクトがあった。にしても白い石で出来たドームと青々とした緑の芝生はなんとミスマッチなのだろう。


「始めるぞ」


 瀬戸はぼんやりしている私達に少し呆れ気味に言った。


「うん」


 練習開始だ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ