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5 見えない月
濃い霧の中をただ
歩を進ませていく
1人夜道
霧がボクを隠して
ボクの姿をぼやかせる
このまま消えて溶け込めたら
どんなにいいだろうと呟く
虚しい心だけが
ボクの体を抜けていき
1人歩き
空っぽの体はボクの
声も聞かずにさまよう
今は夜空を見上げられない
霧の向こうにいるのは
どんな月?
心と体が離れてく
心も体もひとりぼっち
そうなる前に繋ぎ止めて
俯いたボクにも分かるよう
窓から銀の光を届けて
霧の向こうのあなたに
今、逢いたい――……
浅い夢の中をただ
さまよい続ける
1人暗い場所
軽く目を覚ましたら寝ぼけて
周りの景色がぼやける
ボクも混ざり溶け込めたら
どんなにいいだろうと思った
壊れた携帯が
ボクの悲しみを誘って
1人歩き
暗闇の画面はまるで
月が無い夜空のようだね
今は夜空を見上げれない
この闇に浮かんでほしいのは
どんな月?
友達みんなが消えていく
携帯履歴が空っぽで
それでもあなたは傍にいる
俯いたボクも分かったよ
闇の向こうのあなたに
今、逢いたい――……






