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昼突然、院長とのやり取り

いつもとは少し違う話

出だしからあまりに脈絡のない展開なので申し訳ない限りだが、


学校から帰宅したら、女の人が玄関先で倒れていた。




………………これなんてエロゲ?

一体どうしたことだろうか

なぜ我が家の玄関先でアラフォーと思われる女の人が倒れているのだろうか…


道路でなく玄関先

位置的に見て間違いなく我が家への訪問者だろう。


大丈夫ですか?…と安否の確認をしようとしたところ


「柿の種がっ……柿っ…頑張って……発…芽まで…あと………少し」



この女の人が我が家の玄関先で爆睡している経緯と理由よりも

見ている夢の内容の方が遥かに気になる。



「駄目よ…ピーナッツが……発…芽する……訳っ、ないでしょ!?はっ!!此処は!?」


おお、起きた

突っ込ませてもらうなら、ピーナッツも発芽はしない。

よかったよかった無事みたいで。


愉快な夢から目覚めた女性は、私に気が付くと…


「もしかして、凛ちゃんかしら?」

「あ、はい……えーと」

「元気にしてた?大っきくなったわねぇー」


どうやらこの人と私は面識があるらしい


「本当に大っきくなって……驚異的な胸囲だわ」

ここ一番のキメ顔である。


脳裏にマイファザーの顔がフラッシュバックした

間違いなくこの女性、父の何かだろう。


「まぁ外で話すのもなんだし、お茶でも入れましょうか」


文体から見るとまるで私が言ったかのように思われるだろうが

彼女の発言である。普通逆じゃないだろうか。


この遠慮の無さ、

まるで親戚のおばさんのようだと思った。



家に招き入れ……というか押し入られて20分くらい。


お話をうかがったところによると

彼女の名前は真木野菊。

とある孤児院の院長らしい。


…………あれ?

普通施設の院長ともなれば初老であって叱るべきであろう…

どっからどう見ても40くらいにしか見えない。

アレレーおかしいなー?

きっと就任したてなんだね、そういうことにしておこう。



「それで久しぶりに遼君の顔を見てこうと思ったんだけど、そりゃ昼間だし仕事だよねー」

「休日なら家にいますけどね」

「そっかそっか、まあ元気でやってるんならいいのよー可愛い娘さんの顔も見れたしね」

「はあ」

「あんまり可愛過ぎて遼君が襲ったりしないか心配だわ」

「……………はあ」


時、すでにおすしである。

父のデレ具合と言ったら大トロ級である。

寒かったね、ごめんなさい。


正しくは時既に遅し。


「というかなんで玄関先で熟睡なさってたのですか?」

「いやー、いい天気だったからねぇ」


場所が公園ならまだしも…玄関先で寝ていい理由にはなるまい。


「随分楽しそうな夢をみていたみたいで…」

「そうねぇ……世界中の子ども達が幸せそうな顔をしているとても素敵な夢だったわ」


都合良く美化されているが駄目である。

確実に柿の種の発芽を応援なさっていましたよ。


その後2時間程おしゃべりをして…


「じゃあ遼君によろしく言っといて頂戴ーじゃあまたねー」


と、真木野さんは帰っていった。


というかおしゃべりな人であった。

言葉のキャッチボールという言葉を、あの人は知っているんだろうか…

さながら言葉のレシーブ練であった。

もう完璧に一方通行。


いま「アクセラレータ」に見えたそこのあなた。

恥ずかしくなんか無いよ。

誰だってそう読んじゃうもの。




場面が切り替わり



風呂である


サービスシーンである。


挿絵はございません。

残念でしたー。





ちょっと説明させて欲しい。


うちの父であるところの相原遼はその昔、孤児であったらしい。


んで、その時の保母さんが真木野さんだったということだ。


だから何だと言われればおしまいなのだが…


まぁそうであったというだけなのだが…


普段あれだけふざけている、ふざけた父にも


そういうところがあるのだ




両親を失って



妻を失って



男手一つで娘を育てて






どれだけ苦労したのか



どれだけ悲しんだのか



どれだけ絶望したのか




正直わからない


わかるべきじゃないとすら 思う


冷たい物言いだが


私は父ではないのだ



悲しみは共有するモノではない


人に押し付けるのも


押し付けがましくわかった振りをするのも


ましてや同情なんて迷惑に近い




だれも 何もわからない


わかるわけがない


わかったと思って たとえそれがあっていっても


当てずっぽうに違いない


わかった気になっただけだ



自分のことですら時々わからなくなるのに


他人の気持ちが全部が全部わかるわけが無い


私に父の気持ちはわからない




でも


「ただいまー」


効果音を付けるなら、やはり『ドーーン』か《ジャジャーン》


さも当然のようにバスルームに登場




いつものことだ



何でだろうな 頬が緩んでしまう



本当に変な父だ




「どしたの?おーい、凛ちゃん?」



「何でも無いよ」




そういって手元にあった桶を投げた


寸分の狂い無く父の顔面に命中





「おかえり」





それでも



歩み寄ってはいけない理由は 無いだろう






挿絵は希望者の数が多ければ制作します

凛ちゃんのサービスカットが見たい方はメッセージをおくれやす


本編がいい感じで終わっても後書きで台無し

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