2話 会議
2話、会議
こんにちは信夜です。
今日は会議の日、深夜組の隊長達が集まる。
俺?俺は一番隊隊長ですが??どや??
「よし、皆集まったな?会議を始めるぞ。」
本日もいい笑顔な近藤さんが部屋を見渡す。朝から元気な人だ。
「嫌でーす!!」
「嫌ですって何!?なんで今言うの!?!?」
本日もいいツッコミは健全だな。あ、ちなみに今の俺です。
「今日の議題はー...」
土方さんが勝手に話し出す。ちょ、近藤さん可哀想でしょw
悪くないのにね!悪いの俺なのにね!
「あ、スルーの方向なのね...」
ショボンとする近藤さん。その頭にはまるで犬の耳が垂れているようにまで見えて面白い。
「さつきちゃんさつきちゃん、今夜一杯どう??」
会議中だと言うのに爆笑する俺に話しかけてくる人がいた。なんてこった。
彼は永倉威座弥、二番隊隊長で俺達の剣の師範でもある。めたんこ強いんだぞ。こんなチャラ男みたいな誘い方してくるけど、めたんこ強いんだぞ。
さつきちゃんとは、俺がネットで使ってる名前だ。可愛いだろ?
え?なんでネットが江戸にあるかって??細かいことは気にしたら負けだよ。
「いざやちゃん、俺金ねぇから」
キラキラと期待した目で見てくるいざやちゃんを一刀両断する。悪いね!本当に財布が軽くてどうしようもないんだ!遊びすぎたかな!
「そんなの俺がおごるってー!好きなもの全部買ったげるよ!!」
嬉々として言いのけた相手に半ば呆れながら笑う。
こいつは将来カモにされるな、確信できる。
「うーん、それなら…」
かくいう俺もカモにしてる一人だが。
「近藤せんせぇー!あそこで威座弥くんが信夜くんをナンパしてまーす!」
ビシッと指をさされるいざやちゃん。
指をさしてる本人はけらけら笑ったままだ。
この人の名前は藤堂天志、八番隊の隊長だ。山南さんとは正反対のその名の通り明るく純粋で、まるで天使のような笑顔を持つ。お姉さまキラーと町では呼ばれているらしい。ずるい。
「天志ちゃん、人を指さしちゃダメよ?」
にっこりと笑って天志ちゃんを静めるこの人は、原田明雪、十番隊隊長である人だ。
いわゆるオネェさんというやつだ。とても大きいのにオネェさんなのだ。見た目は怖いのだ。これを言うと般若になるので心の中だけに留めておく。
「近藤せんせぇー!とりあえず土方は死ねば良いと思いまーす!」
手をあげて元気に言う彼は斎藤喜寿、三番隊の隊長さんだ。組の中では年少の方ではあるが、それでも他の隊士よりも一回り幼く見えるその身長を気にしている。チビと言うと頭突きかましてくるから痛い。
土方さんを敵対視していて、皆には変なあだ名をつける、ちょっと変わった子だが、剣の腕は俺と並ぶくらいに成長している。
「おいそこ、色々ツッコミたいがまずなんで呼び捨て!?俺上司なんですけど!!!」
きーちゃんを指差して怒鳴る、土方さん。きーちゃんに敵対視されている土方さんは、同じようにきーちゃんに苦手意識を持っているようで。でもこの間部屋に「子供に好かれる行動」っていう本あるの見つけちゃったからな。やっぱり気にしてるんだろうなと思う。たぶんきーちゃんに見つかったら殺されるだろうけど。
「あら火奏ちゃんも?人を指さしちゃダメじゃない」
「あっ...すみませんでした」
さすがの副長様も、オネェさまにはかなわないらしく、敬語を使いながら手を下ろすその姿はまるで副長には見えない。
「だっせーのだよwwww」
腹を抱えて楽しそうにきゃいきゃいと笑うきーちゃん。そういう所がガキっぽいと気付く様子はない。まあかくいう俺もその内の一人なのだが。
「喜寿...良刹に言いつけちゃうからな」
ピシッと固まるきーちゃん。山南さんは現在出張中なのでこの場にはいないが、何故かきーちゃんは酷く山南さんを恐れているらしく、大体の言うことは忠犬のように聞いている。
「はーいはい、わかりまーしたよー。…チッ馬鹿なでのくせに」
素直に座るもぼそりと悪態をつくのを忘れないきーちゃん。もはや尊敬するわ。
「おい聞こえてんぞそこ!!!!」
「近藤せんせぇ、土方さんのおかげでまったく会議が進みませーん」
「…今日の会議はこれにて終了!!さぁ今日も元気に見回りと行こうじゃないか!!ハハハハ!!」
……あ、放棄した。