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9 生=水牢



 まるでガラス細工のように

 もろい現実



 僕は今本当にここに在るのかそれとも全てが夢なのか


 砕けて散った思い出は

 果たして正しく刻まれているのだろうか



 急に恐怖に襲われて

 コポリと浮かんだ泡の数だけもがいたけれど


 身体に絡みつく水は更に僕を束縛した




 息が、出来ない



 伸ばした手は誰に向かって助けを求めたのだろう



 生気を失った白い手を

 見つめるとグラリ

 景色が歪んだ



 僕は誰だっけか

 僕は何だっけか


 問うても問うても

 闇に紛れる真実



 世界ハ僕ガ

 イラナイヨウダ


 寂シイナンテ思イハ

 一時ノ気ノ迷イダ



 強がり笑う

 偽りの仮面


 それを剥いだら酷く弱虫な自分がいた



 現実逃避をして息を忘れ

 冷たい鼓動に身を任せれば


 不確かな世界から

 確実に夢へと足を踏み入れ始めたんだ





 コノママ何処カニ

 行クノモ悪クナイ




 心地よい波音に脱力

 瞳を閉じれば虹色の幻覚



 だけどそのうち耳鳴りが襲う

 破裂しそうな頭に

 痺れる手足が危険を訴える



 耐えられなくて目を開けると


 また曖昧な世の中に逆戻り



 マタ戻ッテシマッタノカ



 ため息に混じる涙



 あと一歩で見える死に

 鎖のせいでいけないよ




 鉄の匂いの未練の連鎖


 断ち切れなくて

 今日もコポリ


 泡を吐き出しきっと僕は生きている



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