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はじまり

森の奥にある小さな小さなお城。


そこに僕は住んでいた。


誰も居ない、


僕しか居ない、僕だけの、


僕の為だけにあるお城。


まだ小さな僕にとっては、


その小さな小さなお城は充分に広かった。


そして僕しか居ない小さなお城は、


虚しさと悲しさだけが充満していた。


僕だけのお城。


僕しか居ない。


ひとりぼっち。


僕の頭にこんな思いが浮かび上がってきた。


……僕は、これからずっと一人なのかな。


誰も居ない、こんな静かな中、


たった一人でずっと過ごすのかな。


そう思った時、


僕はお城の中を駆け回った。


誰か、誰か居ないの?


本当に僕だけなの?


どんなに小さなお城でも、

やっぱりお城はお城で。


探す場所はとても多かった。


あちこち見て、何度もドアを開け閉めして、


たくさん階段をのぼって、降りて、


転んで泣いて。


どんなに探しても、日にちをかけても、


何度探しても、それでも、


誰も居なかった。


……僕しか、居なかった。


僕はノロノロとお城の地下にある、


書斎に行き、ある本を手に取った。


本を開けば、楽しそうに笑い合う女の人と


男の人、そして真ん中に小さな子供。


本にはこの女の人が『お母さん』、


男の人が『お父さん』と書いていた。


そしてこの三人の事を、『家族』と書いていた。


何ページか捲れば、綺麗に描かれた外の様子。


たくさんの動物と、程よく日の光を浴びた木々達。


たくさんの人と、人が浮かべる笑顔。


賑やかそうに見える、人が暮らす場所。


この場所は『町』と言うらしい。


暫く眺めていたら、ポタッと何かが落ちた。


ジワ…と本の文章が滲んでいくのを見て、


これがナミダだと気付いた。



嗚呼、本が汚れてしまう。


拭かなきゃ、急いで拭かなきゃ滲んじゃう。



そう思って何度拭いても、何度拭いても


ナミダはたくさん落ちてくる。


ポタッ、ポタ、ポタポタ


どうしようもないから僕は本を閉じ、


近くの椅子に座り込み、両手で顔を覆った。




なんで、なんでナミダは止まってくれないの?


溢れ出した疑問は、止まる事を知らない。


なんで僕には本の様な女の人と男の人が居ないの?


なんで本の様な外の世界に僕は行けないの?


なんで僕は一人なの?


『お母さん』と『お父さん』は居ないの?


この近くに『町』は無いの?


なんで本の様な木々達がお城の周りにないの?


なんでこのお城は日の光を浴びないの?


なんでずっと曇り空なの?


外の世界はこんなにも綺麗なのに、


僕の周りには薄汚れた小さなお城と


お城を囲むいつまでも日の光を浴びない木々達。


そして孤独と虚無と悲哀と嫉妬。


なんで僕の周りには綺麗なモノがないの?






僕の全ての知識はこの書斎にあった本から得たモノ。


本に書いてた、『先生』って人に教えてもらう事も、


『学校』って所で教えてもらう事も、


『家族』って人達に教えてもらう事も、


一度もない。


僕にとっては、本が『先生』であり、


『学校』であり、『家族』なんだ。


無機物が、『家族』……………。


そう思っても、あたたかさは何も感じなかった。










先程見た本の『家族』を思いだし、





ただただ流れていくナミダを止められずに、




僕はただ、そっと目を閉じた。

えー、お久しぶりです?


最近何も書いて無いなぁと思い始めました


連載モノ。


まぁ連載モノと言っても、

2、3話位で終わらせる気です、はい。


テスト近いのになんで書いてるんだってね(笑)


えー、始まったばかりの「僕だけの………。」


初、連載モノです。


何かと変な部分があるかと思われますが、


指摘して頂ければ、嬉しいです。


まぁそんなこんなで


これからも宜しくお願いします。

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