ゾンビと怒り
俺は重い足取りで家を出ようとした・・・
少しでも長くこの家を使いたい・・・
佐奈との思い出・・・
守との思い出・・・
この家にはいろんなものが詰まっている・・・
だから・・・
そのためには補強が必要だ・・・
そう思い俺は家を出た・・・
?:「おや、帰ってましたか」
信吾:「ああ?」
?:「わたくしの名は、ジーク・・・以後お見知りおきを・・・」
なんだ?
スーツを着て・・・
ああ、俺と同じやつか・・・
信吾:「忙しいからどっか行け・・・」
ジーク:「いいのですか?」
信吾:「いいよ別に・・・」
ジーク:「殺したのがわたくしでも?」
―――――――バン
ジーク:「!?・・ガア!」
俺は殴っていた・・・
殺したのが・・・
こいつだとわかったから・・・
信吾:「おらああああああ!!!!!!」
殴る蹴る・・・
一秒で・・・
それを8回繰り返した・・・
ジーク:「ア・・ガ?」
なにがおこったか・・・
わかっていない・・・
だけど・・・
俺の怒りは収まらない・・・
――――――――数分後――――――――――
ジーク:「・・・・・・」
動かなくなってきた・・・
さっきまで少し動いていたが・・・
もう反応がない・・・
信吾・「はあはあはあはあ・・・」
むなしい・・・
こんなにもむなしいのか?
さっきまであんなに憎んでいたが・・・
いや・・・いまでもにくい・・・
だが・・・
なんだろう?
この感覚・・・
復讐を成し遂げたから?
違う・・・
悲しいんだ・・・
むなしいし、悲しい・・・
やることが・・・
なくなり・・・
生きていく意味もない・・・
死ねない・・・
・・・そう言えば・・・
こいつ・・・
気絶したのか?
動かなくなっているけど・・・
まさか死んだ?
いや、こいつはゾンビに襲われてない・・・
じゃあ、ゾンビのはずだ・・・
一応、のど元に手を当てた・・・
これは人間もゾンビも一緒・・・
生きているなら・・・・
呼吸で動く・・・
だけど・・・
こいつは・・・
動いてなかった・・・